12/21:詳解 HTTP/3

本の概要

19日目は『詳解 HTTP/3』を読んだ。

サークルはぬるぽ帝国さん(ブログ

Daniel Stenberg氏の書いた『HTTP/3 explained』の日本語訳である『詳解 HTTP/3』を理解しやすく編纂したもの。

感想

TCPの確実に通信するための仕組みのせいで遅くなってしまってるよね、ということでトランスポート層は高速なUDPを使いアプリケーション層のプロトコルで確実性を担保しよう、その他もろもろの課題もまとめて解決しよう、という発想の転換がQUICプロトコルで、HTTPをQUIC上で流そうぜっていうのがHTTP/3という感じ。この上のレイヤでぶん殴るワクワクはSDxに初めて触れた時に似ている気がする。

がっつりネットワークの話だったので、一昨日読んだのがさっそく役に立った。特にHoLブロッキングとか、本書にも図はあるけど微塵も理解できなかった(*1)ので、知ってて良かったと思う。

やっぱり既存技術の課題を解決するための新しい手法の話は読んでて面白い(ただし、良い面しか書いてなかったりするので信じすぎには注意)。この本は一応HTTP/3の課題も書いてある。そのうち解決できると信じてるぜ、みたいな書き方だったけど。

本書は夏コミの新刊だけど、中身は主に2018年の話なのでタイムラグを強く感じて歯がゆい。やっぱり英語で原文が読めないと情報が遅くなるなぁ、と大学時代の研究と同じ感想を抱いた。まあ読めないものは読めないので、情報格差を受容するか、勉強するかしかないんだけども。

*1 全部同じ図じゃん… 間違い探しじゃねぇんだぞ…

蛇足

「著者はかなり不完全な水晶玉を持っているため、バージョン2で現れる機能を正確に予測することができません」(*2)って、日本人ではなかなか思い付かない言い回しだよね。好き。

*2 原文は「The author of this document does however have a rather faulty crystal ball so we can not tell for sure exactly what features will or will not appear in version 2.」。未来予測に水晶玉を使う点と、良い水晶玉さえあれば未来も分かるんだけどなという自分でも相手でもないものに責任転嫁する点が外国っぽい(小学生並みの感想

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