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「一」「極」「分」の内1つの漢字を選択してどのような言葉が思い浮かぶか。その言葉をテーマに自由に記述しなさい。

「背水の陣」という言葉は後がない、絶体絶命の極限状態を表していると言える。
これは楚漢戦争時の漢の武将である「韓信」から始まった言葉で、今でも日常会話の中によく使われている。

韓信は漢を打ち立てた劉邦の部下であり、国士無双と言われるほど戦争に強い将軍であった。
そんな韓信の名を一躍有名にしたのは趙との戦争である。
趙は一時は漢と組んで楚と戦ったが、楚に敗れたのを機に漢と決別した国だ。
漢は楚の包囲網を作るべく韓信に趙の討伐に向かわせた。
趙は20万という大軍で待ち構えており、韓信の軍は先の敗戦もあり、1万余りの兵士しか召集できなかった。
この時点で韓信は絶体絶命であり、まさに極限状態であったと言えるが、韓信は誰もが予想しない作戦を展開する。
それが「背水の陣」である。
これは川を背にして陣地を築くことだが、川を背にすると逃げ場がないため、負けたら終わりとなってしまう。
極限状態の中の極限状態でのコンディションで戦争に向かう兵士達は後がないため、奮起せざるを得ない状況になった。
戦いは序盤は当然趙が優勢であったが、漢軍も死ぬ気で戦っており、戦いが長引くことになる。
その内、漢の別動隊が趙の城を落として、形勢が逆転して漢軍が勝利したのであった。
誰もが韓信の勝利を予想できなかったため、中華は騒然としたことだろう。
実は、この戦法は孫子の兵法に記載がある「死中に活を求める」ことを応用したもので、極限状態に置かれた兵士の強さは何十倍にもなることが韓信がわかっていたのである。

このように極限状態において人は真価を発揮できることを遥か昔から証明されており、スポーツ等でもその強さの発揮を感じることがある。
今では「背水の陣」は後がない状況を示す言葉になるが、このような状況こそ人の真価が問われることになると思料する。
誰でもピンチな状況は好きではないが、その状況が訪れることは多々ある。
その状況が訪れた時に自分は真価が求められている時なのだと思えることが難局を打破できる鍵となるかもしれない。

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