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【過去記事転載】 WWⅡを振り返って - Rush Gamingをもう一度日本一のチームにするために

※この記事は、去年2018年9月にWekidsブログに掲載された記事の転載です。当時の女性インターンスタッフのみさきちゃんが執筆しました。(現NTTデータ社員)

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8月24日に行われたCoD WWⅡプロ対抗戦 DAY5。
Rush Gamingは、新たにGP、Lukeの2名を選手として迎え入れ、新体制で試合に臨んだ。
計2試合行い、1試合目はSCARZに1-3で敗北を喫したものの、2試合目、暫定トップであるDetonatioN Gamingとの試合では、3-1で勝利を掴んだ。
しかし、前回の闘会議2018で行われたCODプロ対抗戦の王者であったRush Gamingの最終結果は3位。
TGSで行われる決勝に進むことなく、WWⅡシーズンを終えた。
WWⅡでの活動の振り返りについて、GreedZzに話を伺った。

GreedZzは、WWⅡでRush Gamingとして活動した約1年を、「変革の年」であったと振り返る。
当初Rush CLANのe-Sports部門に所属していたGreedZz達は、株式会社Wekidsと契約を結び、新たにCoDプロゲーミングチームのRush Gamingを発足した。
実力を順調に伸ばし、闘会議2018で行われたプロ対抗戦では日本一の座を獲得。
念願の世界大会への切符を手に入れ、その胸は夢と希望に膨らんでいた。


だが、そんなRush Gamingを待ち受けていたのは、世界の高い壁だった。
日本王者として挑戦したRush Gamingは、世界の強さを、その身をもって思い知らされたのだ。

GreedZzによると、アメリカには、アマチュア・プロ関係なく、「CoDに人生を懸けて戦っている」プレイヤーがたくさんいたそうだ。
彼らの中には、試合に負けたらホームレスになる選手もいるという。
彼らは、CoDでの試合の勝敗が、そのまま人生の勝敗に直結するのだ。
その分、チーム内のコミュニケーション一つとっても、本気度が違う。
そこには「勝ち」への飽くなき執念があったのだ。

このアメリカ遠征で、彼らの姿を目の当たりにしたRush Gamingは、チームの限界を知った。
それでも強くなりたい、世界に挑戦したいという思いは消えなかったという。
帰国後、その熱意のままに、彼らは試合中の声出し、雰囲気作り、試合後の議論、練習への姿勢、全てにおいて改善を試みた。
しかしその試みは、やがてチーム内でのズレを生んだという。

チーム全体がスランプに陥り、遠征後数日後に行われたプロ対抗戦 Day3では煮え湯を飲まされた。
それでも、この抜本的な変革が、世界レベルに一歩でも近づくためには必要だと思い、改善を続けたそうだ。
GreedZzはこの時期を、まさに地獄のようだったと語る。
だがそんなどん底の状態でも、現状をより良くするために彼らはもがき続けた。
しかし、結果として、GreedZz、WinRedは、Ngt、Namiとは別々の道を歩むことになった。Ngt、Namiが脱退した後、Rush Gamingの選手はGreedZz、WinRed、GP、Luke4名となった。

もしかしたら遠くない未来、ここに並ぶメンバーが変わる事もあるかもしれない。
だが、メンバーが変わることを、決して悲観的に捉えて欲しくはない。
この選択は、全ての人にとって、より良い未来を掴み取るための一歩なのだと、筆者は思う。

Rush Gamingに対する批判について

当時、選手の変更について、試合の規約や選手との契約等により、情報の公開が不可能であった時期があった。
SNS上には様々な憶測が飛び交い、Rush Gamingにも、多くの意見や批判が寄せられた。
あの状況は選手達にとって、いい環境であるとはとても言えなかっただろう。
GreedZzにその時期のことについて尋ねたところ、
「メンバーの変更に対して、ファンの方々は馴染みがないから仕方ないと思う。eスポーツの世界では、メンバーが変わるのも、残念だけれど正直仕方ないこと」と語った。
そして、
「ただ、NgtとNamiが卒業したことをRush Gamingに怒ってくれるほど、彼らを応援してくれていたファンがいるのは嬉しかった」と続けた。

比較的選手の変更が少ない日本のCoDチームと違い、世界のCoDチームは、結果を出せなければ直ぐに選手の変更がされる。
また、勝つためには、個人の能力だけでなく、チームの総合力やメンバー同士のかみ合わせ等も重要な要因となる。
どんなスポーツチームも、勝つことで、ファンがつき、賞金を獲得し、名誉を手にする。
そのためには、選手の変更もやむを得ない。
Rush Gamingも、更なる高みを目指すため、そうして様々な壁を乗り越え、走り続けるのだろう。

新メンバーについて

GPとLukeの加入後、チームの雰囲気は、より穏やかで和気あいあいとしたものになったそうだ。
選手全員、自身の駄目なところはすぐ反省して次に繋げる柔軟さがあるという。
GreedZzは、その素直さから来る改善力こそが、今のRush Gamingの良さだと語る。
チーム戦は、人のせいにしやすい。
一人でプレイするゲームであれば、失敗は全て自分のせいだ。
しかしチーム戦では、自分のあら捜しをするよりも、誰かのミスを咎めるほうが、簡単で楽だ。
だが、自分の悪かった点を反省して認め、次に繋げなければ、不足点は永遠に改善されない。
どんなチームも、進歩なしには勝ち続けることはできない。
だからこそ、Rush Gamingは「誰かのせいにしない」し「自省する」。
この2点が、Rush Gamingがこの数ヶ月で学んだことであり、チーム全体の姿勢となっているのだ。

これからについて

Rush Gamingのこれからについて、以下はGreedZzの話した内容の引用である。

「BO4がどういう風になるのかはまだわかりません。
だけど、Rush Gamingをもう一度日本一のチームにするという目標はきっと変わらない。
もう一度、世界大会に行きたい。
本気の覚悟を持ったメンバーと、挑戦したいと思っている。」

そして、最後にこの道で間違っていなかったと思うか、と問いかけたところ、GreedZzは
「はい。これが僕の人生だと思うから」
と笑顔で答えてくれた。

GreedZzは、その人気やリーダーシップの発揮具合から、Rush Gamingの大黒柱といっても過言ではない。
その根源は、CoDへの、ある種狂気的とも言えるほど愚直な愛から来ているのだろうと感じた。
きっとBO4でも、その愛で、Rush Gamingを導き、筆者を含めたファンに夢を見せてくれるのだろう。
いちファンとして、これからも直向きに頑張る彼らを応援し続けたいと強く思った。

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