ASMR界にとうとう、本物の声優さんが参入した。その名も、

小岩井ことり さん

個人的にはニコニコ動画で、現在漫画家のルーツ氏が連載していた「するめいか」の声優として認知していたんだけど、やっぱりのんのんびよりの「れんちょん」だろう。

れんちょんは天才だが、中の人の小岩井ことりさんは少し前にIQが高いと入会できるMENSAに入会している。また、クラウドファンディングで有線無線両用のイヤホンの開発で2億円近い資金を集めたり、今回の騒動で自分の家に完全防音のスタジオを作成するなど、行動力とその実績は凄まじい。

そのスタジオでなんとASMRを開始している。

施設もさることながら、100万円くらいするダミーヘッドを借りてやっているため、音質は他のASMRの方とは群を抜いている。

しかし、個人的には「まだこれから」

ASMRをやっていない人間が偉そうなことを言うのは失礼なことだとは前置きして、小岩井ことりさんも動画中でいっているので、正直な感想としては「まだ研究段階」という印象。というのも、他のASMRの方々とは環境が違いすぎるのである。

というのも、ASMRをとっている方々はおおよそ「ノイズフィルタリング」を行っている。これは部屋の環境音などを軽減することが目的であるが、どうしても実際にとりたい音もフィルタリングされてしまうため、ノイズフィルタが強ければ強いほど生音からは離れてしまう。とはいえフィルタリングしないとザワザワとした雑音が残ってしまう。ノイズフィルタリングでどれくらい変わるかは、たまたま耳かき中にノイズフィルタのレベルを調整している、高倉むきさんの動画を聞いていただければわかるだろう。（リンクは10:05から開始するようにしている。）

そこで出てくるのが小岩井ことりさんの環境。一般家庭では到底準備できない「完全防音」の環境で行っている。そのため、ノイズフィルタリングする必要がほとんどない。実際に、次の動画ではノイズフィルターを使うことなく配信している。

しかし、この動画中でスマホでYouTubeのコメントを拾おうとした際にスマホから発せられたノイズを拾ってしまう結果となっている。スマホを利用していないところの音は細かに伝わってくるものの、「スマホってこんなにノイズ出しているんだ」と感じさせてくれるくらい、拾っている。

ご本人もおっしゃっている通り、スマホじゃなくてPCで確認するようにすれば対応可能。しかし、おそらく今後やっていくにつれて、他のASMRを収録している人たちには出てこなかった課題が出てくるのではないか。はっきりいってプロのスタジオの方々が技術的に四苦八苦しているようなことにチャレンジしている。

非難しているのではなくて、小岩井ことりさんのASMRはそれくらい「すごいこと」をやっているんだぞ、っていいたかっただけなのである。

あとがきとしてあくまでも個人的に期待していること

ここからは別にただいいたいだけなのでバイバイしてもらった構わないのだけれど、配信中のコメントで「耳かきしながらささやき」とかいわゆる他の方のASMRでやられていることを求める意見が多かったように感じた。しかし正直なところ、個人的にはそれだったら「他の方でもいいかな」と思ってしまう。もちろん、小岩井ことりさんご自身がやりたいということであれば是非聴きたい。でも、求めるのはなにか違うなーと思ってしまう。

あとはれんちょんのような声優ボイスを求める声も観た。これは権利関係とかもややこしい上に、声優さんの声って基本的に張っているからASMR向きではないと感じる。

僕が求めることとしては、「もっと繊細ななにか」をやってほしいなと感じている。ノイズキャンセリングをすると消えてしまいそうな繊細な音を収録してほしい。ASMRの次の段階へと一歩勧めてほしい。そんなことを望んでいる。