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純化

片思いだった初恋の人が夢に出てきて
ぼくと何だかいい雰囲気になっている
会話なんかも順調で二人ともずっと笑顔で
未来には恐れるものは何もなくて
この瞬間が幸福の絶頂で
ぼくは目の前にあるこの恋を
大事に大きく育てていくだけだった
実際には
何一つまともにしゃべることができなくて
寂しそうな目でじゃあと手を振られて
それを見送ったのが最後

詩は降りてくる

夢が届けてくれた儚い想いは
成就した幻という罪でぼくを惑わす
二人の背景は芳醇な花に満たされ
光でできた道を繋いだ手に託していた
覚醒は残酷な瓦解のムービー
背中を向けた寂寥を
孤独が見送る
ひらりと振られた指の白さを置き去りにして

そしてまた詩は降りてくる

ゆめは薄紫
こいは萌黄
きぼうは純白
みらいは光
げんじつは紺青
はきょくは錆色
ついおくはセルリアンブルー

詩は帰っていく
そして二度と戻って来ない

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