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うなぎの寝床が愛媛県大洲にお店を作った理由(後編)

こんにちは。愛媛大洲店・店長の沼倉です。
一気に大洲も寒くなってきました。体調にはお気を付けください!

前回に引き続き、7 月28 日にお店の2階で開催されたトークイベントの後編をお届けします!(前編はこちら

四国瀬戸内のものづくりを理解するために

富永:うなぎで販売する商品セレクトははバイヤーの春口が中心で行っています。大洲店のセレクトもしたけれど、どういうお店にしたいとかある?

春口:「四国瀬戸内のものづくりを伝える」をコンセプトにしていて、ものが作られた背景であったり、技法や素材のこと、そしてその土地の魅力を伝えていく場になったらいいなと思っています。

商品構成としては大きく3つに分けていて、四国瀬戸内のものづくり、九州・全国のものづくり、そして久留米絣のMONPEなど自社商品のUNA PRODUCT。

それぞれの商品はその土地の当時の情勢から生まれた産業や、地理的な特徴などを読み取れるようセレクトをしています。

例えば、大洲だと絹の石鹸を仕入れています。なぜ仕入れたのかというと、大洲と蚕の歴史に触れられると思ったからです。

大洲はかつて養蚕が盛んな土地で、背景には町を流れる肱川が関係しています。肱川(ひじかわ)の氾濫によって水害が多い土地だったため、水害に強い桑が育てられました。桑は蚕の餌になるため、その流れで養蚕業も発達していきました。

富永:九州や全国のものを置いてる理由は何だろう

春口:他の土地の商品があることで、四国瀬戸内のものづくりをより理解できたり、他の土地との関係性が見えてくるのかなと

砥部焼でいうと、原料の砥石が取れる山はあるけれど、焼き物を作る技術は佐賀の職人から伝えられたとされています。

久留米絣(福岡)と伊予絣(愛媛)でも産地間の交流があって、伊予で織った絣生地を福岡で販売したり、その逆もあったりしたんですね。

このように、エリアを絞って商品を置いてもこういった関係性は見えにくい。なので今後も四国瀬戸内のものづくりを理解するために、視野を広げて様々なものを取り扱いしていけたらなと思いまます。

富永:ありがとうございます。

地域の魅力を地域の人が伝える

富永:井手さんとはずっと一緒にお仕事をさせて頂いてます。その井手さんから見て僕たちが果たせそうな役割ってありますかね。

井手さん:うなぎの寝床さんの役割は裏方にある感じていました。産地のことや作りて、商品をリサーチしてセレクトをしていくこと。そしてその膨大なアーカイブを蓄積していることだと思っています。

同時に、八女や福岡だと自分たちで探してきたことの要素を自分たちで説明しないといけない。説明することは必要だとは思いつつ、編集者が表に出ていくように見えていて、それがちょっとおかしいと思っていた部分がありました。

だけどプレオープンの様子を拝見したのですが、大洲店では大洲出身のスタッフがいて、そのスタッフが地域の方や友人に地元の商品を自信を持って説明していたんですね。その光景がすごく良いなと。

うなぎの寝床さんが来街者に四国瀬戸内のものづくりの魅力を伝えるのではなく、うなぎの寝床が外の視点で見つけたものを地域の人が来街者に伝えることをやれるんだろうと思っています。

富永:今話を伺っていて、八女でお店を始めたのはその地域で活動をずっとしていた代表の白水と春口でした。そして地域の人が地域のものを見れる場所を作ろうと思ってお店を始めたことを改めて思い出しました。

大洲でも地域のものをちゃんと地域の人が見れる、伝える、そういう機能を持ち続けたら良いなと思います。

色々な方にお世話になりながら、関係性を築いていきながらお店を作っていけたらと思います。

本日はありがとうございました!

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