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【013】一冊のビジネス書を読むぐらいはためになるかもしれないアルバイト面接の話。

今からは考えられないことだが、僕が18とか19歳のころ、景気が悪く、フリーターも多かったので、アルバイトをしたくても働けない状況があった。正社員はおろかアルバイトもできない。バイト情報誌を見て電話をかけて履歴書に700円もする証明写真を貼って、持っていくのだが、ことごとく落ちる。精一杯自己アピールしても時給800円で働かせてもらえない。つらい。時代のせいにしたくなる。

ところでまだインターネットがおぼつかなかった当時、アルバイトを探す若者はみんなフロムエーだとかanとかを見ていた。ということは、ライバルが大量にいるということだ。その上、みんなが働きたい職場はかぶるので、当然求人広告を出した職場には数百人の応募が来る。必要なのは数人なのだから、百倍ぐらいの倍率だ。面接時にうず高く重なった履歴書の束を見て、これは非効率だと悟った。さらに店長が性格の悪い店など、職場環境に問題があるところほど、人の入れ替えが激しく、求人広告をよく出すということもなんとなく見えてきた。このままでは何度も面接で落とされるを繰り返すことになってしまう。

僕は作戦を考えた。どこの店舗もあと1人ぐらいはバイト欲しいと思っているはずである。だけど1人の若者を採用するのに求人広告を出すほどのことはしない。店舗のトイレで、スタッフ募集をするだけで事足りるからだ。

コンビニで働こうと思った僕は電話帳を取り出し、上から順番に電話した。「そちらでアルバイトは必要ではないですか?」と順番に話した。

3店舗目で僕は面接の機会を得た。他にライバルはいなかったからすんなり採用が決まった。周囲の仲間はみんなアルバイト先が見つからず大変そうだった。

いつの時代も就活は悩みの種で、希望の場所にはなかなか就職できないという。でもそれは正社員の場合で、アルバイト先は時給をアップしても人が集まらないらしい。働き手にとってはとてもいい時代だ。

こんな調子の僕だから、就活でも早々にあきらめ、フリーランスを選ぶことにした。フリーランス仲間(僕は常に同業とつるむ。情報戦で負けたくないからだ)が仕事を取るのに苦戦するなか、僕は酒も飲めないのに夜な夜な編集者が集まるバーに繰り出した。不思議と正攻法で電話をかけて売り込むやつは採用されないが、僕のような、相手が酒など飲んで油断してるスキに売り込むやつにはどんどん仕事が来た。相手のことを考えれば、当然の戦略だ。世の中なんてちょろいと思ってた22歳。やなやつだ。

社長になったときも、能力も事業計画もコネもなかったから、それでも戦えるよう、ある戦略を考えた。それが何かは、企業秘密なので教えない。僕が働いているところをじっくり観察すれば、何かヒントがあるかもしれない。

容姿のせいにするやつ、能力のせいにするやつ、時代のせいにするやつ、学歴のせいにするやつ、みんな真面目だなあと思っている。あのうず高く積もった履歴書を目にしながらも面接に行くガッツは僕にはない。だからこそ、どうすれば回避できるか考えることができたのだと思う。

話は変わるが今日から3週間、改装工事のためうちの社員はオフィスを失った。チャンスなのでぜひオフィスがなくてどう働くかを試行錯誤してほしい。アルバイトがなかなか見つからなかったことで新しい戦略を考えれたので、人は違う環境化に置かれたときに成長するのかもしれない。復帰後、きっと強くなっているはずだ。

※写真は無関係。

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梅田カズヒコ

プレスラボ代表取締役

SNS時代のための100のコラム

ライターなのにライティングの仕事がなくなったかわいそうな編プロ社長による、SNS時代のためのさくさく読めるコラム。
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