優秀な培養士がいるクリニックの見つけ方

さて、この記事で培養士の腕がかなり重要だということを以前書きましたが…

https://ameblo.jp/yuririxi1/entry-12802686266.html

では、優秀な培養士はどこにいるの?
医師はクリニックのHPに載っていますが、培養士の先生方ってなかなか情報ないですよね。><
そもそも培養士ってどうやってなるの?というところを見ていきたいと思います。

⭐︎胚培養士になるには?

胚培養士は国家資格ではありませんが、日本臨床エンブリオロジスト学会や一般社団法人日本卵子学会、一般社団法人日本生殖医学会が主催する検定試験があります。

「一般社団法人日本卵子学会」では、「正看護師の資格を持っている人」または「大学の医学部、農学部、生物資源科学部、畜産学部、獣医学部、獣医畜産学部、生物理工学部、酪農学部、生物生産学部、生物産業学部、生物資源学部、農学生命科学部、薬学部、保健衛生学部、看護学部、医療医技術学部、保健医療学部、医療衛生学部、もしくはこれらに準ずる機関において、生殖生物学、発生学及び生化学を修得した学士」にも受験資格が与えられているため、実際には多くの人が胚培養士になれるチャンスがあるのです。


現在は、3つの団体が実施しているいずれかの試験に合格することで胚培養士になることができます。


◇ 認定臨床エンブリオロジスト(日本臨床エンブリオロジスト学会)


試験を受験する前提として、臨床検査技師または正看護師の資格を持っている人、もしくは、大学の理科系学部、大学院の理科系研究科あるいはそれに準ずる機関で生物学関連について学んだ修士、博士、学士が対象となります。


日本臨床エンブリオロジスト学会が認定する「認定臨床エンブリオロジスト」になるためには、まず学会会員になる必要があります。そのうえで、精子調整や採卵、胚移植など培養室業務に1年以上携わっており、かつ30症例以上の経験を積む必要があります。


<試験日程、費用など>

試験内容:筆記試験、面接試験、DVD提出による実技試験

受験料:30,000円

資格更新:5年ごと

得られる資格:認定臨床エンブリオロジスト

(参考)

日本臨床エンブリオロジスト学会


◇ 生殖補助医療胚培養士(一般社団法人日本卵子学会)


日本哺乳動物卵子学会の「生殖補助医療胚培養士」は、生物学や生化学、発生学について大学で学び、日本産婦人科学会の認定施設で1年以上の実務経験がある人が対象です。かつ、1年以内に関連学会に2回出席していることも必要です。そのうえで、学会会員である必要があります。


<試験日程、費用など>

試験内容:書類審査、筆記試験、面接

受験料:60,000円(講習会受講料30,000円を含む)

資格更新:5年ごと

得られる資格:生殖補助医療胚培養士

(参考)

一般社団法人日本卵子学会


◇ 生殖補助医療管理胚培養士(一般社団法人日本生殖医学会)


生殖補助医療胚培養士と似ていますが、「管理」という名がつく生殖補助医療管理胚培養士においては、一般社団法人日本卵子学会と一般社団法人日本生殖医学会が共同で資格認定を行っています。


生殖補助医療胚培養士の上位資格にあたり、生殖補助医療胚培養士として5年以上の臨床実務経験があり、5年以内に生殖に係る論文を学会誌に3編以上発表していること、5年以内に関連学会に5回以上出席し、発表も行っているというのが資格要件になっています。さらに、5年以内に実施した200症例を記録として提出する必要もあり、受験要項としてはかなりハードルが高いのが特徴です。


<試験日程、費用など>

試験内容:筆記試験、口述試験

資格更新:5年ごと

得られる資格:生殖補助医療管理胚培養士

(参考)

一般社団法人日本生殖医学会


(*1)



また胚培養士の8割は女性であり、20〜29歳が7割を占めるそうです。経験年数別では1〜4年経験者が77%です。(*2)



ってことはほぼ皆新人みたいなもんやん…!!



↓実際の求人を見てみましょう。

https://embryologistjob.jp


胚培養士は大体年収300〜450万ほど…!


資格は5年更新制だし、理系の大学院で高い学費を払って卒業してこの年収は…

若い女性が多いというのも納得です。

そう考えると優秀な培養士がいる(可能性が高い)クリニックは、


30代以上の培養士の先生がどれだけいるか、

ということに尽きると思います。


また女性で長年勤めるには、仕事と家庭の両立ができるかが大事なので、どれだけ産休育休に理解があるか(産休交代要因で募集あると◎)、土日休み、定時帰り、年間休日数等働きやすい条件で求人を出しているところが良さそうです。


あとは、ずっと求人が出て人手不足のようなところは(言葉が悪いけれど)若い培養士を使い捨てするようなクリニックの社風なので定着率が悪い(技術力が怪しい)でしょうし、15〜20人くらいの大規模院なら指導体制はしっかりしているだろうとか、年間の体外受精の取り扱い件数等、求人情報からも内情が少しみれるので、時間に余裕がある方は胚培養士の求人からクリニックへアプローチする考え方も良いと思います♡







(*1)ジョブメドレー

https://job-medley.com/tips/detail/901/


(*2)我が国における生殖補助医療胚培養士の現状 2015


http://jsmor.kenkyuukai.jp/images/sys%5Cinformation%5C20160727160816-35B89FD5C3864695963DCEFA9586F9416F2DA7E4BB9A2D154F7C970EC0D12A94.pdf

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