1. 私が生きる意味は何なのだろうか。意味の追求は現状からの脱却を求める。「こうじゃないはずだ」「もっとこうしたい」「これはなぜだ」「これでは意味がない」。意味の追求は自己を拡散させる。私の意味はそもそも私にしか付与されない。よって自己が拡散した状態においては、『意味』が意味を持たない。

2. 意味とは何なのか。例えばあなたにとって意味があることは私にとって意味があるとは限らない。逆もそうだ。意味の追求は、自己の納得を追求する行為に他ならないのだろうか。私はそうは思えない。あなたと私、共通の意味も存在すると思う。

3. 言語的な意味の作用は、例えば真偽判定に代表されるように、意味の有無も真偽判定に帰着されるのだろうか。本当にそうなのだろうか。命題においては、真には真としての意味がある。同様に、偽にも偽としての意味がある。すなわち真偽はその意味によって成り立つ。そう考えると、『意味』の意味があろうがなかろうが、意味は存在することになる。私たちはもはや存在することそのもの、世界に紐付いた私の存在そのものに意味があるのではないだろうか。意味の有無は、私たちの存在そのものに対して意味があることを前提にしているのではないだろうか。