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おばけの新旧

昭和の最後は妹家族と蒜山のコテージで過ごした。同年代のいとこたちと一緒に、山女魚を釣ったり、草地で遊んだり、広いログハウスを探検したり、バーベキューしたりで、子どもたちはテンションあがりまくり、おおはしゃぎ。

蒜山は町(村?)のあちこちに巨大なスイトン(酔呑)が立っている。

悪いことを考えたり人様に迷惑をかけたりすると、夜中にどこからともなく「スイー」と飛んできて「トン!」ととまり、悪者を引きちぎり食べてしまう、ご当地お化けである。

わたしは子供の頃、家にある蒜山土産のスイトン人形を「トーテムポール」と呼んで怖れていた。夜になるとほんとに動き出してるんじゃないかと。

しかし、ヨーヨーは奴を道端で見つけると「スイー!トン!」と変な顔マネをして飛び跳ね大喜び。

やっと両足ではねることができるようになったあーちゃんも、兄のマネをして「シユイートン!」と跳ね回る。

彼女が目下恐れているのは「ぷんぷんおばけ」、元ネタの絵本では、人が大泣きしたり喧嘩したりするとその音を食べに来る設定で、「あっ、ぷんぷんおばけが来たよ!」というと、どんなにギャーギャーなっていても、スッと真剣な顔になって、ママにくっつく。

そのマジ顔がめちゃくちゃ可愛くて、あまり濫用してはいけないとわかりつつ、いま、旅行中のココイチの切り札として重宝している。

大きな赤い口を開けて引きちぎり喰い殺すスイトンより、絵柄も設定も、随分可愛いと思うのだがね…。

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