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新規ゲームを起案する方法【 #ゲーム運営 #マーケティング】

新規ゲーム。

毎日Webを見れば「新規ゲームサービスの開始!」なり、新しいゲームの広告、情報が出てきたりとそれは湯水の如く新しい情報が毎日流れ込んできます。世間には数多くゲームは存在するけれども、いったい自分自身がその新規ゲームの企画を立ち上げて、プロジェクトが進行させる担当者になるためにはどうしたらいいのでしょうか。

1つのゲームアプリを作るのに大体どれぐらいの予算感なのかはIR情報等でも公表されることは多いですが、ここでは5000万円以上のプロジェクトを起案することを前提に記載しています。


今回は、【新規ゲームの企画を起案し、どうやってスタートさせるのか?】というテーマについて、実体験を元に触れていきたいと思います。


■対象読者
・ゲーム業界で働く新卒 ~ 中堅者向け
・職種不問

■概要
・ゲームを立ち上げるタイミングを知る
・立ち上げ方の書類の作り方、進め方を知る
・新規開発で失敗しやすいことを知っておく


この記事を読んでいる方で、新規ゲームを立ち上げたいと思っているならば、どうやったら近道できるのかを模索してほしいと思います。

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【A】起案するタイミングがある


ゲームを起案するタイミングというものがあります。ざっくり分けますと、下記【2つのタイミング】と、【2つの要因】があります。


【a-1】起案する2つのタイミング

I・決算や期が変わる事業の見直しタイミング

II・投資すべきタイミング


【a-2】起案される2つの要因

要因についてですが、これもまた2つに大別して、外部要因と内部要因があります。これはちょっと複雑なのでもう少し砕いて解説いたします。


III・外部要因

a・案件が外部から飛び込んでくる

内部でヒット作が生まれた場合、外部からの協業やコラボ案件などが結構な頻度で舞い込んできます。この場合は比較的大きな話も舞い込んで来やすいので、会社としては乗ることも多いような気がします。純粋にそれに乗っかりたい場合はプロジェクトに積極的に飛び込んでいきましょう。


2・案件が外部から飛び込んで来る、買いに行く!(国外)

これもよくあるケースです。この場合、起案は起案案件ですが、すでにあるサービスを翻訳したり、日本向けのコンテンツを作ったり、日本で販売したりといったことが主業務ではあります。めちゃくちゃ勉強にはなりますので、1度は経験してみることをおススメいたしますが、プロダクトをいじれることがほぼないので、自分でやりたいかどうか。あとはそもそも会社がその協業を認めてくれるのかというような判断も必要ではあります。

海外タイトルを運用する場合、契約金、プラットフォーム手数料、ロイヤリティ、税金、翻訳費用、というのお金に関するエトセトラが発生しますので、お金は新規でゲームを開発するぐらいかかります。

ある程度形のあるものを起案するか、ゼロから作ることを起案するのか。それもとても大切な意思決定の1つです。


【B】内部要因

1・計画的に準備されて立ち上がった場合

めちゃくちゃ正攻法で計画的なプランニングです。ただしこの場合、起案する人がほぼ固定であり、かなりの役職クラスについた人が手掛けることが多いです。企画書自体も手堅いものが多いだけでなく、場合によってはいきなりプロトタイプの開発から着手しているケースも珍しくはありません。それぐらい仕込まれた案件ということです。
ここでは新人や中堅が新規で起案するケースはほぼありませんが、起案者のサポートに入ることで企画の立ち上げから参加できるとてもいいチャンスでもあります。


2・特定分野でチャンスが訪れた場合

特定の内部要因、人事などによる変遷、会社の分割、承継などでいきなり事業チャンスが訪れることも珍しいことではありません。私もこういう会社の変遷タイミングでうまく起案して立ち上げたタイトルは数知れません。いかなる状況を活用する、活用できることもまた、社会人としての面白いところでもあります。

私の場合は、いきなりゲームに詳しくない上司がやってきた際、これはこれこれで売れるのでやりましょうって言って、2億、4億クラスの資金調達と起案をして立ち上げたプロジェクトも多々ありました。


3・内部リソースが余って活用方法を見出す場合

3については消極的なプランであり、形になりづらい案件ですので、以前のエントリーを拝見して、キャリアアップに繋げるチャンスにして活用してもらえると幸いです。

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【B】どういう企画書や書類を作る?


①書面形式

まず企画概要事態については、まず誰に見せるのかによって体裁が変わります。本当にぺらいちでもいいですし、パワーポイントとかでもいいと思います。実はこの誰に見せるかのリサーチする時点で作るものや作られるものが決まる場合が多いのです。

どういうことか?

承認者=資金調達者や投資家であるケース、会社の場合であれば事業部長、役員会、社長などにあたる方です。つまりはこの方たちが「うん」って言わないと企画すら承認されないということです。

「これじゃぁ自分たちのやりたいことなんてできないじゃん?」そういう声も上がってきそうです。分かります。が、ゲームを作ることは人、物、金、そして時間という莫大な資源が超大量に使われます。そしてそれは失敗する可能性もあるのです。

1つのプロジェクトを作り上げるということはそれらの資源を大量投入して、人生の時間を費やして作り上げるということとイコールですね。

すべて自分で資源を調達して作り上げることができるならば自由にやればいいと思いますが、それなりに何か承認を頂く必要があるならば、承認を得る範囲で積み木を積み上げつつ、自分のやりたいことや表現を実現する努力をすることも必要です。

そういう点でも、誰に最終承認を得る必要があるのか、得られるのか。その中で自分がやりたいことがどこまで出来るのかを後で考える必要があります。

話が大幅にそれましたが、これ実は超重要なことなんです。

ということで、まずは誰に見せるのかを意識して、書面を作り上げる必要があります。個人的なオススメは、まずはワードやテキストファイルのA4内に、超簡潔にわかるものを用意して、いったん意見を聞いてみるっていうやり方です。


できればビジュアルが簡素でいいのでイメージできるものがあれば理想的で、そこでまずフィードバックを受けて、細かいところを詰めていくというやり方です。一言でいうと「●●●●のようなものです」って説明できると最高です。これはすでに存在したタイトルであってもOKです。

その上で、●●のようなものに、■■と▼▼を意識していて、オリジナリティがある部分はコレですといった感じです。初心者がやってはいけないのは、完全にオリジナルのものを作り上げようとすることです。せめて何かのコンセプトとコンセプトを組み合わせたり、編集したりするところからはじめましょう。

あと、資料を作りこむ場合は、基本的には何かを勝ち取る確度が高い場合や、こういう資料を作ってほしいなどの目的が明確な場合です。資料作成に時間をかけるのはきちんとした目的がある場合に絞りましょう。


②書面の内容について

会社の体裁、求めている未来などによってまったく取り組み内容が異なりますので、一概には言えないです。ただ会社が求めているのは未来であって売り上げであってたくさん人が呼び込めるもの。などであることは間違いないので、まずは会社が求めているプロダクト、プロジェクトを上層部や偉い人にリサーチしておくことが重要です。リサーチし、自分なりに情報収集を行い、企画概要書を制作し、事業プランを立ててみることです。

自分がチームリーダーになれるようでしたら、やっぱりここでもフィードバックです。他のプロデューサー等や頼れる上司に意見を聞いてみたり、自分の制作した資料を確認してもらうことが重要です。


③企画書面の構成
目的、理由(ベネフィット、利点)、企画概要、補足、計画概要、予算概要、といった感じの要素を揃えて、とりあえずは上司などに見てもらってフィードバックをもらいましょう。ここでも大事なものはフィードバックです。


【注意】最終目標はマネタイズにつながるかどうかが重要

ユーザーを集めたり、トラフィック優先というプロジェクトであっても、最終的にはどこでマネタイズするのかまでを視野に入れておくことが重要です。初心者~中級者の方がいきなりここを設計できるかどうかはハードルが高いので、上司の方などの意見をベースに組み立てることが必要だと思いますので、いったんおいておきましょう。


【C】企画が通ったら考えておくこと

企画が通り、起案されてプロジェクトが進行するとなった場合に心がけておくべきことは下記の通りです。


①起案者=チームリーダーになる

起案者となった場合、そのプロジェクトのチームリーダーあたりのポジションからスタートしますので、間違いなくいろいろな「人を動かす」必要があります。起案したからには、責任をもってやっていきましょう。臆する必要もありません。失敗は100%どこかでします。それを前提に早めに進めて、フィードバックを受けていきながら進行していきましょう。

②サポート、アドバイス役を味方につけておく

アドバイザーを見つけて常にアドバイスを受けながら進めていきましょう。1つ注意がある点といえば、複数のアドバイザーからアドバイスを受けても、最終的に決めるのは決定権を持っている人(あなたかもしれない)であり、最終的に決めた理由や意図を明確に言語化しておくことが大事だということです。

意思決定権がブレると間違いなくプロジェクトはブレます。そうならないためにも、複数の意見は聞くけれども、最終的に決めるのは自分、または自分の直属のアドバイザーに意見を仰いでから決めるといった決定フローを明確にしておきましょう。

プロデューサーが起案した場合は、引き続きそのままのポジションで進行することが多いので、特に懸念する部分はありませんが、いずれにしても決定フローはとても重要です。
そして新人、中堅が一番挫折しやすいポイントもこの決定フローの過程です。

③チームビルドを行い、制作を進めていく

人事権が新卒の方や中堅の方だけでは足りないことが多いため、ここも結局は上司やアドバイザーに意見を求めたり許可を得ることが必要です。企画が進行するからには少なすぎるよりも多めに申請するなり希望を提出しちゃいましょう。ダメだったらどうせ減らされますし。


【D】製作時に失敗しやすいポイント


新規企画案で頓挫しやすいのはテストモックのテスト時、中間ビルドのテストプレイです。詳しく解説します。

新規企画が進行するも、頓挫しやすいのは、一番最初のテストモック制作時と、中間ビルドのテストプレイ時だと思います。

そもそもゲーム開発は起案~リリースまで、長くても24か月以内にはリリースしたいものです。それ以上の開発が許されるのはよほどの権力を持った人のプロジェクトか大型タイトル。または大手開発会社の方などが関わっている場合ぐらいです。

一般的な会社での新規プロジェクトであれば、2年リリースされないとほぼクローズされます。そういう時間軸で見た場合、頓挫してしまいがちなデスタイミングが、

・開始3か月のテストモックから抜けられない場合

・開始1年後ぐらいを経過した中間テストビルド

です。

前者の場合、コンセプトや企画設計時はおもしろいと思っても、作ってみるとなんかおもしろくないっていうケースです。新規コンセプトや新しいゲーム性などの際によく起こりがちなものがこのケースです。

後者の場合、最初のコンセプトを抜けることはできたけれども、出来上がってみるとなんかつまらないっていうケースです。実は後者の場合、開始半年で気づけます。しかし、これが結構進んでしまったし、あと半年ぐらい作ればなんとかなるんじゃないかな。あと1年後ぐらいにはちゃんとなるだろうっていうチーム全体が不穏な空気に包まれている場合に置きがちです。

この場合、結構要素は出来上がっているものの、一番ウリとなる部分がつまらない。周囲の要素でなんとかなるかなと思ったけれどもなんともならない。変なところにこだわりすぎて内容が全くできていない。この場合もほぼ詰みです。よほどの技量がない限りは改善させるにはとても難しいです。

ゆえに、新規プロジェクトで一番重要なのは最初の半年だったりします。
ここでゴリゴリに面白いと思えるテストビルドを作って、あとは仕様をガツっとやって、面白い延長戦を崩さずに、全体的なクオリティを上げていけることがとても重要です。

ただこれが最初から分かっていれば苦労はしないので、ゲーム作りって本当に奥が深いですし、一筋縄ではいかないところでもあります。

そもそも面白いっていう定義が人によってもバラバラですしね。

【E】リリースに辿り着くために必要なこと

①ゲームのテーマ、システムを再確認

テーマやゲームに取り込もうとしているシステムが時代に左右されすぎていないか再確認しましょう。これは特定のIP(版権もの)などを取り扱うことでよく起きるのですが、今TVCMをやっていて人気があるから作りましょうっていうのは結構危険です。

ゲームはクオリティやバグによってリリース時期がコントロール不能になることがあるだけでなく、流行りモノは旬が瞬く間になくなることも多いからです。ゲームが完成する頃にすでにその版権は完全に賞味期限が切れていて、結局ゲームもやめようなんてこともありえます。


②チェックタイミングを多く設ける

チェック用のROMを作ることを開発はとても嫌がります。無駄な作業になりがちというところもありますが、チェックはめちゃくちゃ重要です。そのため、テスト用ROMでなくても気軽に重要なポイントをテストできる環境、テストする時間、見直しするバッファを用意しておくことは超重要です。


③チェックの内容を言語化する

これは僕自身が甘い限りなのかもしれないのですが、テストROMでいい評価が付いたことが今だかつてありません。社内チェック、チームチェックを依頼すると、ほぼ粗探し大会に終始することが多く、めったクソに改善点が飛び出してきます。

それはとりあえずまだしも良くて、一番やっかいなのが、決定権を持っている人があいまいなニュアンスを修正指示で出す場合です。

例えば、雰囲気とか。見た目とか。世界観とかも良くある例です。

この場合、できる限り言語化や数値化を開発側でしておいて、どれぐらい改善されたのかなどを細かくチェックしておくこと。さらには、そのファジーな感想をされた方に直接意見を詳しく聞いてみることが大事です。

ゲームはプレイする人の感覚によって受け止め方がまったく異なりますので、それが本当にプロジェクトに必要な要素であるならば、しっかりと受け止めて改善することが重要ですが、中にはサービスしてから直せばいいもの。意見が多くて初めて気づけること、なども多くあります。

バグなどは当然できる限り叩き潰しておきたい限りですが、ゲームの改善点などに関しては、ここっていう部分がクリアされているのであれば、後の改善点については、リリースしてから直していってもいい要素だと思われます。

改善、修正箇所にこだわりすぎて、全部直さないとリリースできないっていうのはできれば避けたい選択肢ですし、ここがスタッフのモチベーションがとにかく下るところでもあります。


④撤退ラインを決めておく

特定のタイミングである水準を満たしていない場合は、撤退することも重要です。これは決定権がある方と一緒に握っておく必要があります。そうしないと、リリース前で頓挫することが一番スタッフのモチベーションが下るタイミングです。

■スタッフの退職は、リリースできないゲームに関わっていたときが一番多い。

これは私の経験則からです。この状況が起きた場合、優秀な人から真っ先に抜けていきます。


といった感じで、新規ゲームの企画起案の方法から、開発時の注意ポイントなどを超ざっくりですが記入してみました。気になった箇所、感想などがあればコメント欄に記入いただければ幸いです。

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うきょう/フリーゲームプロデューサー

学歴コンプレックスや強い自己否定を克服したフリーゲームプロデューサー Lv39です。縛られないで「より気楽により楽しく、自分らしく稼げる方法」を発信していきます。Mother2、ポポロクロイス、ペルソナ、アトリエなど、心に響くセリフ多めの世界観が好きな業界20年目のヒヨコです🐥
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