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第1話 目覚め

前回の話


薄暗い闇の中、不安と混乱が漂う廃墟の礼拝堂で目を覚ましたにいと、ナカタ、そしてAKUBI。
彼らは自分たちが誰なのかを覚えているが、ここがどこなのか、何故ここにいるのかさえも知る由がなかった。
「ここは…どこだ?」ナカタが状況を見渡す。
礼拝堂の壁は崩れ、祭壇は荒れ果てている。薄暗い光が数え切れないほどの破片の間から差し込み、その景色は荒廃と無秩序の象徴だった。
「これは…異界か?」にいとが囁いた。
彼は不安定な空気を感じながらも、何かを探し求めるような眼差しを持っていた。

すると、礼拝堂の暗闇から、大柄な褪せ人が姿を現した。
その褪せ人は錯乱し、目には狂気が宿っているように見えた。
襲いかかってきた褪せ人との戦いが始まった。
にいとは打刀を手に、鍋の蓋を盾として、ナカタは手にしていた鞭を、AKUBIはナイフを構えていた。

彼らには三人には戦いの記憶があったようで、不思議と戦闘に体がついてくるようであった。
だが、褪せ人は、驚くほどの俊敏さと異常な強さを持っており、攻撃の手数が多く、一瞬たりとも隙がない。

ナカタはその動きを分析し、有利な状況を探りながら対処しようとするが、褪せ人の攻撃は予想以上に凶暴でかつまるで意識を失っているかのように錯乱し、狂気に支配されたような行動を繰り返していたたため、彼らは苦戦を強いられた。

「なんなんだ!?こいつ!」にいとは思わず口に出した。

にいととAKUBIも必死に抵抗し、褪せ人の攻撃をかわしながら反撃をしていくにつれて褪せ人の動きが遅くなっていった。
そして最終的には褪せ人を撃退することに成功した。

「一体なんだったのか・・・」
状況を読み込めないAKUBIが呟く。

戦闘が終わりお互いに自己紹介して、まずはこの礼拝堂を抜けることで一致した。

礼拝堂の扉を開け、彼らはそこから出た。
光が差し込み、彼らを照らす。
外は荒廃した世界でありながら、礼拝堂の暗闇よりは明るい空間だった。

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