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英訳をやってる時に考えてること

4Aできるやつあるある、宇宙。うるとらまりんです。

今回も釣りじゃないよ。

英訳って重いですよね。英語を扱うにあたって能動の部分にあたるスキルが必要ですから、苦手な人も多いと思います。そこで、あまり参考にならないかもしれませんが、自分が何を考えて英訳しているのかまとめてみようと思います。ちょっとでも英語が得意になれば幸いです。

英訳で僕が意識していることは
「日本語と英語は全く違う言語であるという認識を持つ」
これだけです。これだけじゃ分かりづらいですね。


前回の東大本レ英語の2Bを例にしてみましょう(初手著作権侵害)

まず論外オブ論外ですが、文を全部読まずに頭から「つまりってことはnamelyだな、、、」とか始めるやつはまじ𝓾𝓵𝓽𝓻𝓪 𝓱𝔂𝓹𝓮𝓻 𝓸𝓾𝓽 𝓸𝓯 𝓽𝓱𝓮 𝓺𝓾𝓮𝓼𝓽𝓲𝓸𝓷です。日本語と英語は文型がそもそも違うので、まず一文読んで文の構造を把握しておいた方がいいでしょう。

思考回路「つまり〜のふたつだけで/ふたつを処理すると同じ店になる。/「おいしい〜ているのだ。の3つに大きく分けられるな。前半ふたつの文章はあまり強く因果で縛られてるニュアンスは無いし無難にandあたりで繋げておくか。」
まず大まかな区切りを把握して、そいつら同士を何でノリ付けしていくか考えます。大きいところから固めていくのが大事です。構造がしっかりする(体感)。

さて、まず1つ目の区切りから訳していきましょう。
「つまり拾われるキーワードは「この近く」と「イタリア料理」のふたつだけで、」

ここで直訳して「Namely the picked keywords、、、」とするのもまあ間違いではないのですが、これだけだと「そもそも何がキーワードをpickするの!?」だったり、ちょっとあとを見てみると「ふたつを処理すると〜」とあるので、恐らく原文を英訳するのならば、主語である「App」を補う必要があると気づくと良いでしょう。

常に「日本語と英語は全く異なる言語」ということを抑えておいてください。東大レベルの英訳というのは、1対1で単語を対応させるだけでは太刀打ちできない問題が多いです。必ず主語述語の抜け漏れなどがないようにすると無難でしょう。

語彙レベルはそこまで要求されていないので、
''Namely the app extracts only two words, '' near here'' and '' Italian food'' and...と訳して問題は無いでしょう。

2つ目の区切りに行きます。
日本語では「同じ店に''なる''」とありますが、これをそのまま英語に起こすやつは𝓾𝓵𝓽𝓻𝓪 𝓱𝔂𝓹𝓮𝓻 𝓸𝓾𝓽 𝓸𝓯 𝓽𝓱𝓮 𝓺𝓾𝓮𝓼𝓽𝓲𝓸𝓷です。そもそも元の文が主語欠落述語もこの下線部より前の文脈全振りなので直訳が許されるわけがありません。文脈情報から、恐らくこれは近くにあるイタリア料理を検索して表示しているという文意になるので、もう少し言葉を補うべきであることが分かります。
先の文で既に主語「the app」を補ったので、引き続きこれを利用していきましょう。

'' it recommends the same restaurants by processing the two words''くらいでいいと思います。

最後のまとまりを訳しましょう。

「『おいしい』や『まずい』などの意味はスルーしているのだ。」

スルーするは和製英語に近いもので、元の英語は(確証は何一つないが)恐らくthroughだと思います。そしてスルーするにぴったり対応する英語の動詞は普通の人が知る限り存在しないのでより適切な言い換えを考える必要があります。

今回の文脈においては「与えられた情報が抜け落ちる」という意味が最も強いので、この場合のスルーは「アンチコメをスルーする」のように、「無視する」「拾わない」などの訳が自然と思われます。

'' It ignores the meaning of words such as '' delicious'', '' bad'' and so on.''
くらいでいいでしょう。最後の「and so on」はギリあってもなくても耐えかなあとは思いますが、本文に「など」と書いてあるのでこれも起こしておくのが無難でしょう。

まとめると、

Namely the app extracts only two words, ''near here'' and ''Italian food'' and it recommends the same restaurants by processing the two words. It ignores the meaning of words such as ''delicious'', '' bad'' and so on.

となります。本番スペルミスで引かれた所のみ修正をかけているので、恐らくこれで10/10が貰えます。

いかがでしたでしょうか。日本語と英語が異なる言語という意識を持てば、
・日本語の文において欠落している主語、述語etc..を文脈に合うように補う
・日本語固有の言葉を文脈に合うように適切に言い換える
という作業の重要性が分かると思います。
高校生にもなって日本語の文をそのまま逐語訳で直訳すれば同じニュアンスの英文ができると思っているのなら頭が緩すぎます。できるだけニュアンスを損ねないように適切な言い換えをする能力も東大は試しているのかもしれませんね。

ここまで見てくださってありがとうございました。途中💩みたいな煽り文句がいくつか混じってますが、冗談半分で捉えてください。少しでも英訳が上手くなればそれ以上の喜びはありません。

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