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双子に生まれた感覚

僕は双子の弟です。
一卵性双生児で顔や背丈、体格もそっくりな双子です。
自己紹介の時に双子ということを告白すると、
『双子ってどんな感覚なの?』とよく聞かれることがあり、
普段あんまり考えないなと改めて気づき、考えることがあります。
僕も双子じゃない人にうまく伝えることができないので
どんな感覚か思ったことを書こうと思います。

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双子の存在を一言で表すと?**

あまりしっくりくる答えではなく抽象的な答えですが、
『友達、家族、兄弟でもない特別な存在』
だと思います。
双子の6つ上に姉、4つ上に兄がいますが兄弟でもないすこし違う感覚かなと。
たまにネタで『おまえら分身してんなよ』と知り合いから言われることがあり、
その時はイラっと来るときもありますが、確かに自分の分身という感覚にも近いような気がします。遺伝子はほぼ一緒ですからね。

双子だけの世界

双子だけの世界がありテレパシーに近いかもしれませんが同じ空間にあればだいたい今むこうはこうおもっているだろうなということがわかります。
なんでそうなったのかなと振り返ると、昔から二人でいる時間が長かったからかなと思います。
遊んだり学校に行ったり、幼いときは常に隣にいる存在でした。
距離が近いうえになんでも言えたり喧嘩はしょっちゅうやりました。
その喧嘩の理由がしょうもなく、お菓子の分量が最も多い喧嘩の原因でした。
500mlのオレンジジュースをちゃんと2等分するために計量カップではからないと気が済まないとか、
パンを半分にするでも、計量器に乗せてg単位で毎回分けるというすごくめんどくさいことをしていました。
今も名残で仕送りがあると親は同じものを同じだけ入れてくれます。(笑)
一緒にいすぎて二人だけの世界があり、兄弟家族は入りにくかったんじゃないかなーと思います。
そのおかげかわからないですが、幼いときは極度の人見知りで、
特に先生や大人と接するのがすごく抵抗があったように思います。
双子ワールドが強すぎて2人いると遊んだり何かすることはできるので特に不自由なく、
周りとの世界を完全にシャットアウトしていました。
いまはそんなことないですけどね(笑)


名前が双子らしくないというツッコミも

僕の名前が駿、兄が亮馬という名前です。
母曰く、兄がおなかから出た瞬間に亮馬と名付け
後から出てきた僕を駿と名付けたそうな。
親父は駿と亮馬、二つの名前を用意していたらしいですが、その場でどっちが駿でどっちが亮馬か決めたらしいです。
父のその日の気分によっては僕がもしかしたら亮馬という名前になっていたかもしれません(笑)
あまり似ていない名前ですが、共通点は名前に馬が入っています。
小学校の時、父に『なんで名前に馬が入ってるの?』と聞いたら、
『足が速くなるような名前にしたわ~』と言っていて『足が速くなるんだ!』と喜んでいましたが、
この年になると、ほんとに足が速くなることを願い名前に馬を付けたのかと疑うところもあります。

双子じゃなくなる危機?

初めの危機は生まれたときで、
僕は兄から15分ほど遅れて出てきたのですが、
最初は手から出てきてこれはダメだとなったそうで、もう一度おなかに戻されてから正しく頭から出てきたのですが、
そのときには息をしていなかったそうです。
心臓マッサージなどされて何とか助かったらしいですが親などには心配かけたなと思います。

あとは小3の時、双子の兄にやられそうになった話です。
『伊東家の食卓』という伊東四朗さんがメインでされている家庭の裏技番組で紹介されていた、
『ジェットコースターの気分を家で味わえる裏技』的なものが紹介されて早速双子で試しました。
簡単に言うと、十回ほど回って目が回った状態で目をつぶりながらおんぶしてもらい走ってもらうという遊び?で
ジェットコースターに乗ってるような感覚になるというものです。
僕は兄におんぶしてもらう立場だったのですが、10回ほど回っておんぶしてもらい鬼が走った瞬間にバランスを崩し、
足を滑らせそのままの僕の後頭部が柱の角にぶつかりました。
痛さもなく、なんか起きたなという感覚で起き上がり大丈夫、大丈夫と言ってたのですが、頭から水気を感じ、洗面台に向かい頭を触ってみると後頭部がぱっかり割れ、出血しているのです。頭蓋骨を直接触っている感覚がしこれは逝くなと思いましたが、祖母の応急措置もあり無事に助かりました。兄にこんな事をされるとは思っていませんでしたし、当時はパニック状態で深刻だったのを覚えています。

なんだかんだ双子でよかった

そうこうして今、双子で仕事したり、住んだりしているわけですが、
双子っていいですよねと言われることがあります。
いまはそうですよね―と言えますが、昔は全然その言葉を受け入れられなかった自分もいます。
小中校大と同じ環境にいたので、テストの点数や、スポーツの成績、恋愛関係など比べられたり、どっちがモテるやら、どっちが賢いやら言われてきました。まあ同じ環境にいるから比べてくなるのはすごくわかりますがすごく面倒で嫌だったのは覚えています。
今は比べられても嫌ではないですが。
でも振り返るとすごいなと思ったのは両親から比べるような発言は一切なかった事です。
こっちのがいいやら、こっちが優れてるやら、さすがに生んでもらった親から言われると相当へこみますよね。
それもあってかほんとに仲良く双子でやっているし、喧嘩はしょっちゅうしますが喧嘩するほど仲がいいと言いますもんね(笑)
双子は人口割合的に2%となっていて、みんなと比べて50分の1の体験が人生でできていると思うと、昔双子じゃなければよかったとか思った時期もありましたが、今ではみんなはしたくてもできない経験なんだなと楽しくやっています。

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