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ジョッキー45º情報刊(44号)

皆さん、競馬ライフはいかがお過ごしでしょうか??
夏競馬開幕から、ガラリと変わったかのように荒れまくってる競馬ですが
それが顕著だったのが先週の二つの重賞
【マーメイドS】と【ユニコーンS】

まあ、ものの見事に荒れまくり
マーメイドSは10番人気の和田竜二騎手が手綱を握ったウインマイティーが復活の勝利
ユニコーンSは、7番人気の菅原明良騎手のペイシャエスが勝ちました。
ここまで荒れるとは思わなかったので
お手上げでしたが、この悔しさは今週のG1
上半期の総決算でもある「宝塚記念」で晴らします!!

さて、今週のラインナップはこちら!!

●上半期の総決算 宝塚記念

●スポットライト・ジョッキー
 (森泰斗騎手)

今週は筆者都合の関係で
宝塚記念の特集とスポットライト・ジョッキーとなりますが
ご容赦頂ければと思います。

●上半期の総決算 宝塚記念

宝塚記念、上半期最後のG1でファン投票により優先出走権が与えられる
夢のドリームレース。

中長距離の路線から、はたまたマイル路線から歩んできた一線級に
3歳馬の若き挑戦もあり、様々な想いを乗せ
駆ける一戦。
そこに賭ける勝利は、「復活」か「栄光」か、それとも「偉業」か
それぞれの想いを乗せた【宝塚記念】
一体、どんなドラマが待つのか。

🐎傾向🏇

・宝塚記念は若手女王の争い??

宝塚記念でのデータとして、近年の勝ち馬・連対している馬を観ると
圧倒的なのが4歳馬と5歳の2強で
特に5歳馬に関しては、ここ10年で3回のワンツーフィニッシュを決めているだけに、要注意。

更に牝馬に関しては、宝塚記念では好成績が目立ち、
牝馬が3着に入らず馬券に絡まなかったのは、ここ10年では
2012年・2018年の2回のみのため、軸馬にするならば牝馬というのも一つキーワードになりそう。
また、宝塚記念では2019年のリスグラシュー、2020年・2021年のクロノジェネシスと牝馬が3連覇中という流れも汲みたい

・ローテーションの鍵は、前半のG1??

宝塚記念の成績に関して、前走の傾向から変わった成績となるのが
「前走2着馬の巻き返し」で、逆襲の炎かわからないが
宝塚記念では好走を見せていて
過去にも穴をあけた好走馬がG2の2着などがよくあった。

更に、勝ち馬の前走で最も多いのが「天皇賞(春)」の4勝
次が「大阪杯」の2勝となっている。

しかし、その中身は意外なもので
天皇賞(春)で3着以内と成績を残したステイヤー達の過去10年の成績はなんと【0-0-1-14】と低迷。
唯一、天皇賞から宝塚3着となったのがキタサンブラックのみ。
逆に天皇賞4着以下からしか勝ち馬が出ていないので、天皇賞で実力不発や掲示板に来た馬に関しては要注意。
今年ならばタイトルホルダー・ディープボンドが対象となるが
しっかりと立て直されてるかも注目。

対して、同じ中距離路線のG1、大阪杯で好成績を収めた組は非常に優秀で
適性の高さもあるのか、大阪杯で連帯した馬の宝塚記念での過去10年は【1-1-1-3】と約50%が馬券に絡んでいて
昨年のレイパパレや、2019年のキセキがこのパターンだっただけに
今年も大阪杯組で出走予定のアリーヴォ・ヒシイグアス
さらに勝ち馬だったポタジェにも注目か。

・宝塚の幸運枠は「ピンク枠」

宝塚記念で極端な傾向になってるのが、枠番で
阪神コースでは特別有利という訳でもないのだが、偶然なのか
ここ10年で8枠のピンクが7勝とぶっちぎりで勝利数を伸ばしている

逆に2着に関しては、1枠・4枠・5枠・7枠が2回となっているので
迷うなら8枠総流しか、8枠軸からの1・4・5・7枠流しがオススメかもしれない。

・上半期のテーマは「復活」か??

傾向では無いですが、ちょっと気になるテーマとなるのが実力馬の「復活」

先週のマーメイドSのウインマイティーもそうですし、障害戦で東スポ杯以来の勝利で復活したニシノデイジー
昨年の札幌記念から、結果を残せなかったソダシのヴィクトリアマイルや
ヴェルトライゼンテが復活するなど
ここ最近の流れとしては顕著となっている。

そうなると、宝塚記念で気になるのは
過去の成績から観ると、現状に納得がいかない名馬・名牝とされる馬。

昨年の年度代表馬ながら、その姿を潜めてしまっている「エフフォーリア」

牝馬三冠ながら、大怪我を負い、ようやく復帰した「デアリングタクト」

お互いに思うところはあるだろうし、特にデアリングタクトに関しては
鞍上の松山弘平騎手も今年のケガからの復帰に関してもデアリングタクトへの想いが強かっただけに、期待してみたい

🔵注目騎手🔴

宝塚記念に向けて、気合が乗る騎手をご紹介

昨年の輝きを。真価問われる一戦への想い

横山武史騎手


今年が始まってから、昨年のような輝きを放ち切れていない横山武史騎手
昨年がルメール騎手とならんでのG1レース5勝と「若手のホープ」として
春のG1でも活躍を期待されながらも、高松宮記念・大阪杯・桜花賞とG1で1番人気で掲示板にも乗れない3連敗と大敗。

しかも、大阪杯に関しては昨年の年度代表馬のエフフォーリアと挑むも10着と敗れ、それ以来となるこの宝塚記念は勝負の1戦となる。
追切後の共同会見でも、普段以上に強く、気持ちの乗ったコメントをしていただけに必要なのは「結果」というのも理解しているだけに
勝利の「幸せ」を宝塚で実現する

不屈のコンビ、舞台は揃い、名牝の実力を証明する

松山弘平騎手


この宝塚記念で、並々ならぬ想いを巡らせているのが松山弘平騎手
松山弘平騎手も今年は、昨年のケガで長期療養中だったデアリングタクトの復帰のメドが見えた事もあり、例年以上に気合が乗っていて
年明けから好成績を残していたが、落馬事故で負傷し戦線離脱を余儀なくされたが、それでも「デアリングタクトの復帰までには間に合わせる」と意気込み、驚異的な回復スピードで戦線に復帰。

そして、ヴィクトリアマイルで三冠牝馬のデアリングタクトとのコンビが復活。
しかし、競馬に戻ってくるのがゴールではない。
通常、大怪我をした実績馬なら繁殖や種牡馬入りするのだが
デアリングタクトはその道では無く「復帰」を選んだという事は
陣営としても、もう一花咲かせたい思いは強く
それは、松山弘平騎手としても同じだ。

三冠馬としての復活劇が、宝塚で幕を開ける

想いが成熟する舞台、宝塚で2度目の想いを実らす

和田竜二騎手


宝塚記念はファン投票による夢の舞台であると同時に、騎手の想いが成熟する舞台でもあり
それを叶えてみせたのが和田竜二騎手

テイエムオペラオー以来、G1勝利から遠ざかり
オペラオーがこの世を去った後のG1で勝利への想いを見事に実らせ
オペラオーに捧げるG1勝利を挙げた和田竜二騎手

今度は、ディープボンドの初G1制覇に向けての想いが乗っかる。
幾度となく、G1制覇を期待され、2着までは手が届き
何度も悔しさを味わってきているだけに
「今度こそ」という想いは強い。

宝塚の奇跡をもう一度、再現する

高速の逃走者、全ての想いを振り切って駆け抜ける

吉田豊騎手


宝塚記念で多くの想いや願いがある中で、その全てを振り切る可能性を秘めているのが、吉田豊騎手とパンサラッサのコンビ。

昨年の秋に行われたG3の福島記念から逃走者としての才能も開花し
有馬記念でも他の逃げ馬を引き離す逃走劇を繰り広げ
ドバイでもその才能を遺憾なく発揮し、正に円熟期なだけに
あのサイレンススズカのようにグランプリの宝塚記念を果敢な逃走劇で観客を沸かし、新世代の逃げ馬となるか。

📰ウマママンのプチ予想

宝塚記念での予想として、ウマママンはこう考えています。

◎デアリングタクト/松山弘平騎手
○エフフォーリア/横山武史騎手
▲パンサラッサ/吉田豊騎手
△ポタジェ/吉田隼人騎手
△ヒシイグアス/レーン騎手
☆タイトルホルダー/横山和生騎手
☆ウインマリリン/松岡正海騎手
●メロディーレーン/団野大成騎手

このnoteを書いてる時点ではこう考えています。
本命と対抗ですが、どちらも本命にしたいぐらい悩みましたが
斤量と勝利への仕上がり具合を考えると、デアリングタクトを推したいとおもいました。

3番手評価は、逃げ残る可能性を考えると浮上しそうなのが
パンサラッサになりました。
逃げ馬なら、タイトルホルダーを想像すると思いますが
タイトルホルダーに関しては、ヒモ枠で考えましたが、正直消しでも構わないかと思っています。

タイトルホルダーがG1で勝利したパターンを見ると、いずれも「単独での逃げ」で、ペースを狂わせて逃げるタイプなので
パンサラッサやアフリカンゴールドといった腹を決めて攻める逃げ馬に対して、ハナを奪いきって逃げれるかは難しく
実際、有馬記念ではパンサラッサに譲り先行待機だったことをみると難しい

それならば、攻め方も覚悟も決まっているパンサラッサの逃げ方を評価したいので、タイトルホルダーはあくまでもヒモにしました。

あとは、大阪杯好走のポタジェに短期免許最後のG1となるレーン騎手のヒシイグアス
そして、復活もかかるウインマリリンも注目したいです。

あと、調教面で大幅に自己新のタイムを更新し、トレセンをざわつかせた
メロディーレーンと団野大成騎手はちょっと恐ろしく見えていますが
宝塚記念は皆さんの夢のドリームレースであり
今年は特に個性派・実力派が揃っているので大いに悩んで
大いに楽しみましょう!!

●スポットライト・ジョッキー

今週のスポットライト・ジョッキーは、地方騎手からこの騎手

森泰斗騎手

生年月日 1981/1/11
身長 168cm
血液型 AB型
出身地 千葉県市川市
勝負服 胴緑・青ダイヤモンド・袖青

中山競馬場が近い、千葉県市川市出身で
父親は銀座東急ホテルの支配人という森泰斗騎手。

競馬に関しては、競馬好きの友達に誘われる形で中山競馬場に通ううちに
自然と競馬に好感を抱いていき、サクラバクシンオーのスプリンターズSも現地で観戦していた。

騎手になろうと意識し始めたのは中学2年の頃に、競馬学校の存在を知り
「それならやってみよう!」と思い始めたのがキッカケだったのだが
森泰斗騎手の家系は、高学歴ばかりで競馬というギャンブルの対象になる「騎手」という仕事に猛反対
その反対を押し切り、半ば「家出」同然の状態で競馬学校を受験。

最初はJRAの競馬学校の試験を受けるが、当時は森泰斗騎手の視力が両目0.7しかなく、JRAの基準である視力0.8に足りず不合格。
1年浪人しようかと思ったが、流れで受験した地方競馬の競馬学校の試験に合格。視力も地方は0.6以上の為、滑り込みで騎手としての1歩目を踏み出した。

そして、1996年
地方競馬の騎手の学校、栃木県の那須教養センターに入学

この時の同期生には、戸崎圭太騎手・浦和の繁田健一騎手(調教師)が居て
戸崎圭太騎手は教官などに好かれていたが
逆に森泰斗騎手は初日に同期と揉めるなど対象的な存在だった

地方競馬の騎手学校の場合、関係者のツテなどであらかじめ卒業後の所属先が決まっていたりするが、森泰斗騎手の場合は「一般公募」での入学で
卒業前に学校で所属先を公募したところ、10人の調教師からスカウトされ
「出身地だけど、激戦区の南関東よりも北関東の方がチャンスがある」と思い、当時は北関東のリーディング厩舎でもあった足利競馬の佐藤和伸厩舎所属騎手に決まり
1998年の3月に卒業後は、北関東の騎手として歩み始めた。
(北関東では、胴が桃色だった)

4月18日の宇都宮競馬3Rのツルマルローレンスでデビュー(9頭中6着)
4月20日の宇都宮競馬6Rで騎乗したユウエーワースで初勝利を挙げ
初年度から28勝を挙げ、周囲からも「腕の良さ」が評価されていた森泰斗騎手。
だが、リーディング厩舎という事もあり、厳しく指導されながらも騎乗機会も少なく、フラストレーションが溜まったのと
若かった事もあり、夜は遊びに出かけるようになり
朝も起きられず、仕事もほったらかして眠り、攻め馬に行かなくなるなど自堕落な生活になり、競馬に顔を出しにくくなり
2年目となった2000年に騎手免許を返上。

その後は競馬の世界から抜け出し、パチンコのアルバイトなどを経験したが
世間的に見れば、最終学歴は中卒扱いで実績も残せていない若者への風当たりは強く、そして競馬への未練を断ち切れず
1年後、所属先だった佐藤和伸調教師に頭を下げ
「また騎手として頑張りたい」と告げると、
「お前は世間の冷たさが身に染みて戻ってくると思っていた」と受け入れ
所属厩務員として競馬の世界に復帰し
2001年に騎手免許を再取得。
(この時に勝負服を現在の胴緑に変更している)

騎手として復帰後の2002年に通算100勝を達成するが、デビューから数えて5年目となる2003年の3月に所属先の足利競馬場の廃止が決定される。
当時から宇都宮と足利では、開催の比重が宇都宮は多く
足利競馬所属騎手たちも主戦場は宇都宮だったのと
宇都宮競馬場はスタッフの数も多かった為、「廃止」の噂もそこまで悲観してはいなかった。
そして、2003年には3月30日の中山6Rのソヴ―ルに騎乗し、中央競馬に初騎乗も経験している。

しかし、宇都宮競馬場にも「廃止」の声が上がり始め
2005年3月に宇都宮競馬場の廃止が決定。

この時の森泰斗騎手は24歳の若手で、この時は移籍先を競馬レベルなどを考えて、佐賀に移籍しようと模索していたが
騎手になったことで応援してくれていた母親から、「どうせならレベルの高い南関東で勝負しなさい!!」と一喝。
更に栃木の松代仁調教師の紹介もあり、船橋の松代眞厩舎所属として3度目の再出発となった。

しかし、いくら腕があるといっても北関東から来たネームバリューも無かった若手騎手でもあり
北関東時代は小回りということもあり、馬のチカラに任せて押し切ってしまうスタイルになっていたこともあり、折り合いというモノを意識していなかった事もあったことで、そこまで騎乗機会が得られることもなく
「壁」にぶち当たってしまう。

南関東という地方競馬の激戦区に来て、自分の技術不足を痛感した森泰斗騎手は、暇があれば南関東や中央競馬を見て、研究し
調教にも積極的に騎乗して競馬のある日も毎日10頭以上の調教に跨り
ナイター開催では寝る間も惜しむほど働いている姿を
周囲も認め始め、徐々に騎乗依頼が増加。
更に同期の戸崎圭太騎手が南関東のエースとして注目された時期と重なったことも森泰斗騎手にとっての発奮材料ともなった

2009年には地方競馬通算400勝をあげると
翌年の2010年には通算500勝を達成。
更にこの年の8月には遠征した熊本県の荒尾競馬の重賞「霧島賞」をテイエムヨカドーで制覇し、自身初の重賞制覇も果たし
プライベートでも2010年に結婚もしている。

そして、2014年には年間246勝で南関東の年間リーディングジョッキーに輝き、翌年の2015年は年間297勝で全国リーディングで1位となり
NARグランプリで年間最多勝騎手と最優秀賞金収支騎手も獲得。
2016年はキャリアハイとなる年間309勝で全国リーディングを連覇。

翌年は、全国リーディングは逃したものの
東京ダービーをヒガシウィルウィンでダービー初制覇。
森泰斗騎手としても「夢」と語ったダービー制覇後は感無量の制覇だった

しかし、2018年の5月
馬体故障により落馬し、頭部の骨折・脳挫傷・眼窩骨折と負ってしまい、手術をしても復帰未定の大怪我となったが
後遺症も無く、わずか2週間の超回復で戦列に復帰。

交流受賞のJpn2東京盃をキタサンミカヅキで勝利し、自身初のダートグレード戦初制覇。
その復帰後も、2019年から3年連続でNARのリーディングジョッキーに輝き続けていて
成績も実績も積み上がり、文字通り地方競馬の「不屈のエース」として
周囲に知られ始め、ファンからも「森を買えば当たる」という程まで人気となっている。

そんな森泰斗騎手だが

実は無類の酒好きで、船橋移籍後には
暴飲で体重管理に苦心したこともあったり、2012年ころのNARグランプリ後には、ベロベロに酔っぱらい、川島調教師に引っ張られながら帰るも
全く記憶が無いほど。
おかげで、船橋でも酒の席での印象から騎乗依頼が無い厩舎もあったそう

奥様とは2010年に結婚したが、その出会いは船橋の寿司屋で
船橋の調教師と後輩の濱田騎手と食事に行ったときに
隣の席に座った女性の2人組が来店し
その女性に調教師が「声をかけてこい」と言われて話しかけたのがキッカケで、奥様は競馬に関しては全く知識が無かった

地方競馬の王者として、第一線で戦い続ける不屈のジョッキー
森泰斗騎手の応援よろしくお願いいたします!!

来週のスポットライト・ジョッキーは

北村友一騎手

になりますので、よろしくお願いいたします!!


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