夢に出てきた犬の話

犬がいなくなって3年。
犬の声を、思い出せないでいる。
人は、その人の声から忘れていくと聞いた。絶対に忘れないと思っていた。思っていたのに、こうもあっけなく。
瞳の優しさとか首を傾げる仕草とかお腹が想像より詰まってることは安易に思い出せるのに、声だけが思い出せない。
悔しいな。せめて犬も私の声を忘れていてほしい。

朝から犬の場所を訪ねた。
前に亡くなったペットは飼い主が自分無しでも生きていけるようにならないと夢に出てこない、と言う話を聞いた。
亡くなって3年一度も夢に出てきたことがなかったの。でもね、一昨日の夜、出てきました。
みんないました。
ウィリーもエマちゃんもマリーちゃんもリアくんも好きな人も友達も家族も、みんな出てきました。
私とウィリーが2人で追いかけっこしてました。
私、もう1人で大丈夫かなぁ。
大丈夫だと、思いたくないな。大丈夫に、なりたくないな。
でもウィリーが夢に出てくると言うことは、ウィリーも大丈夫になったから出てきたということだよね。それなら、いいかもね。
私たちきっと夢の中でいつも一緒で、いつも一緒にいて、いつも一緒に泣いて、いつも一緒に眠っていた。悲しい時は必ず一緒にいた。
このタイミングでウィリーが夢に出てきたこと、忘れない。そのための記録です。
あなたがずっとずっと、本当に大好き、という記録です。
お互いが大丈夫であるならよかった。
どちらかが大丈夫でも、どちらかが大丈夫じゃなかったら悲しいもんね。
このタイミングであること、何か意味があると思っているよ。スピリチュアル的な何かはあまり信じていないけれどあなたのことはずっと信じているよ。
私はここから一歩一歩ゆっくり歩くようにするね。いつ、あなたが私の近くに来てくれるかわからないから、あなたの歩幅に合わせて歩くことにするね。
いつでもそばに来て。ずっとずっと待ってるのよ。
そうしたら、声を思い出せるからね。

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