IPOへの苦難の道 ~5~

-証券審査対応のポイント-

証券審査は最後の難関になる東京証券取引所審査のプレ審査として証券会社によって行われる審査で、これを突破すればやっとこさ東証審査に突入できます。

大体期間はマザーズなら2ヶ月程、本則(1部、2部)なら6ヶ月程(野村證券の場合はちょっと違いますが)の期間になります。質問数は300〜500問くらいでどちらも変わらないので、審査期間だけでいうと本則市場を狙う方がめちゃめちゃ楽です。

僕の場合はマザーズの審査を経験した後に本則の審査を経験したので、こんなに緩いスケジュールなのか、と心が踊ったことがあります。

反対にマザーズはめちゃめちゃしんどい。
土日、深夜関係なく期日に間に合うように対応しないとならなくなるので、担当者の心身共に崩れてくるのもこの辺りがピークになる。
とある会社の担当者はこの辺りになるといつもカレーを食べていた。きっと食べ物を噛む力も無くなるんだと思う。カレーはやっぱり飲み物なんだと、カレーを啜るその人の姿を見てしみじみと思ったものだ。

マザーズ対応の証券審査は僕も何社か経験してますが、この時期はほぼ毎日深夜1時とか2時になるのが当たり前でした。
人間とは不思議なもので深夜0時を超えてくると精神状態がおかしくなります。
きっと善悪の判断がつかなくなるんだと思う。人によってはオフィスでタバコをふかしながら、ひたすら何かを罵る言葉を発していた。

審査対応はものすごく神経をすり減らす作業となります。
回答書にはこれまで会社が証券に説明してきた内容と齟齬が無いようにしなければならないですし、規程類、取締役会議事録、中計等々あらゆる資料との整合が求められますし、質問に対する回答書の整合もきちんとみないとダメです。
当然、回答書の作成は1人で対応できる分量ではないので、複数人で対応する必要があります。そのため、必ず回答を統括する人物を決めて、回答書を作成する前に回答方針を定めていくことが重要です。

あとは、決してその期間は早く帰れると思わないで下さい。覚悟です!覚悟!
証券審査まで漕ぎ着けたならば、ゴールまであと少しです。精神壊さず頑張りましょう(´・Д・)」

所属
合同会社UKTGコンサルティング  https://uktg.co.jp/trust/

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