BL古事記_カバー帯付き

聖夜にBL古典と合わせて読みたいコミック3選 その1


今晩は! 明石家サンタならぬ海猫沢サンタです。
漢字三文字なのでなんとなく似てる気がしたんですがぜんぜん似てなかったです。
ちなみに明石家サンタっていうのは明石家さんまがクリスマスに孤独な男たちと電話でつながるBL番組……じゃなくてTV番組なんですが「さんま」と「サンタ」で韻を踏んでるのでヒプマイ案件ですね。
すいません、今、脳を経由せずにこれ書いてます。

さて今夜は、12月25日からアニメイトさんで先行発売の新刊「BL古典セレクション②古事記」と一緒に読んでもらいたいBL漫画を3夜連続で紹介したいと思います。



さっそくですが、初日に紹介するのは今回の装画を担当されたはらだ先生の漫画です。
装画がはらだ先生に決まったとき思わず拳を握りしめて「よし……」とつぶやいた俺です。

はらだ作品のどれを紹介するか……一冊選べといわれるとすんげえ迷うんですが、やっぱりこれでしょう。


《BL界の鬼才・はらだが描く衝撃の禁断愛、ついに解禁――》

幼い頃、近所のにいちゃんに手を出され、現場を母親に見られてしまったゆい。
それを境に、いつも遊び相手になってくれていたにいちゃんは姿を消し、親からは過保護なまでの監視を受けるようになってしまった。
あれから時が経ち、にいちゃんを忘れられないゆいは、ある日もあてもなく街を徘徊し、そして、ついに再会の日がくる――。
しかし、久しぶりに会ったにいちゃんは、昔のような優しいにいちゃんではなくなっていて……。



去年出た作品。話題になったので読まれた方も多いと思います。
単なるキレイな恋愛ではなく、ものすごくドロドロした恋愛……しかも「小児性愛」を扱っているので、だめな人はだめだと思いますが(特にお子さんがおられる方は……)、しかし、この作品、BL作家として避けては通れないテーマだったのではないでしょうか。
というのも、BLは愛情の自由を探求し続けるジャンルでもあるからです。
むむ? 飛躍しましたか? ……順番に説明しましょう。

そもそもBLというジャンルの根底にある欲望はなんなのか?
もちろん一つではありませんが、なかでも強いものが、「あらゆるものをカップリング(恋愛)させる」欲望ではないでしょうか。
男×男、獣×人間、電車×ホーム、エンピツ×消しゴム……言葉どおりあらゆるものです。

ボーイズラブの原点である「JUNE」の時代には、よく「禁断の愛」というフレーズが使われました。
当時は同性愛というのが禁断のイメージと結びついていたんですね。
しかし、それはもうかなり時代に合ってない表現になっています。

ところが、小児性愛はそうではない。
判断力のない子供への性行為は、今までもこれからも認められることはないでしょう。
でもそれは現実の話です。虚構ではそうではありません。

先に、BLは愛情の自由を探求し続けるジャンルでもあると書きましたが、フィクションを通じて愛情の枠を拡げるものでもあります。
この『にいちゃん』という作品を読んで感じるのは、小児性愛の嫌悪感や、被害者が加害者に愛情を抱くストックホルム症候群の奇妙さではなく、「普通の大人たちの恋愛でも似たようなことあるんじゃね?」という感想でした。
大人の恋愛だって、自己責任だとそう簡単に言えるものではないと思います。
すべての恋愛がキレイなわけはないし、どこか歪んでいても当然なのではないか。問題はそれをどう自分の中で解釈していくのかです。

はらだ先生の漫画には不思議なところがあって、それは、登場人物がどんなゲスいプレイをしようが、最終的には読んでいて自然に受け入れられてしまう点なんです。
もちろん漫画としての技術もありますが、それだけではないと思います。
その行為の先に「赦し」みたいなものを感じてしまうのは、ぼくの気のせいなのでしょうか。

はらだ先生の漫画はエロとキャラとストーリーのパラメーターがどれも突き抜けて高いのですが、特にこの作品は別格です。
読み終えると事後のようにぐったりしますが……だがしかし……それがいい。

聖夜に読むべき一冊です。

そしてもちろん「BL古事記」も聖夜に読むべき一冊です! まだ読んでない方は……おめでとうございます! プレゼントします。


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タイトルを「BL古典セレクション②古事記 プレゼント応募」とし、本文に
・お名前
・ご住所
・お電話番号
・メールアドレス
を明記のうえ、tsutsui@sayusha.com(左右社編集部 筒井)までお送りくださいませ。
〆切:2018年12月26日(水)23:59
※はらだ先生の装画イラストカード封入(アニメイト限定特典のラフ画ペーパーはつきませんのでご注意くださいませ)。
 なお、当選者の発表は発送をもって代えさせていただきます。
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明日もよろしく!

ちなみにこちらの記事でもBL漫画紹介してます。
よかったらどうぞ。

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