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読んで、つながる日経新聞スクラム読み

新聞はみんなと読むと、ひとりで読むよりずっと価値が高まる

6/24(月)に行った #Nサロン新聞部 の部活。
今回も新聞を4人で読んだ結果、

・記事と、記事との間のつながり
・記事と、自分の中に溜まっていた知識とのつながり

という、スクラム読みならではの醍醐味を味あうことができました。
特に後者は、まさに「パーンッ」とつながった感覚が味わえ、実に爽快でした。

スクラム読みとは?

新聞をひとりではなく、誰かと一緒に読み合わせする日経活用術
バックグラウンドが異なる人が集まり、自分の知識や経験を交えながら記事を読んでいくため、ひとりで新聞を読むよりも、より深く、多くの学びを得ることができる(詳細はこちらのnoteをご参照ください)

ピックアップ記事

今回の参加者4名が、2019年6月24日の日本経済新聞や関連紙などからピックアップした記事と理由です。(丸数字は発言順)
終盤のまとめフェーズでは、特別ゲストとして日経STUDYUMのバンナイさんにもご参加いただきました。

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①バリラさん(メーカー営業)

「スキルシェアリングで企業向けビジネスの競争が激しくなってきた」という記事に関し、以下の意見をお話されました。

・ポータルサイトに仕事が集中し、登録しないと仕事が受けられなくなるのでは?」
・能力のある一部の人に仕事が集中してしまい、差別化ができないと仕事を回してもらえないのではないか?
・選択肢があるのはいいことだが、基本は単発なので収入が安定しない
・人生100年時代、70歳まで定年を伸ばそうという動きもあるため、働く場が増えるのはよいことだが、そうした社会になった時にみんなが適合できるのか心配

バリラさんのこの発言を受け、参加者のいわあゆさんが、ビザスクの単発案件を受けたときの経験をお話され、

「プラットフォーム事業者の影響力や責任」

について、話題が広がっていきました。

②いわあゆさん(IT事業会社のビジネス開発)

いわあゆさんは日経新聞朝刊と日経MJの2つの記事を関連づけたお話をされました。
「記事と記事を組み合わせる」というのは、ぱっと記事が目に入る紙の新聞ならではの良い点ですね。

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・北海道ではタクシーが「市民の足」になっているが、規制で業界が守られている
・Uberに友人がいるが、日本でなかなか普及しないのは「規制の壁」だと言っていた
・そのため、「世の中ごと化」するのに取り組んでいて、高齢者が多い地域で普及に向けた取り組みなどを行っている
・ただ、高齢者にニーズはあるが、「スマホというデジタルリテラシーの壁」が立ちふさがっている(自分でスマホを操作できない高齢者は、Uberを呼ぶのに若者を呼んでアプリを操作してもらうそう)
・日経MJで紹介されているマイカー配車アプリ「クルー」のような事例もあるが、日本で新しいサービスが普及するのには時間がかかる

「海外ではUberさえあれば、地図が読めなくてもどこでも連れていってもらえるのに」と、ご自身の海外での経験と、ご友人(もしかするとご自身も?)の経験を記事と重ねられており、歯がゆい感じが聞いているこちらにも伝わってきました。

③エビさん(通信業界)

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ビジネスモデル図解研究所に所属されていたエビさん。
この記事で紹介されている「コエステーション」のビジネスモデル図解を担当されていたということで、とても思い入れがあるそう。(図解はこちらから見れます)

・SNSでコンテンツを配信している立場からすると、とても注目する技術
・音声合成技術の市場規模は大きく伸びると予想されているが、図解の当時は収益化がされておらず、図解にとても苦労した

と、期せずしてビジネスモデル図解制作の裏話を聞くことができました。
話題はそこから、「なぜ利用者に無料で提供するのか?」という点に移り、

「Googleと同じように、データを集めるためにタダで提供していたのでは?」(バリラさん)

と、核心をついた意見が出ました。
用途としても、

・嫁と喧嘩して謝る時など、言いづらい時に使えそう
・SNS連携できれば、カップルのSNSのやり取りが、まるでその場で話をしているようにできるのでは?

というように、「声」の可能性で盛り上がりました。

④いごはち(SE)

最後に、わたしが選んだ記事はこれです。

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中国では高級車の自動販売機が実用化されており、ボルボやマセラティがほんの数分で売り切れた

という事実に驚きを隠せませんでした。
記事にもある通り、もはや追いつけないレベルで技術革新が進んでおり、このままでは今後も差がひらく一方だと、強い危機感を覚えました。
計画や事前の検証も大事ですが、もはやそれでは遅いのではないかと。

「とりあえずリリースして世の中に問う」

のが重要ではないかと考えさせられました。
そんな文脈で出てきたのが、最近、10代の若者の間で流行っているという「Zenly」という位置情報共有アプリ。
Twitter上でのID交換も盛んなようで、

「位置情報の共有 = 監視」

という固定概念に縛られた私の頭を「ガツン!」と殴られたような衝撃を覚えました。

こちらのアプリ、フランスのZenly社が開発したものということで、

・固定概念にとらわれずに世の中に出してみること
・自国で受け入れられないサービスも、他国では受け入れられる可能性があること

をZenlyという実例を通して学びました。
特に2点めについては、

「日本のマーケットでは受け入れられなかったスタートアップの技術やサービスの海外展開を支援したい」

と、最近某コンサル会社の方から話を聞いたこと、そして、Nサロン1期の「台北視察ゼミ」の講師である川端さんから台北で伺った、

「海外を見ている日本のスタートアップは少ない」

という話が一本の線でつながり、「つながった!」という新聞部の醍醐味を味わうことができました。

まとめ

新聞部では、ファシリテーターが最後に「参加者が選んだ記事や、意見をまとめる」というパートがあります。

今回は、いわあゆさんがキレイにまとめてくださいました。

・今回、「新しい働き方」や「生活ツール」というのが共通としてあった
・ビザスクは単なる仕事探しではなく、スキマ時間をうまく使って収入の手段を得る新しい手段。今まで価値化されていなかったところが価値化されている
・コエステーションも「声」という、今まで価値化されていなかったものから価値が生み出されている
・Zenlyも、普通に考えるとそこに価値を見出だせないが、世の中に発信したことで、自分たちの生活スタイルに合わせた新しい使い方が若者の間で生まれた
・その仕組みのあり/なしを議論するのではなく、「世の中に出してみる」のが大事
・そうすることでZenlyのように、日本の若者の間でヒットするという、誰も想像しなかったことが起きる

と、今回も見事に一つ一つ独立した記事や意見をつなげ、

「アウトプットすることを恐れず、世の中に出すことが重要」

という形でまとまりました。

この意見について、日経STUDYUMのバンナイさんも、

・ユーザーインタビューをやってもそこまで意味はない(顧客は自分の本当に欲しいものは知らない)
・デジタルなプロダクトはどんどん変えることができる。商品としての完成形はない。

との意見を述べられ、

「では、アウトプットファーストで取り組むとして、世の中に受け入れられるまでどうやって事業を継続させるか?」

という話題で、もうひと盛り上がりしました。

最後に

そもそも、このように日経新聞の方が新聞部の活動に参加されているのも、わたしたちが「部活の活動をアウトプット」したからです。
さらに元をたどれば、部長が「新聞を複数人で読む」という新しい新聞の読み方をアウトプットしたからです。

バンナイさんいわく、

前回の部活(6/12)に初参加した感想として、一つ一つの記事はバラバラだが、実はどこかでつながっているのがわかったのが、すごく新鮮だった。
日経の人間でも、それがわかっている人は少ないかもしれない

とのことで、新聞部の活動をアウトプットしたからこそ、こうした新しい人と人のつながりが生まれ、そこから新しい価値が生み出されるのだと感じました。

今後もNサロン新聞部の活動を引き続き「アウトプット」していきたいと思います。

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