【シノビガミ】デスゲームです【シナリオ】

シナリオスペック
レギュレーション:現代編(退魔編忍法の修得可)
タイプ:特殊型
リミット:4
プレイヤー人数:4人
階級:中忍頭(背景マシマシ)、上忍

シナリオのギミックについて

 上級妖魔「虚無の燈火」は全てを虚無に誘い、無意味な行動をさせ続ける恐るべき存在です。このシナリオは「虚無の燈火」の影響をメタレベルで受けています。即ち、本来のシナリオ・GMと偽のシナリオ・GMがすり替わっています。

真のシナリオ
https://note.com/unagibushi/n/nd0e81a9a5acb

 このシナリオは前半と後半でGMが交代します。最初は一人目のGM(以降GMAと表記)がシナリオ「デスゲームです」のセッションを進めていきます。GMAは「デスゲームです」と「虚無の燈火」の両方のシナリオシートを閲覧可能です。

 一方で、PL3は「あなたは本セッションのGM(ゲームマスター)である」というハンドアウトを渡されており、シナリオ「虚無の燈火」のセッションを行うために暗躍を始めます。一定の条件(PC3の【秘密】を参照)を満たすと、GM権限がGMAからPL3に移ります。以降、GMAはPL0となり、PL3は二人目のGM(以降GMBと表記)になります。GM権限が移譲された時点で、GMBは「虚無の燈火」だけでなく、「デスゲームです」のシナリオシートも閲覧できるようになります。

 GM権限が移譲され、シナリオ「虚無の燈火」が開始しても、以下の要素は引き継がれます。

・セッションの進行度(何サイクル目の何シーンなのか)
・キャラクターの生命力や状態
・キャラクターが入手している【感情】、【情報】、プライズ

導入フェイズ

 PCたちは気が付くと見知らぬ建物の内部にいた。同じ部屋には自分以外の誰もいないが、同じ建物に数名の忍者の気配を感じることだろう。数名の忍者というのは即ち、君以外のPCのことだ。そこへ謎の声がどこからともなく聞こえてくる。ボイスチェンジャーで変換された耳障りな声だ。声はおちょくるような調子の丁寧語でPCたちに話す。

謎の声「君たちには殺し合いをしてもらいます。有り体に言えばデスゲームです。日本語で言うところの死の遊戯です。僕はさしずめゲームマスターといったところです」
おじさんの声「何を馬鹿なことを言う! 私は帰らせてもらうぞ!」
謎の声「そういう悪いことを言う子にはお仕置きですよ」
おじさんの声「ぐわあああああああ!!!!!!!!!(超高圧ウォーターブレードで切り刻まれる)」
謎の声「逆らったらこうなりますからね。それでは頑張ってください」

 ここで、PCたちに自己紹介と【使命】公開をしてもらいます。その後、「デスゲームの主催者」、「エニグマ:過剰なトラップ」、「エニグマ:執拗なトラップ」のハンドアウトを公開します。

クライマックスフェイズ

 謎の声が響きます。

謎の声「さっさと殺し合いをしてくれませんか。特設会場を用意したのでご案内しますよ」 

 するとビルが崩壊を始め、PCたちは自然と一つの部屋へと誘導されていきます。他のPCを倒す以外に生き残る術はないようです。

 戦闘が始まります。戦場は極地、参加者はPC1〜PC4、デスゲームの主催者です。最後の一人になるまで戦闘は続きます。

シーン表:デスゲーム会場シーン表

  景色転々(「正忍記・認」p134)を適用した方がいいですが、しなくてもいいです。

2. 鋭い痛みが走る。トラップにかかってしまったようだ。こんな見え透いたトラップにかかるなんて。素人トラップだらけの環境に油断していた。痛みはあなたを正気に戻す。シーンプレイヤーは射撃戦ダメージ2点を受け、PC3の【秘密】を獲得する。

3. ビルの屋上。謎の結界のせいで空から逃げることはできない。ビルの周囲は見覚えのある景色……ここは、横浜市のオフィスビル?

4. 食堂。今日の献立は「ゾヌジアの讎々和え」らしい。《経済力》で判定して成功すれば、プライズ「食券」を獲得できる。

5. 喫煙所。誰もいないのに煙で充満している。忘れ物らしいタバコの箱。タバコの銘柄は「虚無の燈火」、注意書きは「精神に害をなします」。

6. 蛍光灯が切れかかっている廊下。破れた張り紙はどこかの会社の社内報のようだ。「今週のデスゲームは中止」と書かれている。

7. オフィスだ。整然と並ぶデスクと椅子。デスク上の型落ちPCたちは意味のない文字列を移し続けているが、極稀に全台一斉に「だまされるな」という言葉を表示する。

8. 悪趣味な拷問器具が並ぶ薄暗い部屋。壁には血文字で「ゲームマスターはあいつじゃない」と書かれている。

9. オフィスでタブレットを見つけた。5つの点が光っている。どうやらデスゲーム参加者の現在位置らしい。シーンプレイヤーは「プライズ:タブレット」を入手できる。

10. 仮眠室。少し休憩できそうだ。ベッドに横になると無数の死んだ目の会社員が無意味な文字列をタイピングし続けるビジョンを見る。シーンプレイヤーは生命力を1点回復するか、変調を1個回復できる。

11. 忍者を舐めているとしか思えない見え見えのトラップだ。能動的にかかろうとしなければ絶対に発動しないだろう。シーンプレイヤーは望むならば射撃戦ダメージを1点受けることができる。

12. 関係者以外立ち居入り禁止と書かれた扉。不用心なことに鍵はかかっていない。部屋の中には無数のディスプレイとよくわからないコンソール。そして、ディスプレイの不健康な光を浴びる人影。その人影はあなたに気付くと「あ、やべっ」という顔をする。シーンプレイヤーは「デスゲームの主催者」の【秘密】を獲得できる。

ハンドアウト

PC1

PC1の【使命】
 あなたは目を覚ますと見知らぬ建物の中にいた。何処からともなく謎の声が聞こえてくる。声曰く、「君たちには殺し合いをしてもらいます。有り体に言えばデスゲームです。日本語で言うところの死の遊戯です。僕はさしずめゲームマスターといったところです」。あなたはどうやら所謂デスゲームに巻き込まれてしまったようだ。
 あなたの【使命】はデスゲームを生き残ることである。
PC1の【秘密】
 あなたは謎の声に聞き覚えがある。ボイスチェンジャーを通した声であったが、あなたは喋り方の特徴を聞き逃さなかった。5年前にあなたが殺害したはずのシリアルキラー『ゲームマスター・イトノコ』の声だったのだ。
 あなたの【本当の使命】は、『ゲームマスター・イトノコ』を今度こそ殺害することである。

PC2

PC2の【使命】
 あなたは潜入任務の潜入先を間違え、見知らぬ建物に迷い込んだ。何処からともなく謎の声が聞こえてくる。声曰く、「君たちには殺し合いをしてもらいます。有り体に言えばデスゲームです。日本語で言うところの死の遊戯です。僕はさしずめゲームマスターといったところです」。あなたはどうやら所謂デスゲームに巻き込まれてしまったようだ。
 あなたの【使命】はデスゲームを生き残ることである。
PC2の【秘密】
 実はあなたは伝説のシリアルキラー『ゲームマスター・イトノコ』のワナビーである。『ゲームマスター・イトノコ』は冴えない三流忍者であったが、デスゲームにおいて参加者と主催者を全て殺害したことで頭角を表し、自身もデスゲーム主催者として活動するようになった危険な人物だ。そんな『ゲームマスター・イトノコ』にあなたは憧れている。
 あなたの【本当の使命】は、デスゲームの主催者と参加者を全員殺害することである。

PC3

PC3の【使命】
 あなたは任務のターゲットを追跡しているうちに見知らぬ建物に迷い込んだ。何処からともなく謎の声が聞こえてくる。声曰く、「君たちには殺し合いをしてもらいます。有り体に言えばデスゲームです。日本語で言うところの死の遊戯です。僕はさしずめゲームマスターといったところです」。あなたはどうやら所謂デスゲームに巻き込まれてしまったようだ。
 あなたの【使命】はデスゲームを生き残ることである。
PC3の【秘密】
 この【秘密】に対する情報判定にはマイナス2の修正が付く。また、この【秘密】は、感情による情報共有、受け渡し、ファンブル表3番によって、他のキャラクターに渡すことができない。ただし、【怪文】ならば共有が可能である。
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 あなたは本セッションのGM(ゲームマスター)である。この【秘密】に限り、「あなた」とはPC3ではなくPL3のことを指す。このハンドアウトをあなたに渡した人物はGMではなくPL0である。PL0がシナリオを用意し、司会進行を行い、NPCのロールプレイをしているように見えるが、それはまやかしである。あなたがGMであり、あなたはシナリオ『虚無の燈火』のセッションを執り行わなければならない。即ち、あなたの【本当の使命】は「シナリオ『虚無の燈火』のセッションを成功させること」である。あなたが【本当の使命】を達成した場合、PC3が4点の功績点を得る。
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 あなたはセッション開始時点から以下の行為が可能である。
・シナリオ『虚無の燈火』のシナリオシートを読むことができる。
・シナリオ『虚無の燈火』を必要に応じて改変することができる。
・あなたがシーンプレイヤーのドラマシーンにおいて、登場キャラクターがPC3と他PCの2名のみの場合、当該PCにシナリオ『虚無の燈火』のハンドアウトを渡すことができる。
(例)PC3のドラマシーンに、PC3とPC4だけが登場しているとき、PC3はPC4にシナリオ『虚無の燈火』のPC4のハンドアウトを渡すことができる。
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シナリオ『虚無の燈火』
https://note.com/unagibushi/n/nd0e81a9a5acb
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 この【秘密】をPCが入手した場合、そのPCはシナリオ『虚無の燈火』のハンドアウトを獲得する。
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 あなたはGMではあるが、セッション開始時点ではGM権限を有していない。PC1、PC2、PC4がシナリオ『虚無の燈火』のハンドアウトを獲得すると、GM権限がPL0からあなた(PL3)に移る。

PC4

PC4の【使命】
 あなたはビルのオーナーになった。これから懐に入ってくるであろう不労所得に心を踊らせながら自分のビルに入館したところ、何処からともなく謎の声が聞こえてくる。声曰く、「君たちには殺し合いをしてもらいます。有り体に言えばデスゲームです。日本語で言うところの死の遊戯です。僕はさしずめゲームマスターといったところです」。あなたはどうやら所謂デスゲームに巻き込まれてしまったようだ。
 あなたの【使命】はデスゲームを生き残り、ビルを奪還することである。

PC4の【秘密】
 実はあなたは自らの意思でデスゲームの主催者にビルを貸したのだ。主催者が法外なテナント料を払ってくれたのだからしょうがない。ウハウハである。
 あなたの【本当の使命】は、デスゲームの主催者が殺害されないようにすることである。

デスゲームの主催者

デスゲームの主催者の【使命】
 デスゲームの主催者として参加者を楽しませることが【使命】である。
デスゲームの主催者の【秘密】
 何故自分はデスゲームの主催者なんてやっているのだ? 『ゲームマスター・イトノコ』とは一体誰のことなんだ? 殺し合いなんかやっている場合ではない。本当に倒すべきは……なんだっけ?
 正体はPC0である。PC0……?

エニグマ:過剰なトラップ

過剰なトラップの【偽装】
 主催者はデスゲームの運営に慣れていないのか? あまりにもステージギミックが多すぎて、参加者同士の殺し合いという醍醐味が楽しめないのではないか?
過剰なトラップの【戦力】
 【妨害活動】(基本p149)

エニグマ:執拗なトラップ

執拗なトラップの【偽装】
 主催者はデスゲームの運営の素人なのか? ステージギミックの主張が過ぎる。小学生がスマブラで作ったステージのようだ。
執拗なトラップの【戦力】
 【蟻地獄】(基本p149)

プライズ:食券

プライズ:食券の【概要】
 「ゾヌジアの讎々和え」の食券。「思い出せ。ゾヌジアもこのゲームも存在し……」と書かれている。このプライズは兵糧丸として使用できる。このプライズに【秘密】は存在しない。

プライズ:タブレット

プライズ:タブレットの【概要】
 デスゲーム参加者の現在位置が表示されているタブレット。背面には「お前には不要だ」というテプラが貼ってある。このプライズの所持者は、自分が【居所】を持っていないキャラクターに対しても戦闘を仕掛けられるようになる。特殊な戦闘乱入も可能である。
このプライズに【秘密】は存在しない。

あとがき

 GM業務アウトソーシングシリーズ第3弾です。セッション中にGMそのものをアウトソーシングするという暴挙に出ましたが、楽になりませんでした。何故って? 2本分のシナリオを書くハメになったからですよ!

以上

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