考えるな、感じろ!
我々はとても習慣的に、不自然な方法でコミュニケーションをとるように訓練を受けてしまっている。だから、「習慣的(Habitural)」という言葉と「自然(Natual)」という言葉を区別することか重要だ。(by ガンジー)
先月、某企業の若手の方々向けのコミュニケーション研修で、相手の話の根底にある「感情(Feeling)」と「満たされたいこと(Needs)」を感じようという「非暴力的コミュニケーション(Non Violent Communication、NVC)」のワークを扱った。
元ネタはこちら「人と人との関係に命を吹き込む方法」by マーシャル・ローゼンバーグ。読書が苦手な人は、本人のワークショップの邦訳つきYoutubeも出ている。冒頭のガンジーの言葉はこちらからの引用。
ローゼンバーグのNVCは、自分の仕事の基本姿勢にも通じるものがあるように思った。紛争解決にも役立つ、素晴らしいメソッドだと思った。
言語を習得して以降の人間は、主に言葉によって他者との共通点を探すことに明け暮れ、社会に出てからはまずはロジカルになることを訓練される。
だから、若い受講生の方から「感情を感じるというのはなんとなくわかるけど、その奥にある願いは、考えるものではないんでしょうか?」という質問が出たのは、自然...ではなく、慣習的なことだ。
でもね、実は、他者の感情やニーズは考えるのではなく、よく観察して身体で感じるほうがよほど正確に言い当てられるものなんだよ。
わたしたちが、あまりに慣習的にそれから引き離されているために、他のすべてのことと同様に、それを知ろうとする努力なしには知ることのできない領域になってしまっているけれど。
そして、論理的思考力をもって、事実と感情を切り分けてロジカルに表現することと、自然な能力を開放して他者へのエンパシー(シンパシーとはちょっと違う)を発揮すること、更には他者の感情を背追い込まずに自らの感情の責任を持つように生きることの全ては、コンフリクトなく両立する。
この手のコンセプトが企業研修に取り入れられるようになってきたのは時代の進化だと思う。人がみな自然なコミュニケーションを恢復すれば、間違いなく世界は良いほうにむかう。
ちなみに、表題の「考えるな、感じろ!(don't think, feel!)」は、名作・燃えよドラゴンのブルース・リー(大好き♡)のセリフ。研修が終わったあとに行ったバリアージのレッスンの借りスタジオ(本来、殺陣の道場)の壁に貼ってあった。非暴力コミュニケーション研修でまさにこれやってきたと言ったら、普段はタテを極めてるオーナーが「俺らから暴力をとったら何も残らない…」て(笑)後で調べたところ、ブルース・リーの言葉は以下のように続く。「It is like a finger pointing away to the moon. Don’t concentrate on the finger, or you will miss all that heavenly glory.(はるかな月を指さすみたいなかんじだ。指に集中してたら、その素晴らしい栄光を見失う。)」
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