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スポットライト・ジョッキー(永島まなみ騎手)

競馬歴約2年半ですが、競馬を知るために一人の騎手に焦点を当てて、その成績や人柄をまとめた「スポットライト・ジョッキー」📖

以前、noteで毎週出していた「ジョッキー45°情報刊」でいつも取り上げていたコーナー
「スポットライト・ジョッキー」を不定期ではありますが、毎回一人の騎手にスポットライトを当てて参ります🙇
解釈違いだったり、独自で調べているので
生暖かく見守って頂けるとありがたいです!

今回、取り上げるのはコチラの騎手

永島まなみ騎手

・生年月日 2002/10/27
・身長 159.8cm
・血液型 A型
・星座 さそり座
・出身地 兵庫県尼崎市
・所属厩舎 高橋康之厩舎(栗東)

父親が、園田で小牧太騎手・岩田康誠騎手に次ぐリーディング3位の実力もあった永島太郎騎手(現在は調教師)の3人娘の次女として産まれ、常日頃から競馬と触れ合う機会が多く
騎手になるきっかけも、5歳の時に観た父親の競馬が始まりだった。

父親の永島太郎騎手

水泳を3歳から、ピアノも小学1年生から習っていたが、小さい時から知っていた岩田康誠騎手の息子、岩田望来騎手が栗東の乗馬苑で騎乗してる姿を観て、「自分も習いたい、ジョッキーになりたい」と親に直談判。

小学5年生の時にそれまで習っていた水泳・ピアノを辞め、騎手になるために阪神乗馬スポーツ少年団に所属し、乗馬一本に絞った。

中学1年の2015年には、全国ポニー競馬選手権大会(ジョッキーベイビーズ)の関西地区の代表決定戦に出走したが4頭中4位だった。

https://www.jra.go.jp/company/racing/jb/2015/qualify.html

この時のジョッキーベイビーズの関西地区代表戦では、松本大輝騎手や今村聖奈騎手も一緒に走っていた。

2018年には競馬学校騎手課程37期生として、入学。
同期には小沢大仁騎手や横山琉人騎手、松本大輝騎手などが居る中で紅一点として注目もあった。
入学式には、父親の永島太郎騎手は園田での騎乗があり、式には出席できなかったが、入学式と同時刻に行われた園田1Rを勝利している。

教官からは、鞍ハマり(馬上でコントロールするポジショニング)が上手いと評され、競馬学校での模擬レースでは8戦3勝
2021年に卒業後、ケガの影響で同期となった古川奈穂騎手と揃って
騎手免許を取得し、現役では藤田菜七子騎手に次ぐ女性ジョッキーとして
プロの仲間入りを果たした。

所属先は、在学中のトレセン研修などでお世話になっていた栗東の高橋康之厩舎になり、3月6日の小倉2RファイトリッパーでJRAデビューを果たす(4着)
初勝利は翌週の14日の中京2Rで自厩舎の4番人気のアクイールで逃げ切り勝ち。
JRA12戦目の初勝利は同期の古川奈穂騎手と同じで、競馬学校12期生の西原玲奈騎手に並ぶ女性騎手初勝利歴代2位のスピード勝利だったが
既に同期の永野猛蔵騎手や小沢大仁騎手が初騎乗初勝利を挙げるなどしていて、内心焦る気持ちはあった。

4月10日、新潟競馬場で先輩女性騎手の藤田菜七子騎手と同じ競馬場で一緒になり、この日の7Rでランランウイングに騎乗し
1着は藤田菜七子騎手のオパールシャルムに譲ったが、2着になり
JRA史上初の女性騎手ワンツーを決めた。

翌週の17日、新潟7Rでは、モノボリーアイズで3着だったが
1着が古川奈穂騎手・2着が藤田菜七子騎手と今度は
JRA史上初の女性騎手ワンツースリーをとなったが、またしても
他の女性騎手に先着されてしまった。

「少しでも良いジョッキーになるため」
その為に、落ち込む暇はなかった。
所属先の高橋康之調教師が元ジョッキーでもあるため、競馬終わりの火曜日には騎乗した全レースを見直し、ひとつひとつチェックし
レース後のパトロールでは、荻野極騎手や西村淳也騎手など、ローカルで一緒になる先輩騎手を中心に指導を仰いだ。

実を少しずつ結果となり始めたのが、地方・中央見習騎手による
ヤングジョッキーズシリーズのトライアルラウンド
西地区予選で初戦の高知では伸び悩んだが、次走
地元凱旋となった園田の2戦目で、父親の永島太郎調教師が見守る中で
馬群のまくり上げて地元での凱旋勝利を手にした。

ここから勢いに乗り、トライアル最終戦の名古屋では
4着・5着と堅実な走りでポイントを重ね、西地区第3代表として
ファイナルラウンドへの進出も果たした。
しかし、ファイナルでは結果を出せず15位と大敗を喫してしまう。

そんなルーキーイヤーが明けて
2年目になった時に、ある出会いがあった。

2021年の秋ごろから、栗東滞在を続けていた大ベテラン
横山典弘騎手が高橋康之厩舎の馬に乗る事が度々あり、その時に
永島まなみ騎手から勇気を出してアドバイスを求め
「その時の馬の状態に合わせて騎乗する」
などの言葉を受け、徐々に騎乗での引き出しを増やすキッカケになっていった。
更に、新人からも今村聖奈騎手がデビューした事も刺激となった。

そのおかげもあってか、1年目は7勝どまりだった勝利数が
8月の時点で並び、10月16日の新潟7Rでの芝1000m直線では
最内枠のセルレアに騎乗すると
定説の外ラチに向かって走る事をせずに、開幕週の内ラチ沿いを激走。

昨年、先輩騎手の菅原明良騎手がアイビスSDで見せた
バカラクイーンの激走を彷彿とさせ、見事に1着となり勝利を挙げると
そこから毎週勝利を挙げ、6週連続の勝利を挙げる活躍を見せて
昨年の年間7勝から、大きく躍進し、年間21勝をマーク。
更に地方でも3勝をマーク
これで、G1レースでの出走条件となる31勝をクリア。
ヤングジョッキーズシリーズでも、2年連続でファイナルラウンドに進出。
ファイナルラウンド唯一の女性騎手として8位と奮闘した

2023年1月には、小倉競馬場で女性騎手4人が同じレースで揃い
22日の小倉2Rではトーホウフランゴで外から一気に突き抜けて
女性騎手4人の対決で勝利し
今年もまだまだ伸びしろ十分の可能性を秘めている。

そんな永島まなみ騎手だが
地元が園田で父親が騎手という事もあり、幼少期には岩田康誠騎手に抱っこしてもらった事もあるほど、園田の騎手とはつながりが強く
今でも園田での出走の時には、田中学騎手や下原理騎手などからアドバイスをもらう事もある

幼少期から母親の料理の手伝いをしていた影響もあり、料理が趣味で
栗東の騎手寮に入寮した際には、IHコンロを設置してもらい
平日の食事は、ほとんど自炊している。
特に肉が好きなので、ハンバーグや唐揚げをよく作るが
栄養バランスや体重管理もあるので、ハンバーグに豆腐を混ぜるなどの工夫もしている。

https://athleterecipe.com/column/41/articles/202108230000316

また、掃除好きでもあり、最近では競馬前になるとお風呂掃除・トイレ掃除がルーティンとなっている。

所属先の高橋康之調教師はユーモアあふれる人でもあるため、
永島まなみ騎手を呼ぶときは何故か「お主」と呼ぶらしい。

若手の女性騎手として、活躍の場面を1歩ずつながらも広げている
永島まなみ騎手。
彼女が目標とするのは

「日本ダービー」と「桜花賞」の制覇

騎手として目指すは最高峰の栄誉でもある「日本ダービー」はもちろんだが
もう一つ、目指すレースが「桜花賞」なのも理由がある。

永島まなみ騎手が初めてJRAの競馬場で観たG1レースは
2015年の阪神競馬場で行われた「桜花賞」
そして、その年の桜花賞を制覇したのは
父親と園田で競い合っていたライバルであり盟友の岩田康誠騎手

自分が小さいころから知っている騎手が、目の前でG1勝利する場面は今でも鮮明に思い出される。

憧れてる騎手も武豊騎手と岩田康誠騎手で
座右の銘は「一生懸命」という永島まなみ騎手

今は遠く、難しいかもしれないが
憧れが現実となるその時を信じて
今あるレース、1鞍に全力で考え、走り、1歩ずつ進んでいく。

彼女の騎手人生はまだ序章に過ぎない。
これから輝く未来の為に。
永島まなみ騎手の応援、宜しくお願い致します。

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