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映画大好きポンポさん雑感

 

 映画大好きポンポさんを見てきた。その直後の感想をどこかに残しておきたいと思い、記事にすることにした。いつも以上に自己満度高め、かつまとまりがないのでご容赦を。ネタバレもあるので気を付けておくんなまし。


 早速だが満足度はかなり高かった。ただ少しだけ引っ掛かる部分もあった。いつも僕が映画に勝手につけてるポイントだと☆4.1か4.2くらい。参考までに最近見たアニメ映画だとシン・エヴァ☆4.4、鬼滅無限列車☆4.2、FateHF3章☆4.9、SHIROBAKO☆4.6、メイドインアビス深き魂の黎明☆4.3、冴えカノfine☆4.7、青豚☆3.9といったところである。

 

 まずは良かったところから。何と言っても主人公のジーン。彼のキャラクターが良かった。僕はクリエイターは歪んでて狂気を孕んでいるくらいが丁度いいと思っているクチなので、ジーンの社会不適合者っぷりは見ていて気持ちよかった。

 ポンポさんが作中で、青春を謳歌している人間ではなくジーンのような社会の爪弾き者からこそ名作が生まれると言っていたが、確かにそうかもしれない。無論これは極端な話で、現実ではリア充クリエイターも大勢いるとは思うけれど。(てかコミュ力がないと監督は務まらないだろう)

 それとジーンの自分には映画しかない、という人間としての偏りっぷりにも惹かれるものがあった。僕もジーンほどかは分からないが、アニメ、映画、漫画、小説などのフィクションにどっぷり浸かってもはや生活の一部(というより大部分)と化した人間なので、少なからず共感を覚えたのである。そんな彼が初めて監督として一つの作品を完成させるべく邁進していく姿には心打たれるものがあった。

 それと映画の作りも非常に凝っていて一つ一つのカットが作り込まれているなと思った。特に「MEISTER」がクランクアップし、ジーンが編集作業に入るシーン。あそこはジーンの苦労、産みの苦しみが表現されていて非常に印象的だった。

 

 で、ちょっと引っ掛かった部分。アランは原作漫画にはいなかったのでオリジナルキャラだと思うが、彼が融資をすべくお偉方を説得するシーン。その方法がちょっと突拍子がなくて、ん?と思ってしまった。そもそもこのアランというキャラはジーンとの対比で出したキャラクターだと思うが、穿った見方をするならば尺を90分にするために足したキャラクター及びシーンなのかなと考えてしまう。だとしたら作中でジーンが尺を削るべく自分を追い込む場面に対して何とも皮肉な話になるが。

 とは言え話をラストで盛り上げるために必要とは思うので、銀行のシーンはありといえばありだ。ただそこからさらにジーンが過労で倒れるシーンがある。一難去ってまた一難。2つもピンチを演出する必要があったのか少し疑問ではある。これを言うのは禁句かも知れないが、原作の方がまとまりが良かったかもしれない。


 とまあ若干の引っ掛かりはあったが、全体的にはとても良かった。制作の裏側、どうやって作られるのか、と言うクリエイターの物語は大好物だし、アニメや映画に夢中な人ほどこの作品は刺さるんじゃないかと思う。何回か見ると印象が変わりそうな気もするので、近いうちにもう一度見たいところである。

 

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