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『山の上のパン屋に人が集まるわけ』刊行記念 わざわざ代表・平田はる香さんのトークイベント開催


※この記事は2023/7/1(土)のわざわざ平田さんのトークイベントの前振りです。予約はこちらから。記事の最下部にもリンクはってます。

うなぎの寝床の代表白水です。時は10年以上前2012年いきなりツイッターで話しかけてきた方がいる。そして、それはいきなり企画へと発展していく。

「今度、福岡のちくごお試し居住という企画で福岡にいくことになりそうなんですが、九州にせっかくいくので、お店で何日か長野のものや、自分たちがつくってるパンを売ったりできないか?」と。

見ず知らずの人から連絡がきた。そう、それがわざわざの代表平田さんである。2012年6月時点の会話がなんと残っていたので、少し貼ってみようと思う。



平田さんとの出会いはこのメッセージをきっかけにして、2012年6月くらいのこと。うなぎの寝床のお店が開業したのは、7月1日だから、なんとお店を始める前からの付き合いになる。僕らは2012年の3月くらいからお店をはじめるためのブログを立ち上げて情報発信をしていた。平田さんは、リサーチマニアで、九州ちくご元気計画という僕と春口(メッセージ中で「八さん」になってる。笑)が前職で関わっていた事業のブログをチェックしてくれていて、そのメンバーが何かはじめるらしいとチェックしてくれていた。

このメールを受けて、怪しいと思わなかった自分も素晴らしいと褒めてあげたい。まだわざわざも、ほぼ1人か数人でやっていたころだ。僕は、わざわざの過去のブログなどをダーーーっと拝見し「この人は面白い」と断定し、やりとりをはじめた。そして「交換留学」というキーワードを平田さんがあげてくれていたので、これは面白いかなと思い、僕は乱暴にも1週間後くらいに「長野⇔九州 ものづくり交換留学」と命名してチラシをつくって提案した。

長野→九州、わざわざさんがうなぎの寝床に来る企画
九州→長野 うなぎの寝床が長野に行くという企画

結構画期的な企画だったと今でも思う。うなぎの寝床でのわざわざさんの展示に関しては、パンの販売なども行い、無名の僕らのお店に開店前からのパン待ちの行列ができて、平田さんのパワーを感じた。僕と春口は、車で九州のものづくりの品を車に詰めて、車で長野まででかけた。僕は13時間くらい、わりとぶっ続けで移動し、なんとか1日でついたように記憶している。当時は26歳くらい。若いからこそできた企画なのかもしれない。

長野のわざわざでの店での展示
車に荷物をパンパンにつめて移動。よくやったよ。

それから10年。平田さんは、数人のお店から、今では年商3億円を超える組織へと転換している。そのマインドは当時からあったように思う。僕らの過去の会話を少し見返していても、今こういう課題にぶつかっていて、こう乗り切ろうとしているけど、どう思う?とか、そういうやりとりが過去の平田さんのログをみると結構繰り返されている。

そして「山の上にのパン屋に人が集まる訳」でその平田さんのロジックは公開され、いくつかのnoteの記事がバズった。

その瞬間瞬間感じたことを、徒然と、そして騒然と記してきた平田さんはすごいと思う。今回の本は、平田さんがお店をはじめるずっと前の幼少期から、わざわざの立ち上げ、そしてこのバズったnoteの記事、そして、いろんな課題に向き合ってきた様子が綴られたエッセイである。

本のはじめにの章に

“自分の中に生まれた違和感を見過ごすことがどうしてもできなかった。おかしいことからは逃げ出して、あるいは向き合うべきことに向き合って、その積み重ねで、今の私が、今の「わざわざ」があるように思います。”

という文章があった。ここにわざわざは集約しているように思う。会社というものは、経営者の何か変質的な思考や哲学や慣習の一部が滲み出して、それが増殖していった結果だと思っている。そういう意味では「わざわざ」という会社は、この平田さんの違和感を見過ごさない自分に素直に向き合った結果だと思える。

「こないでください」というSNSでバズった発言も、菓子パンをやめて、食事パンの種類を絞るという行為も、オーガニックや天然から「おいしい」に伝え方を変える行為も、赤字になった時に、自ら改革していく行為も常に「違和感」と「ふつう」を行き来しながら、自分の中の自分と会話をしながら前に進平田さん。自分の「ふつう」を突き詰めるという行為は簡単なようで、とても難しい。「ふつう」の形は人それぞれであり、生き方の数だけ「ふつう」が存在する。それを突き詰めて日常生活や仕事として突き通していくということはとても難しい。自信と覚悟を持たなければならない。

改めて、この本を読んで自分にとっての違和感と、自分にとってのふつうとは何か?それを突き詰めて生活や社会と対峙する覚悟はあるのか?そう問われているような気がした。

これは経営のノウハウなどではなく、平田さんの生き方がつまったエッセイである。

今回のトークイベントで、経営的な視点や、幼少期から変化してきたマインド、など聞けるのではないかと思っている。参加してもらえると嬉しいです。


トークイベント概要

◯日程:2023年7月1日(土)
◯時間:14:30~15:30(14:00受付開始、終演後に交流会の時間を設けます)

語り手:平田はる香(株式会社わざわざ代表)・大塚啓志郎(株式会社ライツ社代表取締役社長)
聞き手:本間悠(うなぎBOOKS)

◯参加費(要予約):大人2,200円、学生(小中高校生)1,100円(軽飲食代・旧大内邸保存協力金込み)/ オンライン視聴 1,100円

◯会場:白城の里 旧大内邸
◯住所:福岡県八女市立花町白木3245
◯交通アクセス: 各交通手段については旧大内邸 HPをご参照ください。
◯お問い合わせ:うなぎの寝床 旧寺崎邸(TEL 0943-24-8021)

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本質的な地域文化の継承を。