あなたの本の読み方は正しいのか?


年末年始の時間を読者に宛てたという方も少なくないかと思います。

「本の読み方」について幅広く意見を聞いてみたいと思い、本の読み方に関する自分なりの考え方を紹介します。

目次
1.多くの人が読書で得られる、「言葉にならないこと」とは
2.読書のパターンと目的の分類
3.「質の高い読書」ループ
4.多読=価値なのか?「損切り」も大事
5.おまけ:梅木の読書遍歴など

多くの人が読書で得られる、「言葉にならないこと」


まず、「読書は良いことである」と多くの方は思っているかと思います。

実際に、読書による効用は大きく、読書週間のある人とない人では平均年収が5-10倍異なるというデータをどこかで見たことがあります。

「読書は良いこと」というのは明らかであるわけですが、読書によって何を得ているのでしょうか?

この問いかけに即答できるでしょうか。「自分の知らない世界を知るため」などという、当たり障りのないような回答になりがちではないでしょうか。

私なりの多くの人の言葉にならざる回答は、読書よって得られるものは「自己満足感」ではないかと思います。

今日は3時間で1冊読んだ!(満足^^)

これが言葉にならざる多くの人の心理ではないでしょうか。

読書ではなく、ゲームの場合どうでしょうか。

やばい、3時間もゲームしてしまった...(自己嫌悪)

こう感じない人もいるでしょうが、「今日は3時間もゲームしたったぜ!(ドヤ!)」という人はほとんどいないのではないかと思います。

わかりやすくゲームと対比させてみましたが、「読書=良いこと」という刷り込みが前提にあり、「読書しただけで何か良いことした気になっている」場合が多いと思います。

ですが、「自己満足感」を得たところで、それは文字通り自己満足でしかありません。

本来、私たちは読者に何を期待しており、何を得たいと思っているのでしょうか。

読書のパターンと目的の分類


読書のパターンについて、まず考えてみましょう。

細分化すると様々なジャンルがありますが、ざっくり大別すると4つくらいではないでしょうか。

小説エッセイ、ビジネス実用書、教養書、雑誌

「教養書」というのは勝手に作りましたが、新書に多そうな類のものです。今回は「雑誌」については割愛し、他の3つについて考えていきます。

まず、人が「本を読もう」というモチベーションを持ち、実際に本を手に取る際にどのような思考パターンがあるでしょうか。

1.この分野について知見を深めたい
2.気晴らしや時間潰しになるものが欲しい
3.なんとなく

主にはこの3つで、上から「目的性が高い順」に並べました。

1は元々目的を持っているので、例えば「ウォーレンバフェット 投資」などのキーワード検索で辿り着く、あるいはAmazonの購買履歴にもとづくレコメンドの比率が高く、3はtwitterでホリエモンの本に関するRTをよく見かけるので、手に取ってみようという、プロモーションの圧力に屈する比率が高いと思います。2はいろいろなパターンがあります。

実際に「読書」という行為が10万回あるとして、そのうちの9万回以上は2や3のパターンに分類されるのではないでしょうか。

何もこれは2や3の行為がクソだ!と言いたいわけではなく、人間は怠惰で受動的な性質があるので、2や3のようなことがあっても全然良いとは思います。テレビを観る行為の90%以上が2や3で、「このドラマが見たいから観る!」みたいな人は10%程度ではないでしょうか。

もちろん、2や3で触れた書籍の中から気に入ったものを見つけて、次からは目的買いをする。3で知った情報が1の「この分野(や人)」をもっと知りたいというパターンに昇格することもあります。

ただし、1のパターンの読書と2や3のパターンの読書を比べると、「質の差」が明確だと思います。

そもそも、2や3のパターンの読書に、読者は質を求めていない場合がほとんどだとは思います。

1のパターンでは「知見を深めたい」という目的があり、そういう目的を持って読まれるジャンルは「ビジネス実用書」がほとんどだと思います。

この「ビジネス実用書」を「知見を深めたい」という目的で読む際に、あなたの読み方は本当に正しいのでしょうか。

「質の高い読書」ループ


意識の高いビジネスマンであればあるほど、意識の高そうなビジネス書を読む機会も多いかと思います。

私がよく理解できなかったものとして、一時期「フォトリーディング」なるものを耳にしました。

解釈が間違っていなければ、「写真を撮るように本の情報を脳に送り込む速読術」のことです。

これは私のような凡人には全く理解できないことで、「そんなに覚えられるの?無理やん!」という感じです。

勝手な想像ですが、twitterのフォロー数が多い人はフォトリーディング 的なものを好む人なのかもしれません。

私はフォロー数が少なくて50人未満ですが、おそらくタイムラインの9割型はチェックしています。

前者は多くの情報をザッピングすることに重きを置く傾向があり、後者は信頼できる少ない情報量から物事を判断したいという傾向がありそうだと思っています。

ザッピング系の人も、幅広いソースからザッピングしたものの中から、じっくり考えたい事象を選定して、考えている人もいるかもしれません。

なので、ザッピング派を全否定するつもりはないのですが、フォトリーディング と真逆の読書姿勢が、質の高い読書につながるのではないか。という仮説を私は持っています。

私が考える「質の高い読書ループ」は下記の通りです。

1.自分が知りたい分野の書籍を正しく選定する(間違えたと感じたら、すぐ読むのをやめる)
2.読んでいって気になったところをマーカーで引いていく
3.マーカーで引いた箇所をEXCELなどでまとめる
4.自分なりの書評を記事などでアウトプットする
5.その書籍から学んだことで実践に移せることを明文化する
6.実践に移し、その結果を検証する

4まではそれなりにやる人がいると思いますが、5に関しては友人である「しょこたん」というゲノム解析スタートアップの社長が言っていたことで、「やばい、そこまでは考えてなかった。なんてアホだったんだ、自分」と思わされた指摘でした。

言い換えるとビジネス書の多くは何かしら実践に応用したいという動機から読む人が多いはずで、実践に応用できる学びが少ない場合は、読書としての質が低いといえます。

例えば、部下がいない自営業者の私が、カーネギーの「人を動かす」を読んだところで「動かす相手いないやん!」ということです。

自分が現在の実務に携わっていない領域でも、教養のために読んでおきたいというニーズも理解できますが、読書に宛てた時間の投資対効果は芳しくなく、質の高い読書にはならないのではないでしょうか。

「実践」までは辿り着くのはなかなかハードルが高いのですが、私の場合たとえば下記のように落とし込みます。

捉え方によっては、ビジネス実用書は受験勉強のようなインプット手法をとると、良質なアウトプットに繋がりそうです。

なんとなく読んでなんとなく知っていることが無価値とは言いませんが、あやふやな知識を実践に応用することは難しいのではないでしょうか。

ちなみに「書評記事」は一石三鳥くらいのメリットがあります。

まず、アウトプットを前提として読書をすることで、インプットの質が上がること。

稀ではありますが、著者から記事に対してリアクションがもらえること。私は全くの無名時代に個人ブログを書いていた際に、著者から反応があった時は嬉しかったです。私も著者になったことがわかるのですが、著者からすると書評記事はどんなものであれども、嬉しいものです(できればポジティブな方が良いがw)

最後に、Amazonアフィリエイトリンクを仕込んでおけば、多少の収益になります。その書評記事が面白く、「読んでみたいな!」と思ってその記事経由で買った人が10-20人でもいれば、書籍代の回収くらいはできます。

多読=価値なのか?「損切り」も大事


もちろん、この読み方が「唯一絶対の正解」ではないと思います。

しかしながら、たいていの人は「読書という行為自体」に自己満足しており、読書から得られる価値を最大化できていないのではないかと思います。

読書冊数を自慢するのは、恋愛工学生が「100人斬りしたぜ!」とドヤっているのと、実態はさほど変わらないのかもしれません。

それよりも「これは人生のバイブルになる!」という一冊の書籍と巡り会い、その中のエッセンスを自らに十二分に吸収し、実践に活かして例えばビジネス的な成功に近づく。という方が、よほど有意義な読書ではないでしょうか。

実は書籍の中で「名著」と呼ばれる価値の高いものはさほど多くないと思います。

個別の読者の需要によって、その書籍の価値自体は変動するので、多くの書籍が無価値とは言いません。しかし、相対的に明らかに価値が高い名著が存在することは事実です。

特にお金がない人ほど「せっかく買った本だから最後まで読もう」として、ダラダラと読んで結果的に読了できないことも少なくないと思います。無駄に「Mottainai精神」を発揮してしまうわけです。

そういう時は、その書籍は自分にとっては価値が低かったのだと早めに見切りを付ける「損切り」が重要ではないでしょうか。大前提として、全ての書籍が超絶ありがたい存在ではないわけです。

誌面の都合により、字数が足りないから、強引に大した価値がない文章で項目を埋めている場合もあるわけです。

多読の良い点は、名著に辿り着く確率を上げられる点ではないでしょうか。色々とりあえず読み始めて、微妙だと思う書籍は損切りしていくことで、名著に辿り着くまでのスピードも上げられるはずです。

たまに「オススメの本ありますか」と聞かれても、その人の需要が何かわからないもしくは漠然としていることもあるので、困ります。

自分で「読むべき本」に辿り着くスキルの格差は広がっている気がします。

以上が私なりの読書に対する見解です。

「読書は良いことだ」ということは、子供の頃に親や先生から習うかと思いますが、「どうやって本を読むと良いか」という具体的方法論までは教えてもらっていない人が多いのではないでしょうか。

それは親も先生も自分の中で「こうやって読むと良い」という方法論が確立されていなくて、むしろ方法論があることにすら気づいていなくて、結果的にHowを教えるに至らない場合が多いのではないかと思います。

今回書いた話は、友人の指摘があった箇所もあれども、基本的には自分で考えた方法論です。誰かに教わった記憶はありませんでした。

「読書価値の最大化」の試行錯誤に終わりはないと思うので、皆さんもぜひ「自分の読書は正しいのか?」と今一度、自分のやり方を見直してみても良いのではないでしょうか。

☆おまけ:梅木の読書遍歴など


もともと、私自身高校生の時まで本を全く読まず、国語が超絶苦手で、受験科目に国語がない慶應に入ったという経緯があるほど、読書に関心がありませんでした。

TheStartupにはたまに書評を書いていますが

2017年から読んだ本の簡単なログをとっていて、過去2年は年間60冊強程度読んでいます。月平均5冊強です。冊数をドヤる気はないし、30代のビジネスマンとしては平均的な気もします。

暇なんだからもっと読めよとすら思う。

ジャンルとしては「投資」「ビジネス」「小説エッセイ」の3つがメインですが、ひたすらマーカーを引いてエクセルに落とし込むのは「投資」です。

「小説エッセイ」は趣味として読んでいて、小説は金融物や企業物が好きです。真山仁のシリーズや下町ロケットなどは、ハマって1日で読み込んでしまいます。エンタメとして本当に面白いなと感じる。

小説エッセイに関しては、昔もう少し情緒的な文章を書けるようになりたいと思った際に、村上春樹の写経をしていたことがあります。

アウトプット精度を上げるための読書としての小説、というのもあるわけです。

投資本については、より読書価値を最大化するために、サボっていた書評をこれから作っていきたいと思います。最近書いたこれは、書評の割には読まれていますね。

読書ログをつけていくことで、書籍選択の精度も上がり、質を高めることにつながっていくかと思います。

長々と書きましたが、以上です。

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梅木 雄平

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