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実はかなりタメになる!? 史記から学べる大事なこと 夏侯嬰

前漢の時代を生きた司馬遷が編纂した史記は様々な人間模様通じて、春秋戦国時代を書き表しております。
そして横山光輝さんが描かれた史記ではそういったドラマが絵となって繊細に描かれております。

そこで、今回は史記の人物を通して学べる忘れてはいけない大事なことを書いていきたいと思います。

第1回は前漢を打ち立てた劉邦の側近である夏侯嬰です。
劉邦の有名な部下には蕭何、韓信、張良といった英傑がいますが、真っ先に書きたいと思ったのは夏侯嬰です。

夏侯嬰は劉邦の旗揚げ時から行動を共にしている忠臣です。
時にぐうたらな君主のためならガンとして意見を言って、諌める姿が描かれております。

そんな夏侯嬰のあまりに実直な諫言を記載したのが、睢水の戦いです。
劉邦率いる官軍は魏、趙といった国と連合して楚と戦いますが、楚の項羽の軍勢の前に無様に敗北してしまうのでした。

そしてとうとう城を落とされ、夏侯嬰と二人で逃避行を始めます。
途中自身の息子、娘を救出し共に逃げようとしましたが、追っ手が迫ってきたのでした。

劉邦は不安になり、息子と娘を走っている馬車から落としますが、夏侯嬰はそれを諌めます。

劉邦の言い分としては、少しでも馬車を軽くしてスピードを上げたほうが良い、項羽は幼い子には手を出さないといったもので、劉邦の人間性を表した言動に感じますが、一理はなくもないため、普通の家臣は丸め込まれてしまうかもしれません。

しかし、夏侯嬰はガンとして反対します。

出典:史記第8巻P52


天下を望むなら慈愛の心を持ち万民に尊敬される君主におなり下さい。自分の子を捨てるような王に万民がついてくると思いますか。

史記第8巻P52より



ド正論ですね。
この状況で息子、娘を捨てた場合、より早く追っ手を負けたかもしれませんが、今後の劉邦の天下取りは大きく遠ざかったことは間違い無いですね。

ともかく、この時代は君主への諫言で処刑されることもある中で、君主にも、しかもこれだけキツい諫言をできる家臣は他にいないですよね。

そういった家臣に恵まれたおかげで劉邦は漢を築けたと考えると、家臣たちの働きは計り知れないですね。

一言で言えば、人は時には間違えるけど、踏み外してはいけないものがある、ということなのかなと思います。


どうでしたでしょうか?
こんな感じで偉人達の心に刺さる名言や行動を紹介できたらと思います。
それでは、また次回よろしくお願いします。

史記第8巻
横山光輝
小学館文庫

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