見出し画像

なにもかも嫌になって ~米子とか鳥取とか智頭急行とか~

自暴自棄になってあすなろう鉄道を降り潰すなどという意味の分からない行動に走った私なのですが、まだまだ憂鬱を引きずっていました。

その年、私は大いなる人間不信に陥っており、日常のちょっとした場面でも気を付けていないと泣いてしまいそうになる程度には傷ついてしまっていました。

じっとしていると気が変になってしまいそうで、またしても家を飛び出して電車に飛び乗った冬。
行き先は決めていません。
とにかく駅に行って、来た電車に乗ってみることにしたのです。

駅に行くと下り電車が先に来たので、岡山方向に進んでみることにしました。
電車に乗って、路線図を眺めます。
まだ行ったことないところへ行ってみることに決めた私は、伯備線に乗ってみました。

久しぶりの新見です。
布原行きのときはあんなにわくわくしたのに、いまは何を見ても悲しい。
布原まで歩いたときは新見駅周辺をろくに散策できなかったので、その日はすこし歩いてみました。

食べ物を買いたかったのですが、ちょうどよさそうなお店が見つけられません。

いぬ落ちてた


うーん、どうしよう。
どこ行こう。
日本海側に行ってみようかな。

列車に乗りなおして米子に向かいます。
米子まで行けばきっとおいしいものが食べられるでしょう。

窓の外は雪景色。
見ているだけで凍えそうです。
冬の旅はリュックに防寒対策アイテムをたくさん詰め込んでいるので、荷物がどうしても重くなります。服もたくさん着込んでいるので、重くて肩が凝ってしんどいです。

あーあ、寒いのやだなー。
早く春になったらいいのにな。
でも私、このテンションで春まで生きていられるのかなー。

雪を見ながらどんよりしていると、米子につきまして。
ここでちょっと嬉しくなってしまいます。

「ねずみ男駅」 米子駅のことらしい
隣は「コロポックル駅」らしい



ここから境港線に乗っていくと、終点の境港は水木しげるの出身地。ということで、境港は「妖怪の町」らしい。
だから境港線の起点である米子駅もこんなことになっているようです。
こういう遊び心、大好き!


こんなの見ちゃったら境港まで行ってみたくなりますが、これから境港まで往復すると帰がかなり遅くなってしまう。
ボロボロの私は早めに帰りたいのです。
どうせ行くならゆっくり境港探索もしたいし……
ということで、この日は境港行きを諦めました。

またちょっとショボン。
おいしいものでも食べて帰ろうかな。

駅の外に出て、大通りを歩いてみるのですが……
ほとんどのお店でランチタイム営業は終了していました。
海鮮食べたかったな……
うーん、そもそも思ってた感じじゃないな。
基本的にここはお酒を飲みに来る通りなんだな。

諦めがついて、帰ることにしました。
コンビニでおにぎりでも買って空腹を紛らすことにします。

今日はただ列車に乗って降りただけ。
観光らしきことは何もしていないし、買い物もコンビニに入っただけ。

悔しくて、山陰本線に乗って鳥取経由で帰ることにしました。
なんだか疲れてしまって、山陰本線の中ではただただ爆睡。
なにも覚えていません。

ちょっと踏んだだけの鳥取


鳥取から因美線に乗り換えて智頭で下車。
ここから智頭急行で帰ることにします。


切符を買うと、親切な駅員さんが
「上郡まで行かれるなら、このあとのスーパーはくとの方が先に着きますよ。追加料金も500円ほどですが……」
と教えてくださいました。
ちょっと悩んだものの、どんより気分のまま普通列車でゆっくり帰ることに決定。

ちなみにですが、いつ行っても智頭急行の駅員さんたちは親切でした。
ひとり旅をしていると、ちょっと親切な声掛けをしてもらうだけでとてもほっとして嬉しくなります。
いつもありがとうございます。

そんなわけでディーゼルカーに乗り込んで思う存分どんよりしていました。
車内に私以外の乗客も数えるほどしか乗っておらず、静かなもので…

?!

なに?!

恋山形、ビッカビカ!!!

いやもうビッカビカなんてもんじゃなくて、

いや、
ビッカビカなんよ!!!
ビッカビカやんか!!!
ビッカビカ!!!
なにしよるん!!!!

クリスマス仕様だったようで、とてつもないテンションの恋山形駅が迎えてくれました。


ここで通過待ちをしたおかげで、思い存分ビッカビカを撮影できました。
これにはもう笑っちゃいます。
普通列車に乗ってよかった。

憂鬱旅の締めくくりに、なんかもうバカバカしくなってきた次第。
こんな真っピンクの駅があるのか、世界は広いな。 


ありがとう、ものすごいテンションの恋山形。
私、ちょっとだけ元気になったかも。

また来るね。


上郡もすごかった

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?