再投稿のお知らせと十六年前のカメラ【エッセイ】
写真が好きである。
noteで「#写真が好き」というお題の募集があり、二年近く前に自分が書いた小説のことを思い出した。そこに出てくる主人公は、まさに私自身である。一眼レフのカメラを買って、撮るのが楽しくて、常に持ち歩いていた頃の自分である。同じ観光地に何度も出掛けて、同じ写真を何度も撮っていた自分である。
堀江敏幸の『本の音』という書評集を読んでいたら、その中に(一眼レフという「生首」を手にした者が……)という表現が出てきた。この一文を目にしたとき、ああ、自分が肩か