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香川は“手袋”県! / 国内シェア90%の手袋産地

あなたが普段使っている手袋はどこで作られたものでしょうか。その手袋が日本製であれば9割は香川県で作られたものです。

うどん県として知られる香川県は、実は「手袋県」でもあり、現在手袋の国内生産の9割を占めているのが県の東側、東かがわ市とその周辺地域です。

現在香川県内、福田手袋株式会社株式会社クロダ株式会社ダイコープロダクト株式会社ウインセスの4社の商品を愛媛大洲店では取り扱いしていますが、同じ産地内でも材料や用途などそれぞれに違った特徴があります。

同じ産地内のいくつかの特徴があるものを紹介することで、産地の一部だけではなく産地全体の特徴や幅を知ることができます。

防寒、権威の象徴、ファッション、手袋って何だろう?

手袋の主な目的は手の保護として人の手を暑さや寒さ、危険物から守ることや装飾品としての用途です。

手袋といえばまず防寒用が思い浮かびますが、軍手を代表とする作業用の手袋や、家庭用ゴム手袋、食品用の手袋、レジャー用手袋や医療用手袋、そして様々な専門職用の手袋など多くの手袋の種類があります。

また特に欧米諸国では、王族や貴族など権威の象徴でもありました。
13世紀頃から女性の間ではドレスとともに着用する絹やリネンの刺繍などの装飾が施された手袋が流行し、現在も手袋はファッションの一部として捉えられ着用されます。そのため日本に比べてカラフルな色合いのものが好まれるということもあるようです。

日本では鎌倉時代に鎧の籠手(コテ:腕から手の甲までを守る防具)として発展します。江戸時代にはオランダなど欧米諸国からもたらされたメリヤス手袋が武士の間に広まり、幕末になると手袋作りは下級武士の内職にもなりました。現在はスマホ対応手袋も登場しています。

地場産業衰退から生まれた手袋産業

では、香川県はなぜ手袋産業が盛んになったのでしょうか。

産業として香川県で手袋作りが行われるようになったのは明治時代のことです。両児舜礼(ふたごしゅんれい)と妻タケノから手袋作りは始まります。

舜礼は東かがわ市のお寺の副住職で、二人は駆け落ち同然で大阪に移り住みます。大阪に移り住んだ後、生計を立てるために近所のメリヤス製品の縫製を手伝っていましたが、舜礼は商人などの情報から今後メリヤス手袋の需要は高まると確信してメリヤス手袋の製造に専念します。

その後故郷から棚次辰吉などを呼び寄せて事業拡大を目指し、舜礼が病気で急死した後は、棚次辰吉が遺志を継ぎ、タケノとともに事業を続けていきます。

その頃故郷である東かがわは地場産業が落ち込んでいました。香川県は温暖で降雨量が少なく製糖業や製塩業が発達した地域でしたが、砂糖も塩も海外からの輸入が増えたことで生産量が減少していき、これらの産業に従事していた人たちの生活も苦しくなっていきます。

そんな故郷の人々から相談を受けた辰吉は、手袋製造の技術とともに故郷へ戻り、タケノとともに手袋工場を創業し、ここから東かがわでの手袋製造がスタートします。

その後、第一次世界大戦による産業としての基盤確立や太平洋戦争後の復興などを経て香川県を代表する産業へと成長していきました。

夫婦二人の生業からスタートした手袋製造が、国内生産の9割を占める産業として現在も続いているという産地形成の事例として、手袋の産地香川県を紹介しました。

愛媛大洲店の取り扱いつくり手紹介

株式会社ダイコープロダクト / さぬき市

  1. 1963年創業の手袋メーカー

  2. 消防士や電技技師などが使用する特殊用途作業用グローブやアウトドアのグローブなどを中心に製造

  3. 培った技術を活かした高機能かつファッション性のある男性向け手袋を製造

株式会社クロダ / 東かがわ市

  1. 1974年創業の手袋メーカー

  2. 革製手袋を主とした高品質レザーファッション手袋を製造

  3. オリジナルデザイン手袋の企画から販売まで自社一貫生産

福田手袋株式会社 / 東かがわ市

  1. 1913年創業の老舗手袋メーカー

  2. 各工程を専門の職人の手作業で仕上げる繊細で高品質な手袋

  3. 色合いが豊富で使い心地の良い女性用ファッション手袋を製造

ウインセス株式会社 / 東かがわ市

  1. 1961年創業の手袋メーカー

  2. 精密作業、クリーン作業用手袋を製造

  3. 工業用手袋の素材と縫製技術を活かしたプロダクト「ZERO」を開発

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