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感謝の2文字、牙狼、月虹ノ旅人

冴島雷牙の劇場版である『牙狼<GARO>月虹ノ旅人』がタイトル公開から数年の時を経てについに上映した。7月に先行上映を見に行き本上映も始まったので感想を書きたい。

不思議な列車を舞台に、受け継ぎし絆と本当の強さが試される──
魔戒騎士・冴島雷牙(さえじまらいが)。指令を受け守りし者として日々ホラー狩りをする雷牙。
人の力になりたいと願うマユリは雷牙の元で日々花を育てる。
静かな日常を送る2人であったが、ある満月の夜、2人の前に白き仮面の男・白孔<しろく>が現れる。
白孔の剣が雷牙を襲う。激突する剣が火花を散らす! 白孔の術によって夜の闇を彷徨うマユリ。
マユリを追って雷牙は不思議な列車に乗りこむ。列車の汽笛が夜の闇を切り裂く。
果たして雷牙はマユリを取り戻す事が出来るのか?
そして白孔の狙いとは?黄金騎士ガロの称号を受け継ぐ冴島雷牙の新たな、そして壮絶な試練が始まる。

ネタバレを含みます

ついに邂逅した鋼牙と雷牙、大牙、そして、あの男。

しっての通り牙狼は初代主人公の冴島鋼牙で約8年シリーズを作り、蒼哭ノ魔竜をもって鋼牙の物語は幕を閉じ、演じる小西遼生さんは卒業という形で冴島鋼牙シリーズは完結し、雷牙を主人公とする魔戒ノ花はその数年後に作られた。小西さんはパチンコの映像や魔戒列伝の最終回で再び鋼牙演じたことはあるけれど、雷牙を主人公とする作品に登場することはその重みがグンと跳ね上がるのである。

その鋼牙がついに雷牙と邂逅した。その活躍は結論から言うと1億点である。

7月の先行上映をもって情報解禁され今でこそメインビジュアルの雷牙の両隣に鋼牙と大河がドンと映っているが最初は鋼牙達の登場することすら伏せられていた。一番最初の公開された予告の雰囲気から鋼牙の登場はあるかもしれないというのは薄々感じていたがクライマックスに雷牙のピンチに駆けつけるくらいだろうな……と思っていたのだが。
中盤にその姿を現し早々に生死の淵を彷徨う雷牙の元へ駆けつけた。そして英霊の塔を破壊し牙狼の系譜を滅ぼそうとする白孔の野望を阻止すべく雷牙と共に闘うのだ。その活躍は初代~MAKAISENKIで観たあの白コートをなびかせて剣を振るうあの姿そのままである。めちゃくちゃなアクションも当時のままで(うわ~~~~~!鋼牙だ~~~~~~~!!!)となっていた。(いやしかし小西さんは顔変わらないな…と色んな意味で感動してもいた)

そして自分の予測を更に上回る光景が現れた。白孔の正体はかつて鋼牙に斬られた初代牙狼のラスボス、バラゴだったのだ。鋼牙の登場。そして雷牙との並び立ち二人が戦う敵としてこれ以上の相手もいないだろう。そして英霊の塔の力で英霊となっていた大河がその肉体と共に現れるのだ。

冴島家三世代黄金騎士が集結し甦ったバラゴ(しかも再び京本政樹さんが演じる。あの人も本当に還暦を疑いたくなる若さだった)を倒す、これ以上に豪華な内容があっていいのか?まさに牙狼版アベンジャーズ・エンドゲームといっていい夢のような内容にただただ心の中で手を合わせながら観ていた。あと5回くらい行きたい。

魔戒ノ花の続編として

無論月虹ノ旅人の評価点は鋼牙、大河、バラゴの復活だけではない、冴島雷牙を主人公とする新たな物語としても素晴らしい内容だった。雷牙にとって父である鋼牙は心の支えでもあり、超えるべき壁である。その鋼牙がカオルを連れ戻すために雷牙の元を去る前に彼に残した「必ず戻る。信じて待ってろ」という言葉。
その言葉が彼の中で揺らぐことがあると雷牙は劇中ある人物に漏らす。魔戒ノ花でマユリ、クロウとの絆を培った彼の次なる試練は黄金騎士たる彼自身の根幹と向き合わなければならなかった。そこに黄金騎士の系譜を断ち切らんとするバラゴ(白孔)に立ち向かい、鋼牙、大河との共闘することがこれ以上ないチカラを持たせると感じた。
終盤鋼牙、大河、雷牙の3人が言葉を交わすシーンがあるのだが鋼牙のある言葉に(やっぱり鋼牙の壁は高いな…)と感じたが、その後の雷牙の決断にいつか鋼牙をも越える日が、と感じさせる強い言葉だった
また、マユリ、クロウも魔戒ノ花での苦難を経て自分に出来ることを精いっぱい行っていた。特にマユリはホラーを封印する力が無くなり、人間と変わらなくなり、同じようにただの人間でありながら鋼牙に寄り添い続けたカオルに想いを馳せるようになる。終盤でのカオルとマユリとの邂逅にああ牙狼シリーズの絆は確かに紡がれていっているなぁと感じた。

共に闘ってきた盟友と共に

魔戒ノ花には2018年に惜しくも亡くなられてしまった大杉漣さんが劇中で演じていた四道法師というキャラクターがいる。

劇中で四道法師の名前が出てきたり、クライマックスで「ガロの鎧は一つでは無い!これまで共に闘ってきた全ての盟友の想いをこの鎧に受け継いで来た!」というセリフと共に各々の世代で出会ってきた仲間が映されるシーンの四道法師で思わず全身の鳥肌がたってしまった。
牙狼を共に作ってきた盟友への感謝とファンへの感謝がこの映画にはこれほどまでに詰め込まれていた映画だった。
雨宮監督は度々今後の牙狼シリーズはこの月虹ノ旅人のヒットにかかっていといった旨の発言をされている。この愛に満ちた作品がより多くの人に見てもらい大ヒットすることを切に願っている


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