AI時代に生きる私たちを幸せにするビジネスは、「幸せとはなにか?」を探求し続けた先にうまれる

「幸せとはなにか?」
「私たちを幸せにするビジネスとはなにか?」

そんな哲学的な問いについて考えさせられるCOMEMOのイベントが、6/17(火)に開催されました。

追記
6/19の日経電子版に掲載していただきました。

ウェルビーイング×ビジネス#01
AI時代に生きる僕たちを幸せにするビジネスとは?

【登壇者】
・日立製作所フェロー 矢野和男さん
・早稲田大学 文化構想学部准教授 ドミニク・チェンさん

イベントを終えての私の考えは、以下のとおりです

・幸せは、人との関わりの中からうまれる
・幸せは、人それぞれ
・幸せは、常に変化する(無常である)

・大量のデータを分析し、AIなどのテクノロジーがさら進歩して、幸せという状態が定量化されたとしても、幸せはその人の中にしかない
・自分のビジネスにおいて、自分と、自分に関わる人たちの幸せについて考え、探求し続けることが、「AI時代に生きる僕たちを幸せにするビジネス」である

そもそも、「ウェルビーイング(Well-being)」とは何なのでしょうか?
調べてみたところ、以下のように説明されています。

「ウェルビーイング」(well-being)とは、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念で、「幸福」と翻訳されることも多い言葉です。(中略)「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態(well-being)にあることをいいます(日本WHO協会:訳)

引用元:Wikipedia

私がWell-beingという言葉を初めて耳にしたのは、働き方改革の取り組みの中ででした。
働き方改革の中では、

社員や、ステークホルダーのWell-beingを追求することが、組織の持続的な成長に重要である

という文脈で、Well-beingという言葉がよく出てきます。

今回の登壇者である矢野和男さんが所属している日立製作所でも、「Happiness Planet」というサービスを「働き方を楽しく、ハピネスにするもの」として提供されています。

矢野さんによると、このサービスは「ハピネス」という、これまで測定不可能だったものをウェアラブルデバイスを活用して測定可能にしたものであり、

・データを大量に集めて分析した結果、見えないものが見えてきた・幸せの集団に特有の体の動きが、無意識の動きの中に隠れている・そういう動きをしている人の周りに幸せな人が多い

という特徴があるとお話されておられました。
「幸せという主観的なものを、身体的な特徴という客観的なデータで捉え、見える化する」
というのは、面白いと思う反面、幸せというものですらスコアリングされることに、お話を聞きながら、心の中ではモヤモヤとした戸惑いを抱きました。

また、矢野さんは、

・「測定する」というのは大事なこと・わからないと改善できない・行動がどう変わるか、変えられるかが大事・13年間、自分を「測り」続けた結果、ポジティブであることがパフォーマンスによい影響を与えていることがわかった・24時間、目の前に起きたことを見える化すると、必ずポジティブな要素が見えてくる

と、自分を測定(データ取得)し、分析し、ポジティブな要素を見つけて、それを振り返ることで、自分自身を常にハピネスな状態に保つことができるというお話をされていました。

矢野さんの話を聞いていると、今の世の中は、「感覚」というものをテクノロジーによって見える化することで、ヒトとして進化する転換期にあるのかもしれないと感じました。


もうひとりの登壇者であるドミニク・チェンさん。
Well-beingに興味を持ったのは、

自分の作ったテクノロジーが人々を幸せにしているのか気になったのがキッカケ

とお話され、ご自身が取り組まれているWell-beingのワークショップでの取り組み内容などをお話されました。

文化が違えばWell-beingも異なるとして、文化心理学を研究されている内田由紀子教授の研究を引き合いに、アメリカと日本のWell-beingの違いをご説明されました。

・アメリカ的Well-being :個(独立)、賞賛・日本的Well-being :和(繋がり)、共感

お話を聞きながら、Well-beingであるという概念で一括りにせず、文化や個人、そしてタイミングによっても違うということを理解することが重要だと感じました。

特に、矢野さんとの対談の中でチェンさんがお話された、

・エモダイバーシティ(感情多様性)・心の栄養バランスがだいじ。いつもポジティブな感情ばかりだと、幸せを感じられなくなる・つらいこと、悲しいことがあるからこそ、それを乗り越えたときの喜びや幸せを感じる

という点にとても共感しました。
矢野さんのお話を伺いながら感じた、幸せというものが数値化され、測られることに戸惑った気持ちが、スーッと引いていくのを感じました。

私が好きな奥井亜紀さんの「Wind Climbing ~風に遊ばれて~」という歌に、

どうにもならない 今日だけど平坦な道じゃ きっとつまらないきみと生きてく 明日だから這い上がるくらいで ちょうどいい

引用元:Wind Climbing ~風に遊ばれて~(作詞:奥井亜紀)

という一節があります。
Well-beingな状態ばかりではないからこそ、Well-beingであろうとして、努力したり、工夫したり、相手のことを理解しようとしたりする。
思うようにいかず、悩んだり、もがいたり、苦しんだりするからこそ、その中から生み出されるものが、周りを幸せにしたり、世の中をよりよくするサービスを生み出すのだと思いました。

私のポリシーは、

「WILLの力で共感と信頼の社会を実現する」

というものです。

こういう自分でありたい、こういう世の中にしたいといった、
「個の中から湧き出るWILLを原動力に行動し、周りに発信しつづけることが、共感と信頼を得て世の中にイノベーションを起こす源となる」
と考えであり、以下の4つが、それを実現するため重要な要素となると考えています。

自分や自分の周りがWell-beingであることをWILLを持って追求し、

自分や世の中を幸せするものを探求しつづける

ことが、「AI時代における僕たちを幸せにするビジネスを見つけること」だと思いました。

Well-beingや幸せとは何なのか?
人によって異なるそれらをどう生み出していくのかについて、引き続き考え続けたいと思います。

イベントの内容については、キレイなグラレコにまとめておられますので、よろしければこちらもご覧ください。


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いつも支えてくれている嫁と息子に、感謝の気持ちとして美味しいお菓子を買ってあげたいと思います^^

ちょっと動揺してどうすればいいか分かりません。。。
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コメント3件

私にとっての幸せが、他の誰かにとっては害になることがあるので、人間社会はややこしく厄介ですね。
>・幸せは、人との関わりの中からうまれる
人と関わることで傷つき、つながりを求めすぎて傷つく。社会で傷ついた心は、社会から一旦離れないと癒やされないけど、離れすぎて孤立しては生きていけない。
2千年以上前から仏教やいろいろな思想が、”自分”や”我”があると思うことがそもそも間違いの元であると言っています。”自分を幸せにする”、”世の中を幸せする”というのも、注意が必要かもしれませんね。
rosさん、コメントありがとうございます(^^)

仰る通り、幸せを追求する行為が他者とのトラブルを生むのもまた事実だと思います。また、ヒトとしての幸せと、地球環境や生き物にとっての幸せも異なる部分があると思います。
記事でも書きましたが、幸せには正解はなく、また無常なものなので、それを求め続ける行為が生きるということなのかなと思います。
唯一絶対の幸せは無いかも知れませんが(多分無いでしょう)、かと言って価値相対主義に偏ると、最悪虚無主義に陥る危険があると思います。何が幸せか?は何が正義か?と合わせてコミュニティーで対話によって(当面の正解を)形成するのが良いように思います。哲学者や芸術家に任せないで、科学者や技術者がこの対話に参加することが(これまで自分もできていないけど)重要かもしれません。
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