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私は、フツーじゃない。

「俺の見ている赤色は、しおりにとっては青色かもしれない。」


と、お父さんはたまーに哲学っぽいことを口にする人だった。


自分のフツーがみんなのフツーじゃないんだってことはこんな感じで、幼い頃から口酸っぱく言われていた。



けど最近SNSを見てて、大人になってもその感覚がない人って結構いるんだなって。



「私がこう感じてるんだから、みんなも同じだよね!?」



っていう主張がSNSに溢れてて、見てるだけでどっと疲れる。



"違いを愛せ"とまでは言わないけど、「そういうこともあるよね。」で終わる話じゃないの?ってことの方が多い気がしている。


私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが
飛べる小鳥は私のやうに、
地面を速くは走れない。 

私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のやうに
たくさんな唄は知らないよ。

鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。


この時代に既に、こんな詩を書いていた金子みすゞさんは、本当に尊敬する。


受け入れることはできるけど、私はまだまだそこまでできない。



私が鈍感なだけかもしれないけど、いろんな場面で「そんなところまで、誰も気にしてないよ。」と思いながら、そっとブラウザを閉じることが増えた。



いいのか悪いのかはわかんないけど、敏感すぎる人は生きづらそうだから、私はこれからも鈍感なままでいることにする。