渋谷_打算_3

打算_20180107フェアリーS

私は30代になると、起業した。
それまで営業一筋の自分が、何でもやらなくてはいけない環境に不安がなかったわけではない。しかしそんな不安を考えるより、まず何でもやってみた。
定款もひとりで作成し、公証役場に持っていくと、
「これ、あなたがひとりで作ったの?」
「はい」
「定款はほとんど税理士とか行政書士が代理で作ってここへ持ってくるんだけど、あなたのような若い起業者が自分で作って持ってきたの初めて見たよ」
「お金がないもので・・・」
と、公証役場の方が驚いているのをよそに、私は自分でやるしかないと腹をくくって突き進んでいた。

本業でさえ徹夜は当たり前で、源泉徴収などはじめての経理も手作りのエクセルで台帳を作り、土日もなく働いた。
そして、消費税を納税しなくてはならないくらいの売上げを達成すると、人の手が2,3人必要になった。


そこで考えるのは、結婚してパートナーに事業を手伝ってもらうこと。


お金がない法人にとって、最大のコストは人件費だ。
仕事があるからといってどんどん人件費をかけて、仕事が少なくなり倒産する会社を見てきた。個人企業にとって人件費をかけるなら「都合の良い身内」に限る。

しかし、企業の代表である自分と、プライベートの自分に溝が生じた。


仕事を手伝ってもらうための結婚って・・・。


それこそ私が離婚した理由と一緒だ。

仕事の手を必要とするなら高い人件費を払ってもまったく赤の他人を雇うべきだ。
それともたまたま好きになった人が自分の事業の分野に精通している人だった、という宝くじに当たるような確率を追い求めていくのか。


私のとっての結婚はすべて「打算」に思えた。

結婚して事業がうまくいって、たとえ自分が成功したとしても、それはパートナーに失礼を背負わせてきたまやかしだ、と思った。

そう決断すると、もはや自分からパートナーを探すことをしなくなった。
それどころか、女性から何度か告白されても断ってきた。
つねに「打算」という文字が浮かび上がるのだった。


現在は起業した事業もたたみ、身軽になった。
年齢も重ね、自分自身がそれほど立派な人間でもないことを再認識し、あのとき「打算」でもよかったのかな?と思う事もあるが、逆に打算で迷惑をかけたパートナーとうまくいっていない自分がいるかもしれないと思うと、これでよかったのかなとも思っている。


さて、本日はフェアリーS。
人気薄②デュッセルドルフを狙う。
デュッセルドルフは日本人が多く住むドイツの町。
なんでもドイツ人は打算的なフランス人を毛嫌いしているとか。
ドイツと日本は第二次世界大戦を引き合いに出すまでもなく、馬が合うのかもしれない。


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◯ラジオNIKKEI賞 ウインガナドル8人気2着  ロードリベラル9人気3着
◯宝塚記念 ミッキークイーン 4人気3着
◯NHKマイルC ボンセルヴィーソ 6人気3着
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