ものづくりは遊びでもある / 九州ちくごの作り手⑧ 【コマ】隈本木工所

皆さんが子供の頃は、どんな遊びが流行っていましたか?私は「〇〇ごっこ」とかのアナログな遊びもしていましたが、同時に「たまごっち」や「ポケモン」などのゲームも爆発的な人気があって、夢中になった記憶があります。

〇〇ごっこも、ロールプレイングゲームも「仮想空間」で設定した(もしくは設定された)ルールの中で遊ぶという点では変わりありません。

想像する楽しさ、工夫する楽しさ、勝つ楽しさ、クリアする楽しさ。今も昔も、大人も子供も、こうした「遊ぶ楽しさ」というのは共通しているような気がします。

ものづくりというのは、これらの「遊びの楽しさ」が詰まっています。限られた素材や時間の中で、どんなものを作ろうか、どうやって作ろうか、創意工夫をできる領域もたくさんあります。

これに「勝つ楽しさ」と「負ける悔しさ」が加わった遊びが、ケンカ独楽(コマ)です。九州のコマ遊びの特徴で、木のコマに鉄芯を打ち込み、自分仕様に削って、相手のコマにぶつけて叩き割るという遊び。今でいうと、まさにバトルゲームですね。

今回ご紹介する隈本木工所は、そんな九州各種の昔ながらのコマを作り続けてきたコマ屋さん。もちろんケンカ独楽だけでなく、飾り独楽や木芯の可愛らしいコマも作っています。

ファミコンが変えた子供たちの遊び。コマの存在意義。

隈本木工所の隈本さんにお話を聞いて、印象に残っているのが、ファミコンの登場とともにコマの売り上げがどんどんと落ちていったということです。ちょうど隈本さんが家業を継いだ〇〇年頃からが、潮目が変わり始めた頃だそうです。

当時の子供たちは、駄菓子屋さんなどで売っていた木のコマ部分と、別売りの鉄芯を購入し、自ら削ったり加工したりして、次回のバトルに備えていたそうです。

冒頭でも紹介した通り、私自身はアナログな遊びもデジタルな遊びも、根本的には共通しているとは思ってはいます。格闘ゲームでの対戦でも、ケンカ独楽での対戦でも、遊ぶわくわくは似ている気がします。

だからこそ、今後またコマの楽しみ方が「再発見」されるということもありえます。

遊び方を伝えて行きたい、コマ作りを時代にも残していきたいという強い思いがあるからこそ、原料のマテガシが手に入りにくくなっても、鉄芯を作る職人さんがやめてしまっても、隈本さんは昔ながらの九州のけんかコマを作り続けようとされているのではないかと感じます。

同時に、現代のニーズに合わせてものづくりは続けていかなければなりません。

鉄芯のコマだとフローリングを傷つけてしまうので、木芯のコマも作っていたり、ろくろの技術を生かしてけん玉や積み木を作ったりして、木という素材をより身近に感じてもらえるよう、九州産の木材にこだわった玩具作りをされています。

最近では、絵付けも自由に様々な色を使ったものが増えてきて、インテリアとして飾ったりという生活への取り入れ方をする方も増えてきました。もちろん回せばちゃんとくるくる回ります。

隈本さんのところにお邪魔すると、いつもサンタクロースのおもちゃ作りの工房ってこんな感じなのかなーと想像したりします。これを使う子はどんな楽しみ方をしてくれるだろうか?という、わくわくが込められているような気がするのです。

それはもしかしたら隈本さんご自身が、もちろんご苦労はいろいろあるとは思いますが、ものづくりを楽しんでいるような様子が伝わっているからかもしれません。その作り手の思いや優しさを感じられるおもちゃというのは、なんとも言えない柔らかさがあります。

今回の九州ちくごものづくり文化祭では、そんな隈本さんにお越しいただき、実際にコマの絵付け体験から、鉄芯の打ち込み、そしてコマ回し体験まで、教えていただきながら体験することができます。

ぜひ昔の思い出を片手に、もしくはお子さんやご家族と一緒に、参加されてみてくださいね!

【隈本木工所の八女コマ作り&コマ回し体験】
九州では、かつて男の子の遊びの代表格の一つが「ケンカ独楽(こま)」でした。非常に硬い素材として知られる九州産のマテガシの木コマに鉄芯を打ち込み、コマ同士を打ちつけあって強さを競うワイルドな遊びでした。男の子たちは駄菓子屋さんなどで木のコマ部分と鉄芯を別々に買い、自分で鉄芯を削ってコマに打ち込んで「マイ独楽」を作っていたのです。今回はそんな昔懐かしいクリエイティブな遊びを復活させ、自分でコマの絵付けと鉄芯の打ち込みを体験することができます。会場にはコマ遊びができるスペースも準備しますので、実際に「ケンカ独楽」を体験することもできますよ!
① 5月26日(土) 10:30-12:00 @旧八女郡役所
② 5月26日(土) 15:00-16:30 @旧八女郡役所
– 内容  八女コマレクチャー+コマ絵付け/鉄芯打ち体験+コマ回し体験
– 参加費 1,500円(材料費込み) / 募集人数 最大20名

お申込み方法:
WEBフォーム
② メール / u-info@unagino-nedoko.net
③ TEL / 0943-24-8021(旧寺崎邸)
企画:株式会社うなぎの寝床

Photo credit: 藤本幸一郎 / http://www.koichirofujimoto.com

Design: 米村知倫 / http://yone.in


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九州ちくごの作り手特集

5月25日-27日に開催する、九州ちくごものづくり文化祭の「深掘り系ワークショップ&レクチャー」に登場する、個性豊かな12の作り手を紹介します。
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