見出し画像

うーん😕ほかにネーミングなかった?今井むつみ著「英語独習法」のタイトルについて考える。

 ポッドキャストの「ゆる言語学ラジオ」でその著書がたびたび紹介されていた今井むつみさん。専門は認知科学、言語心理学、発達心理学とあるが、その深い考察にはたびたび唸らされる。その今井むつみさんの著書の中で手が伸びなかった本がある。岩波新書の「英語独習法」である。岩波といえばアカデミック、硬いというイメージがつきまとう。岩波新書にしてもライバルの中公新書と比較すると硬さは否めない。その硬さが内容そのものズバリのタイトルにある。読者層のニーズは無視、媚も売らない、ある意味清々しくもある。
 その中でもこの「英語独習法」というタイトルはずば抜けている?このタイトルからどんな内容を想像する?私だったらこんな感じ。「学校、英会話教室、オンライン授業など利用しなくても大丈夫!この方法なら独りでできる!」というところか。そんな想像をした結果、英語の状向上に興味のない私は完全スルー。
 ところが、YouTube「英語学言語学チャンネル」で今井先生の新刊「言語の本質」にプラスこの「英語独習法」、鳥飼玖美子著「本物の英語力」が紹介されたので「これは読まねば」と図書館から3冊を取り寄せて読んだ。

 そして、この「英語独習法」を読んで驚いた。この数年、いろんな英文法の本(新書や参考書)を読んできたが(私たちの時代にはなかった分かりやすい参考書が山ほどあった。)、受験という制約上なのか?日本人が英語を学ぶ際のボトルネックが解消されていない。ところが、この本はスキーマという概念を持ち出し、日本人が陥りがちな日本語と英語の隙間をきちんと埋めてくれている。鳥飼玖美子さんなど英語の専門家による実践的アプローチでは到達できない内容になっていた。(鳥飼「本物の英語力」と比較してみよう。)
 というわけで、この本は私のような「スロー学びスト」、「徹底的に頭で納得できないと先に進めないタイプ」の英語学習者にとってまたとない本と言える。(もちろん堀田著「英語史で解きほぐす英語の誤解」も必携!)
 そんな本に「英語独習法」という陳腐なタイトルをつける??もっとぴったりくるタイトルがあるはずだ。
(案)「英語が嫌いだった人が好きになる本」「認知科学を駆使して英語をマスターする」「英語の加算・不可算の違いがわかる本」などなど

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?