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自分で選んで決める。未来の自分のために

何かを選ぶ時の軸がありますか?

たとえば進学。
たとえば就職。
たとえば転職。
たとえば恋人選び。
たとえば結婚。
たとえば出産。
たとえば家の購入。

どんな時にも迫られる選択。

けれどこの選択、軸がブレると手にしたものが重荷になり邪魔になったりします。良かれと思って選んだものが自分の道を塞ぐことさえあります。

ただ、たとえそうであったとしても、自分で選んだものには意味があるとわたしは思うのです。その選択が未来のあなたに間違った答えを連れてくることになったとしても、自分で選んだあなたには、きっと覚悟があったはずです。その覚悟のある人が選ぶ未来は、変えていける未来です。



差別など無かった

同じ国に暮らしていても、時代や暮らす環境で選択肢は異なります。女性であれば、選択肢など無い時代さえありました。

50代でわたしが大学院へ進学した際、遥か年上の女性に男女差別など感じたことは無いといわれました。その方は国連で働かれてこられた先生でした。古臭い慣習や文化に閉じ込められて生きてきたわたしの母より少しお若いその方が、差別などなかったとはっきりとおっしゃったのです。男性と同じように学び働いてきたのだと。

実に印象深い言葉でした。

差別を感じることなく生きた方は、壁があってもその壁を越える力をお持ちだった。狭い世界で生きてきた母とその方との違いは一体何なのか、そんなことを考えたことがあります。

今のわたそにわかることは、その方には壁を壁と感じさせない環境があったのかもしれない。もしくはそうした環境をご自分で作り出されてこられたのかもしれない、ということ。


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自分で選ぶ

2020年に日本の共働き世帯は1240万世帯になり、もはや女性が働くのは普通になりました。と言っても、この働く女性の数字はフルタイムワーカーとは限りません。だからこそ夫婦間に収入格差や、自分のために使える時間格差があるのです。

働くことは決して小さなことではありません。働く、働かない、そんな選択をした時から、人の人生ははっきりと分かれていきます。

以前、医師で現在91歳の女性の記事が新聞※に掲載されていましたが、その方は仕事を辞めようと思ったことは一度も無かったといわれています。

結婚後39歳で第一子を出産され、『3歳までは親が面倒をみないとまともな子に育たない』といわれた時代に保育所を探し、0歳から保育所に子どもを預けます。それができたのは、ご両親のサポートや人の手を借りたから。けれど何といっても重要なのは、全面的にその方をバックアップし続けたパートナーの存在があったこと。

彼女は結婚後3か月程は避妊されていたのだと。さすがは医師。理由は夫を見極めたかったそう。パートナーはそもそも働き続ける女性と結婚したいと考えていた医師。それでも生んでから”しまった”とならないために、慎重にパートナーの様子を観察されたそうです。

それから子育てがはじまると、一人分のお給料が消えるほど人の手を借りたとも。

その先生は、共働き夫婦にはルーズにやってほしいとアドバイスされています。たとえ話し合っていても相手は人。理想道理にはいかないことの方が多いからだと。

※引用:日本経済新聞20210830「仕事と家庭両立「無理せず」-慎重を期して夫選んだ-   p21 



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自分の意志で結婚相手を探す

先の先生と医師のお二人には立派なキャリアがおありですので、その生き方を一般化することは難しいのですが、それでも普通の人もそれを参考にすることはできそうです。

先日、ユニークな婚活サイト「キャリ婚」※を知りました。共働きを望む男女が登録するそのサイト、会員の平均年齢は女性が30代前半、男性は30代半ば。女性の年収は500万円前後で男性が600万円前後。登録する女性の大半が大卒で総合職、家事は折半希望。男性側は管理職または専門職で家事代行OK。若干の子育て観の違いが気になりますが…。

この「キャリ婚」、相手のプロフィルを閲覧できるのも、初回メッセージを送ることができるのも女性のみ。実はこのサービス入会金や月会費を払うのは女性側なのだそうです。女性が無料の婚活サービスでは、身元を偽って接近する既婚者や、遊び目的の男性がいるようで、それを防ぐための措置なのだそうです。まあ、この「キャリ婚」、普通の暮らしをする人たちよりやや特別感が強いのですが…。

ちなみに2020年の結婚サービスの利用者は33.1%で過去最高で、ネットの婚活サイトを利用して結婚した人の割合は44.7%だったそうです。

※参考:日本経済新聞20211028 「「間違いない相手」アプリで選ぶ」



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未来の自分のためにできること


長い結婚生活では、ギクシャクしたり心が離れてしまうことがあります。一度もそんなことが無いというご夫婦は稀なはず。他人同士が同じ屋根の下で暮らし始めると、恋人同士の間では踏み込まなかった働くことや育児問題、その他の外部要因が二人の関係を険悪にすることがあります。

そんな時に役に立つのが、結婚前の自分の気持ち。

自分で選択したことは、たとえそれが誰の後押しであったとしても自分の責任、そんなことをわたしは20代で強く自覚した出来事がありました。ここではその内容には触れませんが、その時から、わたしは大きな決断の際には、覚悟を決めるようになりました。

どんなに信頼している人が勧めてくれたことでも、どんなにビックな人が勧めてくれたことでも、自分で選んだ事柄を請け負うのは結局は自分自身。

日本では女性の人生は結婚で大きく変わるといわれています。本当だと感じる人は少なくないはずです。

わたしは結婚願望が低く、27歳で4年程海外留学する予定で両親を心配させたことがあります。30歳を過ぎて帰国することが田舎の両親には絶望的な選択に思えたようです。けれど留学に旅立つほんのわずかな期間、わたしは現在の夫と知り合い結婚しました。

その夫と離婚の危機もありました。それでもこの関係を投げ出さなかったのには理由がありました。それは結婚しようと決めた時の自分の気持ちです。この人と結婚したいと思った時の自分を忘れることができなかったのです。

たとえ夫婦でも相手の選択には手が出せません。ただし自分の選択には自分の意思を込めることができます。

夫婦関係が険悪だった頃、わたしは何度も夫に対する尊敬の念や愛情がまだ残っているのかと自分自身に問いました。そして決めていたことがあります。たとえ1%でもそれが残っているのなら諦めないということ。誰かと絆を繋ぐ時、それを手放す時、わたしは意志をもってそれを選択します。たとえそれが間違った選択であったとしても。

結果、わたしたち夫婦は互いを信頼して暮らすことができています。


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結びに

新しいタイプのユニークな結婚サービス、これは時代が連れてきたシステム。かつてであれば相手を選択する女性など生意気だと非難されたかもしれません。けれど自分にとって最も大切なものは何か、結婚する前に女性だけでなく男性も考えておくことは重要なことだと思うのです。

実はわたしは、働き続ける意志を夫に十分に伝えないまま結婚しています。自分では伝えたつもりでした。でもわたしの気持ちは伝わっていませんでした。ですから働く働かないで常にもめていました。伝わるまで伝えようとしなかったかつての自分を今では反省しているのるのです。

働き続けたいのなら、結婚前にそれをきちんと伝わるように伝えておく、そんなことを結婚の優先順位の一番先頭に持ってくることは大切なことだと思います。そこから子育てや介護問題を共有できるか、それとも一方が担うことになるかの道が分かれます。もちろん途中で話し合うことは出来ますが、一度パターン化した生活スタイルを変えることは容易ではありません。

その上で、自分の望む生き方とは異なる相手を選ぶのであれば覚悟が必要です。中途半端な期待を抱いて結婚しても、厳しい現実は直ぐにやってきます。それでも覚悟をもって選択した事柄は、きっと超えていけるはずです。

あなたは結婚相手に何を望みますか?



※最後まで読んで頂きありがとうございました。


先週、素敵な連絡が届きました。読んでくださった皆様ありがとうございました。

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【企画】女性の働き方と生き方に関する記事を書いています。その一覧!(2021年11月24日現在。過去記事一部含む)

☆育児編
ママを悩ます子育ての常識 / 三歳児神話はやっぱり神話なのでした

☆教育編
見えないものを取り出して。教育は女性を教育は女性を救える?そしてそこからSDGsへ

☆企業編
見えてきた、女性の変化!
次は女性 企業は変わります
あなたは、そしてあなたのパートナーは「勤め先の文化」から逃げられますか?
勤め先のすすむ先 会社は投資家に選ばれる時代

☆法律、または権利に関係のあるもの編
繋がらない権利
「同一労働同一賃金」 57年前、他国でできた法律を取り入れる…ってこと
「均等法」 / 誕生の裏側
創り出されたものに、気付いてしまったのなら
わたしの記憶は時代に無頓着/ 男女平等&ルース・ベイダー・キンズバーグ
泣き寝入りはあなたの人生を蝕みます。その対策、一緒に考えましょう!
言いたいけれどいいにくいお金の話し。あなたならどうしますか?


☆日本の主婦編
日本の主婦って…駄目ですか?
しっぽを掴む、それがはじまり! / ところで主婦ってなんだろう?

☆結婚・長時間労働問題編
自分で選んで決める。未来の自分のために
「ハンサード」イギリス人夫妻とわたしたち
「結婚」が教えてくれた『北風と太陽』

☆意識編
言葉は現実になる
永遠に手放してしまいたいもの
モノローグ「遺品整理士」

☆家族編
noteでエアハグしよう💖💖 家族から、そしてまた家族へ

☆介護編
Long-term care。「一人でも大丈夫」なら、それはさいごの自由
優しさってなんなんだろう
介護にも上り坂⤴があるのです

☆ジェンダーギャップ編
2021年、あなたはイエの内側?それとも外側?
日本のFACTFULNESS きえない分断
女性の賃金が上がらない理由
ジェンダーギャップ / 語られるものと語られないものの間に横たわる真実

☆女性が働くこと編
20年ぶりの再会 「働く」がその人を輝かせていて
女性の道はどんどん狭くなる / 齢と属性というしばり
Re:たとえ働かなくてもいい時代になったとしても、それでも「働くことは生きること」だと思う
「働く人」をカテゴライズするその前に / 働く女性に垣根はいらない
「気働き」できる人


☆もう一度学ぶこと編
古い上着を脱ぎ捨てるように学ぶ
大人になって大学へ行くことはコンプレックス解消に役立つ?


☆音声配信編

東証が変われば日本が、女性の働き方がきっと変わる!!
企業が目指すのは成長! 企業は日本文化に縛られているわけでは…ないから
どうやって使うんでしょう、この法律 #同一労働同一賃金
その人がいなかったら…世界を変えた人
誰かがバリアを築いたのなら もう一度考えてみたい女子の就職活動
創り出されたものからそろそろ自由になりませんか?
見えなくなったのはいつ頃だったのだろう…わたしたちはそれほど違わなかったはずなのに
いろいろな角度から発信!ようやく走り出しました!

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