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【はんてんマスターに聞く①】 「わた入れ・手とじ」のこだわり

※この記事は『【旧寺崎邸 / ららぽーと福岡店】 はんてんてん 2023』に付随した特集記事で、メールマガジンでリリースした内容をアーカイブしています。メールマガジンの新規登録はこちら

教えて池田さん!
はんてんの心地よさに不可欠
「わた入れ・手とじ」って?

羽織って過ごすだけで、まるで着る布団のように手放せなくなる宮田織物のわた入れはんてん。自分はうなぎの寝床で働くまで、はんてんに馴染みはなかったのですが、着て過ごすとなんとも言えないホッとした気持ちになりました。

うなぎの寝床には、宮田織物で30年働いていた袢天マスター“池田さん”がいます。はんてんの製造から販売、商品開発まで、ながく宮田織物の仕事に携わってきた池田さんは、その経験を僕たちスタッフにも伝えてくれます。

そんな池田さんに宮田織物のはんてんについて、どうして着ていて心地よいのか?そのワケを聞いてみたところ、たくさんの理由を話してもらいました。今回は「わた入れ」「手とじ」に焦点を当ててみようと思います。

荻野

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[1] 人の手でわた入れ。細やかな気配り。

宮田織物のはんてんの中わたは、二人一組の手作業で入れられます。

中わたの厚みも部分によって変え、種類によっては背中とお尻が二重、前は一重にするなどして、温かさ動きやすさの両方を吟味した中わたの入れ方をされています。

わたは本当に柔らかいもので、ふわっと左右同じ力加減で広げたり、ささっときれいにちぎったり、簡単そうに見えるそれさえも実はとても難しいものです。わたがもたついてしまうと、はんてんを羽織ったときの着心地に影響してしまうため、手際よくわたを扱い、流れるようにわた入れていきます。

[2] 手とじだからできる着心地と強度。ちょうどいい力加減。

中わたが入ったはんてんをとじていく作業。これも手作業で行われます。

とじる時に糸を引っ張る力加減も人の手だからこその気配りがされています。縫い糸のテンションが強すぎるとその部分の生地が固くなって着心地に影響し、逆にゆるすぎると強度が弱くなってしまいます。「体に馴染む着心地」「ものとしての強度」を両立するために、糸を引っ張る程よい力加減でとじていきます。

[3] 縫い目が表にも裏にも表れない?

はんてんを長く着ていると、中のわたが寄ってしまったり、わた切れが起こってしまったりします。それが起こりにくくなるように、背中の中心や脇は「表地・中わた・裏地」の三層を縫い合わせています。しかし、表にも裏にもステッチが見えることはありません。その秘密は、表地の縫い代と裏地の縫い代同士を縫い合わせていること。指先の感覚だけで目には見えない内側の縫い代同士を縫い合わせているのです。

見た目の印象としてすっきりとするだけでなく、わたの偏りを防いだり、わたを変える場合も生地を傷めずに中を開くことができるなど、ものとして永く使えるような工夫が施されています。

表地と中わたと裏地の止め方の解説。上の手が表地、下の手が裏地として、それぞれの折り重なった縫い代同士を縫い合わせることでわたを固定している。

今回は、宮田織物のわた入れはんてんの「わた入れ」と「手とじ」のこだわりについてでした。宮田織物の見えないものづくりはまだまだたくさんあります。より詳しく知りたい方は、うなDIGTIONARY#5をご覧ください。

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