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②海月


正直に言えば
最初は 名前に惚れたのです。
海月と書いて くらげ と読むと知った瞬間。
わたしは恋に落ちました。
月の光を浴びて 海を漂う姿を想像して
『海の月』という 小さなお話を書きました。
なんだか わたしそのもの みたいな作品でした。
『海ノ月』という 短編映画も創りました。
宝物です。

わたしの好きな くらげは 水くらげです。
儚げに揺れる透き通った姿。
その姿に見惚れている間は
なにもかも 忘れられる気がします。


江ノ島のお土産屋さんに
マリモと並べられて
ちいさな ちいさな くらげが売られていて
連れて帰ったことがあります。
くらら と げらら と名づけました。
一生懸命 世話をしたけれど
大きくなるどころか
どんどん どんどん 小さくなって
消えてしまいました。



泳ぐことが好きです。
習った形なんて無視して
好きなように
くらげになったつもりで泳いでみました。
もっと 泳ぐのが好きになりました。
わたしは くらげに なりたいのかもしれません。


どんなに あなたを見つめても
あなたには わたしは 見えていない。
そんな気がします。

だから
わたしも 自分勝手な想いを募らせる。

あなたのことを考えるとき
あなたを眺めているとき

わたしは わたしを 
好きになろうとしているんだと思います。

よくわからないけれど
そんなふうに 好きなのかもしれないと
これを書いていて思いました。

久しぶりに 会いにゆこうと思います。

新しく届いた くらげの傘をさして。


サポートしていただけたら とっても とっても 嬉しいです。 まだ 初めたばかりですが いろいろな可能性に挑戦してゆきたいです。