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混沌とした日々を超えると、人は成長する

今から数年前、わたしは日本で開催されたAPECの女性だけの国際会議に学生ボランティアとして参加した。ちょうど大人の大学生をやっていた時だ。その前夜祭のこと、社会で活躍されていらっしゃる女性が、「あなたがこれから仕事で成長したいのなら、同じ場所に3年いちゃいけませんよ」とおっしゃった。

そして、今日、とても気になる記事を目にした。

本橋さんは、この記事で、元GEリーダーシップセンターのディレクターのノエルティシーさんによって提唱された、人材育成・能力開発についてのコンセプトを紹介されている。そこには、人が成長するステージは3つあり、それは、①コンフォートゾーン、②ラーニングゾーン、③パニックゾーンだといわれている。

今自分は①ゾーンにいる、と思った人が、②ゾーンに移動して学ぶというのであればわかりやすい。それが、恐らく3年いちゃ成長できませんよということなのだろう。けれど、③のパニックゾーンはどうだろう。

本橋さんによれば、③のパニックゾーン(Panic Zone)は、

→ストレス過多、何も考えられない状態、自分が極度の不安や恐怖を感じる範囲です。例えば過度な期待やプレッシャーのある業務に関わることやこれまで得たスキルや確立したスタイルが通用せずに何が起こってるかも分からず、変化の大きさについていけない状態です。同時に恐怖も感じ学ぶ余裕すらなく、テラーゾーン、フィアーゾーン、恐怖ゾーンなどとも言われております。

と書かれている。

いやいや、このステージは間違いなく人が潰れちゃうだろう、と思えるような場所が③のパニックゾーンだ。

実は、わたしは今、間違いなく③のステージにいる。今は、今月中旬からスタートする予定のクラウドファンディングのために必死で動いている。すべて初めてのことばかりで、苦手なPC上の作業が延々と続いている。

物事が一斉にスタートし、その起点がすべて自分で、何もかも自分で決めなければならない。果たしてこれは予定の期日に間に合うのか、そしてこのクラファンは受け入れられるのか、考えるとぞっとすることばかり。時に厳しい意見に打ちのめされたり、時に熱い応援で涙したり、時にこんな重大な事を始めてしまい人まで巻き込んでしまって上手くいくのだろうかとプレッシャーに押しつぶされそうになる。

そして、並行して起業についても学んでいる。どれを取ってみても、わたしの引き出しにないものばかり。こんなことは初めてだ。海外で暮らしたこともあるし、仕事だって色々としてきたし、大人になって大学で学んだりもしたけれど、これは違う、全く新しい。知らないことばかりだし、わたしの周りにいる人もそれを知らない。

だから、頭の中がごちゃごちゃで、まさにパニックゾーンにいるとしか思えない。

そして今朝、わたしは本橋さんの記事を目にした。この記事を3日前に目にしていたら、きっと納得はしなかったはずだ。

睡眠を削り、夫とのお喋り時間を削り、お風呂時間を削り、ひたすらパソコンとiPadと携帯に向かって過ごした日々。そんな暮らしが、昨夜ふと変化した。先が少し見えた。何もなかった霧の中の遠くに、光の中に立つ大きな木が見えた。

あゝ、何とかなりそうだと初めて思えた。形のなかったものが形になってきた。わたしは潰れなかった。だから、今朝目にした本橋さんの記事が忘れられなかった。

このカオスな日々が、自分を成長させてくれるステージだというのなら、きっとそうなのだろう。わたしは数か月のこの心細くも混とんとして、どこから手を付ければいいかわからない状況の中で、自分を信じてなんとか進んでこれた。

人に泣き、人に助けられ、人の本当の優しさを知り、わたしを求めて来てくれる人に会い、人に教わった数か月だった。かつてこれほど多くの人と関わったことがあっただろうか。かつてこれほど気分の変化を味わったことがあっただろうか。還暦を過ぎてもまだわたしはこれほど知らないことがある、そのことを思い知った日々でもあった。

一つだけわかったことは、腹が座ってきたということ。考え方もよりすっきりとしてきた。いずれにしろ、わたしは今、前を向いている。たとえそれが上手く行っても行かなくても、全力で走りぬいてここまでやってこれた。

きっと、これがステージ3の凄さなのだ。

なに一つ見えない場所であらゆるものが手探りで、出会う事柄も、出会う人も、まったく新しかった。わたしはもう勤め人の世界にはいないのだと自覚できた。わずか数か月で腹が座った。外に出るとはそんな事だった。そんなことを知った。おそるべしパニックゾーン!


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※最後までお読みいただきありがとうございました。



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