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九州の文化を体験を通じて伝えるトラベルデザインファーム「UNAラボラトリーズ」発足始動!!

シンク・アンド・ドゥタンクを提唱しているリ・パブリックと、九州ちくごを拠点に地域文化商社であるうなぎの寝床で、7月頭にUNAラボラトリーズという会社をつくりました。

今年の冬に旅行業登録を行い、同時に、季刊トラベルガイド・UNA(ユーナ)を創刊します。UNAは毎号特集を組み、九州の文化とそのルーツである地域の自然・歴史・暮らしを掘り下げ、新しい視点の企画を提案するバイリンガル誌(日英)です。UNAの特集と連動して、九州の魅力を読者・ツーリストとともに編み上げていくツアーの提供も行います。

仮のサイトができたのでここで発表します。そして、経緯を少し書きたいと思います。
https://unalabs.jp/

僕ら、うなぎの寝床は2012年から7年間、九州ちくごのアンテナショップ、または久留米絣を中心としたMONPEのメーカーとして活動してきました。地域文化をどう伝達するか?という点において「もの」を通してその活動を行なってきました。しかし、ものを通して活動をしていくと、どうしても物の売り買いが中心になってしまうというジレンマがありました。ものを通して地域文化を知るきっかけをつくることができるというのは事実ですが、作り手に実際会ったり、現場からの雰囲気や、想い、そのものづくりの背景と熱量みたいなものが、うまく伝えることができないことに対して、ずっとジレンマを感じていました。

同時に研究的な領域、歴史や知恵など、外から見いだすことができる視点も重要で、その情報共有も、僕らが体験して抱えているだけだと何も意味がないなと思っていて、内部でもそれが全て共有されていない。外にも適宜発信できないということが、問題意識としてありました。

そして、実際、うなぎの寝床に足を運んでもらった人に、もっと体感的に現場を感じてほしいと考えた時に、ツーリズムと宿泊はマストでやらなければならないこととして、頭に浮かんでいました。おそらく、地域の可能性を引き出したいと思っている全国の事業者、または個人で活動している人は誰でも思いつくことでしょう。

大事なことは、それを誰がどう実践していくのか?というところ。資金も含めて。はじめは、うなぎの寝床内であれこれ検討もしていったのですが、やはり「ものづくり」を軸にした会社ですので、どうしても「もの」を媒介に考えてしまいます。実際商いの形もハードによっているので、仕方ありません。

うなぎの寝床本体は、小売と物流にある程度特化しながら「ものを通して地域文化を伝える」ということが重要なのではないかと。ある意味で選択と集中です。それを突き詰めてやってみようと。実際、そういうメンバーが集まっているとも思います。

ただ、体感も伝えたい。そこで、佐賀県の事業ニューノーマルを一緒にやって、しこたま議論してきたリパブリック、テツシンデザインオフィスの方々と一緒に体験の部分はやることになりました。こちらは「体験を通して地域文化を伝える」ということがメインになると思います。ロゴなどのデザインはテツシンデザインオフィス。エンブレムみたいにしたいと言っていたら、うなぎエンブレムつくってくれました。ゆるきもかわ系で気に入ってます。笑

そして、うなぎの寝床のみんな、うなラボのみんな、お客さんや、いろんな知見を持ってる人たちが、ツーリズムや宿泊、事業などを通して、ゆるやかに連帯し情報交換を繰り返していくというのが僕のイメージです。実際に今、九州のテキスタイルをテーマにUNA(ユーナ)という雑誌を創刊するために動いているのですが、うなぎチームとうなラボチームが緩やかに連帯してきて、僕自身、今後楽しみになってワクワクしています。

日本という土地は成熟期に入っていると思います。消費ではなく循環、いまある地域資源や知恵、文化をもう一度見直して、活かしていかなければならないと考えています。「もの消費からこと消費へ」みたいなことがここ数年言われていますが、それ自体、僕は懐疑的で、そもそも消費するのではなく、交流して体感しあい、議論したり、未来へのあり方を多様な方々と共有していく上で、そこに未来が生まれるのだと。経済的には、人やもの、ことが集まるところに、サービスがうまれ、経済もうまれ、循環が生まれるのではないかと。消費というのは目減りしてなくなります。地域に住んでいる人、地域を訪れる人が消費ではなく、インタラクティブ(相互的)に未来について何かを生み出したりしていくことが、今後重要なのではないかと考えています。

UNAラボラトリーズは、九州の地域文化をテーマ(視点)を決めて、研究探求して、UNA(ユーナ)という雑誌にして出版します。100ページほどの日英バイリンガル誌です。情報をある程度知ってもらった上で、ツーリズムを展開し、ただの消費ではなく、ツーリズムで訪れる人と、訪問先の人が相互に得れるものがあるように、組めないかなと考えています。どう具体化していくかは、現在進行形で議論しています。

繰り返しになりますが、まずは、UNA(ユーナ)の1号目は「九州のネイティブテキスタイル」というテーマで作っています。12月には発表したいと考えていて、今取材等進んでいます。2号目、3号目も今テーマの絞り込みは大体できてきており、楽しみに待っていてもらえると嬉しいです。

先日、うなぎメンバーのM君と、ご飯を食べ「うなぎはどこに向かっているのですか?」と言われました。僕もわかりませんが「地域文化の本質的な継承と収束、その在り方を思考し、行動し続ける生態系をつくる」というのがミッションだと考えているので、何を具体的に到達目標とKPIにするか?というよりも、その時代時代に合わせて、問題ややるべきことを、一つ一つ議論して形にしていくということが重要なのだと考えています。これは会社としてというよりも、個人個人が考えることが重要で、自分の役割を見出していくことが重要です。がんばります。がんばりましょう、そして、みなさんも、地域文化という曖昧なものに対して、一緒に考えましょう。

おわり。いや、つづく。

にょろ。

本質的な地域文化の継承を。