IPOへの苦難の道 ~7~

-外形標準課税-

外形標準課税は資本金が1億円超の会社に課される法人事業税で、単純な所得に対して課されるような法人税とは違い、会社の規模(資本金や従業員数など)の外観的要素に対しても課税される税金です。

その構成要素は、所得割、資本割、付加価値割で構成されます。

所得割は所得に対して、
資本割は資本金等に対して、
付加価値割は収益分配額等、つまり役員や従業員へ分配した報酬や給与などの分配額や家主などに分配した賃料などに対して、

それぞれ税金が課されることになります。
(かなり端折ってますので、細かい内容は調べてください)

IPOを目指している会社は資本金が1億円を超えない会社も多いので、

うちになんの関係があるの?

と思われる方もいるかもしれないですが、実はこいつがちょこちょこ悪さをするんです。
特に資本割と付加価値割は要注意です!

さて、それではこの外形標準課税がどのような悪さをするかと言うと、

ズバリ利益計画策定の段階です!

利益計画は上場承認後のバリュエーションにも影響を及ぼし、ひいては調達額に大きく影響を及ぼします。
どうです?かなり関係あるんじゃないでしょうか。

上場前に利益計画を策定する段階では資本金も1億円を超えておらず、それまで外形標準課税について考えるケースがなかったと思います。
しかし上場後は資金調達の結果、資本金が1億円を超え、知らず知らずにこの外形標準課税が適用されちゃいます。

これを知らずに予算組みをしてしまうと、、
気づいた時点では時すでに遅しで、外形標準課税を考慮する前の利益計画で審査は進んでしまうわ、予算と実績は乖離するわでえらいことになります。

特に、コンサル業などのように人が資本の会社で人件費以外に経費がかからないような会社はもろに影響を受けます。
場合によっては数千万円レベルで費用の計上が必要になります。

なので、会社によっては減資をするなどして、資本金を減らし、外形標準課税の適用を免れる法人もあったりします。
このあたりは主幹事証券ときちんと協議をしながら進めましょう。

ということで、利益計画を策定する段階では、外形標準課税の予算計上には注意しましょう!

所属
合同会社UKTGコンサルティング
https://uktg.co.jp/trust/

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