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妊娠という奇跡と、流産という現実の話 2/6

46歳で初めての妊娠と流産を経験した話。今回は過去の経緯と2回目の検診時の話です。

今回の妊娠が奇跡と思う理由

結婚したのは34歳。その当時、夫は仕事や心がとても不安定で、会社に行ったり行かなかったりを繰り返していた。そんな状況だったから、子供のことは全く考えられなかった。

2年ほど経って、私自身の生理不順もあって婦人科を受信したところ、多嚢胞性卵巣症候群で放っておいたらまず子供は出来ないでしょうと指摘された。


そこで初めて子供をどうする?と2人で考えてみた。

やっぱり子供はできるなら欲しいと言う夫と、生活に不安はあるけど、子供を作らない事を後悔しないとは言い切れない私。色々考えて、まずは投薬治療、その後手術を受けることにした。

手術は全身麻酔での腹腔鏡手術だった。卵巣の壁にレーザーで穴を開けて、硬く分厚くなった卵巣の壁を柔らかくして排卵しやすくする。&ホルモン剤の投与で定期的な排卵を促すような感じ。手術の際に、左右卵管が通っているかも調べてもらったら、片側はねじれて癒着していたらしく、片側の卵巣にしか排卵できる機能は無いようだった。かなり前の話だからなんとなくあやふやな記憶だけど、排卵も2回に1回しかチャンスがないし、自然に子供ができる可能性はかなり低いのねって感じ。

それでも手術の直後には1度だけ、生理が1週間ぐらい遅れたことがあった。なんと無くいつもと違う感じで、医者にも、もしかしたら妊娠超初期での流産だったのかもしれないと言われた。でも自分ではいつもの生理との違いもよくわからなかったから、妊娠した意識もなかった。

結局その後も1年ほど投薬とタイミングで様子をみたけど上手くいかず、この先は体外受精を考えた方が良いと勧められた。

でもその頃には、私の仕事が異常なほどに忙しくなっていて、相変わらず心身が不安定な夫との生活を考えると、時間的にも、金銭面でも、心の余裕的にも体外授精に踏み切ることは出来なかった。


自然に任せて出来るのならよし、出来なければ諦めようと決めたのが38歳ぐらいだったかな?

それから3年ぐらい経った頃、忙しすぎる状況に心が死にそうになって会社を辞めた。自分が楽しいと思うことをやって生きていこうと決めて、ストレスを極力減らした生活ができるようになり、生理や体調は安定していった。

でも結局子供ができるようなこともなく。

自分と暮らしは安定したけれど、早い人はおばあちゃんになる歳にもなってきた。可愛がっていた姪や甥も成人して、最近は老眼も入ってきているこの状況。

10年前でダメだったのに今更妊娠するなんて、どんな奇跡かと。統計的にも45歳を超えて自然妊娠する確率はほぼ0%に近い数字になっているのにね。


初めて次があるかもと思えた日

前回の受診から1週間後、各種検査も兼ねての健診で、血液検査、子宮頸癌検査諸々の後にエコー。毎回大丈夫なのか、ドキドキする瞬間。
慎重に映し出しながら、「元気に動いてますね」と言う言葉にホッと安心する。そしてまたドコドコドコっと言う心拍を聞かされて、初めて、もしかしたらこの先も大丈夫なのかもと思った。

「赤ちゃんの大きさも8週程度の大きさで、順調ね」と医者が少しホッとした口調で言った。私もその言葉にホッとする。「ただ、高齢の場合は、妊娠が継続したとしても、染色体異常の可能性が高いから、もし気になるなら、詳しい検査をしてくれる医療機関を紹介するけど、どうしますか?」「ただし、保険は利かない完全自費診療になるから、20〜25万ぐらいかかりますよ」と。

確かにその可能性は高いのだろうと思っていた。30歳を超えると卵子の老化で染色体異常の率は飛躍的に伸びていき、45歳を超えると60%超には異常があると考えられると言うデータも見た。事前の検査で致命的な異常が分かるのであれば受けた方がいいのかもしれない。けど、もしそれで異常が判明した場合、私はどうするんだろう?奇跡的な確率での自然妊娠があって、更に奇跡的に妊娠が継続した場合、検査結果でどうするか判断することができるんだろうか?

とりあえず次は2週間後に来てね、その時に子供が元気だったら病院を紹介するから考えておいて。との言葉を受け、2週間後の受診予約を入れて帰宅した。

検査費用や受信料は本当に無料だった。貰いたての母子手帳の各項目に区役所でもらったバーコードシールを貼り付けて渡すだけで、なんの支払いも無く終了した。初めての医療費免除が感慨深かった。


帰宅後夫と話し合う。

子供は元気だった。心拍が早くて大きかった。検査の話をされた。検査費用は無保険で結構かかるらしい。でもその検査結果で判断ができるのか想像がつかない。

若いお母さんの母親ぐらいの年齢だし、子供が生まれても成人する頃には60後半で超大変!障害がある子だったらどうする?人生プランを今から考え直さないといけない。結局全てその場になってみないとわからない。

けど不安がりつつも、この状況を面白がっている気持ちもある。なるようにしかならないし、なんとかできるような気もする。ことが起こった時にどうするか、どう感じるかを考えて決めようと思った。

知りたかったことや話したかったことがたくさんあった。でも内容がプライベートすぎて、逆に自分に近い人には知られたくなかった。その上で話をする場が欲しかった。そんな内容です。