始まりの場所
ビールを片手に、ラウンジの窓際の席に座っている。
窓の外に目をやると、何機もの飛行機が駐機しているのが見える。
その奥では、滑走路に向かう飛行機が見える。
空港にはいつも早めに行くことにしている。
特に決まって何かをすることもない。
本を持っていれば本を読むこともある。
パソコンを開いて仕事を片付けることもある。
けれど大抵、それほど捗らない。
それでも、ビールを片手に空港で時間を過ごしている。
空港は、これから旅立とうをする人たちの期待感に満ちていると思う。
フライト予定を表示している電光掲示板、制服に身を包んだ航空会社のスタッフ、空港内を流れるアナウンス・・・そのどれもが、期待感をより増幅させる。
そんな期待感に満ちあふれた場所に身を置くのが、旅の楽しみでもあるのだ。
さあ、そろそろ時間だ。
この場所に帰ってくるとき、どんな自分になっているだろう。
そんな自分への期待も込めつつ、今日も旅立つのだ。
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