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Nippon Onsen Trail 3泊4日 越後湯沢ー四万温泉ー尻焼温泉ー草津温泉

悪天の際、予定していたハイクをあきらめるケースってありますよね?そんな時の保険のため、雨でも歩けるルートをいくつか隠し持つことはハイカーにとっては結構大事なことだったりします。私の場合、信越トレイルや尾瀬エリアがそれにあたります。

数年前に「Nippon Onsen Trail」のルートを模索していたころ、谷川ー苗場ー野反湖ー草津をメインルートの一部に選定しましたが、もし降雪や悪天候に見舞われた際、迂回ルートとして頭の隅に入れておいたのが今回歩いたセクションとなります。

三国峠から法師温泉と四万温泉を繋ぐ旧街道、四万温泉から尻焼温泉を繋ぐ長距離林道、尻焼温泉から草津を繋ぐ上信越自然歩道、と1日ごとにトレイルの性質が変わり、彩として各地の有名温泉スポットが花を添えてくれます。

実際歩いた時は天候はそれほど崩れず、むしろ心地よい晩夏の日差しの中、快適に歩くことが出来ました。総距離は約100km。昔の旅人が旅の疲れを湯で洗い流す、そんな感覚に浸れる情感たっぷりのハイキングをどうぞ。

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日程:2018年9月22日~9月25日(3泊4日)
行程:越後湯沢ー四万温泉ー尻焼温泉ー草津温泉

1日目: 平標山ー三国峠ー赤沢山ー四万温泉(上信越自然歩道を利用)
2日目: 四万温泉ー尻焼温泉(万沢林道利用)
3日目: 尻焼温泉ー草津温泉(上信越自然歩道利用)
4日目: 草津温泉滞在(観光)

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1日目ルート紹介

■平標山スタート
越後湯沢駅より路線バス利用(始発)。平標登山口下車、ハイク開始、平標山の家、三国峠、稲包山、奥四万湖に下山。ロード歩き2時間で四万温泉の中心地に到着。さらに徒歩移動で「清流の湯」、入浴後付近の河原で幕営

■ポイント
平標からは通常ルートで三国峠まで。三国峠から稲包山、赤沢山まではやや踏み跡が不安だがルートは明瞭。その先は法師温泉と四万温泉を繋ぐ旧街道を利用して奥四万湖へ下山。下山のタイミングで完全に日没。湖に出てからは湖畔のロード歩きのためヘッドライトがあれば問題なし。街道に出てからも長いロード歩きで足への負担は大きい。温泉街に入ると深夜まで店が開いているので食事も可能。最終目的地の「清流の湯」が21時閉館のため時間に注意。温泉街から「清流の湯」まではバス利用も可能。この時は全て歩いて20時入館。「清流の湯」以外にも温泉施設はあるが閉館時間15時がほとんど。付近の川沿いのフラットな場所を探してビバーク。初日を法師温泉泊にすれば2日目の四万温泉は午後の早い時間に到着可能。のんびり滞在でも良いかもしれない。

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■四万温泉
国道353と奥四万湖から流れる四万川沿いに温泉宿が密集。川沿いに南北広範囲で温泉宿が立ち並ぶ。中心部には積善館など有名な建物があり、夜間でも宿泊客の往来があり飲食店も利用可能。無料の入浴施設が点在しているので昼間の到着なら湯めぐりが楽しめる(PDFでチェック)。

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2日目ルート紹介
■朝風呂からの林道ハイク
町内の無料入浴施設は9時から。街道を散策しながら商店で買い物。昨晩の洗濯物を乾かしながら一番風呂。裏路地を抜けて旧街道へ。尻焼温泉を目指す。

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■万沢林道
四万温泉と尻焼温泉を結ぶ峠越えの林道を歩く。正確には長野原から野反湖に向かう国道405号線と接続する。ギリギリ車も通行可能、どうやらバイクツーリングの人気コースだったようだ。途中何台ものオフロードバイクがパスしていった。

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■抜け道
405号に出る手前にある野反湖パークランドの奥まで歩き、スパトレイルレースのコースとしても使われる踏み跡の薄いトレイルを探す。この抜け道を使えば尻焼温泉までワープ可能。日没ギリギリに405号(和光原エリア)と接続。

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■尻焼温泉
お馴染みの天然河原の温泉プール。到着が夜間でも入浴可能。混浴ゆえマナーを守ってお行儀良く。はしゃぐのは翌朝に。周辺にテントが張れる場所は少なく場所探しは野宿センスが必要。河原の温泉入口にトイレ水コンセントあり。

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3日目のルート紹介

■先ずは朝風呂
翌朝は太陽の下で温泉プールを楽しむ。ハイカーは先ずはエアマットを膨らまそう。この旅にはエアマットが必須だ。

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■上信越自然歩道で草津まで
半ば朽ちかけたトレイル。正式なルートは崩壊して通行不可。迂回路を使うと草津手前まで接続可能。このルートの開拓には苦労した。

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■志賀高原と草津を結ぶ登山道
渋峠から芳が平と草津を繋ぐ登山道に接続したら後は下るのみ。草津の湯畑まで道が繋がる。この日も日没ギリギリで温泉に。

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■草津国際ホテル
白根神社の脇に公園がある。トイレ水コンセントあり。近くには無料入浴施設が点在。湯畑周辺は深夜まで営業する飲食店多数。

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4日目は湯治
自宅に帰るには昼過ぎに草津を離れれば良いため、午前中は湯巡りとしよう。ランチにおススメのレストランも多数あり。帰りにフルーツを買ったらバスターミナルへ。余裕があればコインランドリーで洗濯。スニーカーも洗えるので是非。

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■おススメスポット
囲山公園
長寿の湯
どんぐり
セブンイレブン
地蔵の湯
煮川の湯
竹内果実店
ホテル一井
コインランドリーふわふわ
スーパー大津
スーパーもくべえ

■源泉の種類
湯畑源泉
万代鉱源泉
白旗源泉
煮川源泉
地蔵源泉
賽の河原源泉

草津の無料共同浴場の殆どが湯畑源泉か万代鉱源泉酸性となる。酸性が強いので肌には刺激がある。ゆっくり入るならホテル一井の大浴場がおススメ。料金はかかるが数少ない白旗源泉だ。ぬる目のお湯が好きなら賽の河原温泉でのんびりしよう。

■草津バスターミナル
都内まで高速バスが発着。JR長野原草津口までは約40分。切符は事前に購入。本数が少ないため乗り継ぎ時間は良く確認しよう。新潟の自宅まで半日はかかる。

ハイカー目線の草津情報はこちらでも

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■総括
標高の低いエリアをひたすら歩き、温泉地を繋いで旅します。危険箇所はなく、多少の悪天候でも歩けます。盛夏は避け、新緑の季節から晩秋までがおススメです。初雪の降る頃に歩いても風情があるでしょう。山を越え、谷間に沸き立つ湯けむりにホッとします。ロード歩きが多いため、入浴と食事でしっかりとリカバリーしましょう。特別な装備は要りません。予算と時間に余裕があれば全日旅館に泊まるのもありです。カップルで旅するにも良いコースでしょうね。3泊から4泊のプランニングでお楽しみください。

※注意
このルートは通常の山岳エリアと異なり、所々地図にない道を開拓・発見するテクニックが必要になります。今回は「スパトレイルレース」で使われたコースを参考にしました。下見も何度かしています。NETの情報だけでなく、「断片的に集めた情報の整理」「ルートのつなぎ目の調整」などの実務を怠らないようにしてください。また、実際に歩く過程での情報収集や手持ちの情報との照らし合わせも重要です。現地の住民や作業道で出会う方たちとは積極的にコミュニケーションを図りましょう。

使用した地図
・山と高原地図 谷川岳・苗場山
・山と高原地図 志賀高原
・スパトレイルレース コースマップ(PDFからプリントアウト)

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地図アプリ
・FieldAccess
・Geographica
・GoogleMaps(市街地)

装備他
パイカパックに3日分の食糧で間に合いました。食糧は2日目の四万温泉で補給可能。郵便局も利用できます。水場は問題ありませんが、初日は平標山の家でしっかり補給しましょう。実は補給を忘れてしまい、途中水たまりの泥水を浄水して飲みました。

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