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うなぎの寝床が愛媛県大洲にお店を作った理由(前編)

こんにちは。うなぎの寝床愛媛大洲店・店長の沼倉です。
2023 年7月29日にうなぎの寝床は初めての県外出店としてかつての城下町の町並みが残る愛媛県大洲市にお店を構えました。

オープン当初から多くの方がご来店くださり、本当にありがとうございます!

今回は、7 月28 日にお店の2階で開催されたトークイベントを一部編集し、全2回に渡りお届けします!

トークイベントは大洲の町づくりに関わり、ぼくたちが大洲に出店する一番の理由となっ たキタ・マネジメントの井上さん、そしてうなぎの寝床のこれまでの店舗の 建築・設計・インテリアの監修をされ、大洲店も改修してくださったリズムデザイン代表の井手さん、そしてうなぎの寝床からバイヤーの春口、交流・交易担当の富永の 4 名で行われました。

なぜ大洲に出店したのか、これからどういう活動をしていくのか、大いに盛り上がった1時間でした。

大洲の歴史町づくり

富永:皆様よろしくお願いします。
今日はうなぎの寝床がなぜ愛媛県大洲にお店を構えたのか、どういった経緯で産婦人科だった建物を使わせていただくことになったのか、これからどんなことをしていくのかなど、色々お話させてもらえればと思います。

まずはですね、大洲に出店した理由ですが、隣にいるキタ・マネジメントの井上さんが何度もラブコールを送り続けてくれたからです。何年前からですかね?

井上さん:5年ぐらいだと思います。

富永:どうして声をかけてくださったんですか

井上さん:まずは大洲の町づくりについて話をさせてください。

僕たちは大洲の町づくりは「歴史町づ くり」をやっていると思っているんですね。歴史を大切にしながら、歴史を活かしていきながら観光地として有名にしていこうと。そういった中で NIPPONIA ホテル を誘致したりとか。

そういう取り組みを行っている中で、大洲の肱川を中心として形成された城下町の文化を世界発信していこうと。

日本は昔、色々な城下町や町の機能が川の周辺で発展していった歴史があります。大洲は肱川を周遊の要として文化の発展の中心を担っていました。

肱川を運河として大洲藩で作られたものを瀬戸内地域に流通させ、世界に発信していた歴史が江戸から大正の終わりまであったんですよ。それを令和時代に再現したいと。

富永:なるほど

井上さん:うなぎの寝床さんはこれまで地域文化商社として九州を中心にその土地の歴史や文化をも のづくりを通して世界に発信をしていました。

大洲の町に必要な機能として、ぼくたちも四国瀬戸内や全国のつくりての商品を大洲に一挙に集めて世界に発信する場を作りたいと思っていました。
そういった役割を担えると思い、うなぎの寝床さんにお声がけしました。

ここにあったかもしれない風景を想像して

富永:ありがとうございます。
次にこの建物についての話を伺いたいと思います。物件の改修に関わってくださったリズムデザインの井手さんです。

建物を改修するにあたってのポイントや最初に物件を見たときの印象を教えてもらえたらと思います。

井手さん:先に一つ井上さんに質問です。この建物を残そうと思った理由をお伺いしたいのですが。

井上さん:この建物は旧新田産婦人科で大洲の町並みの景観を形成している建物と認識しています。

元々は所有者の方が取り壊そうとしていて、僕たちとしては町の魅力の一つだから弊社で買い取らせて頂きました。ただどう活用しようかなと悩んでいたんです。

井手さん:なるほど。その話を聞いたうえで、初めてこの建物を見たときはびっくりするぐらいボロボ ロでした。建物の中で雨漏りしていたので。

ただなんと言いましょうか、元々病院だったこの建物の面構えが非常に良いなと思いました。

また、大洲の町を見ると古い木造家屋だけでなく、明治大正の建物も残そうと思っているのが良いなと思っていました。

この旧新田産婦人科の建物は木造モルタルという戦後に発展した木造建築だと思います。明治時代に西洋の文化が入ってきて、役所であったり病院や学校を西洋の建物を真似して作り始めるんですね。

ただ、その技術は民間まで落ちてこず、民間でそれを実現しようとすると木造大工さんが写真を見ながら見よう見まねで、これはこうやって作るんじゃないかと言って作ったのがこういった建物なんです。

なので建物ができた時代を想像すると非常に先進的な場所であったはずで、この場所で子供を産むということが非常に誇らしかったんじゃないかと思います。

そういった建物を改修するからには建物が持ってる雰囲気を引き継ぎながら、「当時からここにあったかもしれないお店」を想像しながらデザインを考えていきました。


後編ではうなぎの寝床が大洲でどんな活動をしていくのかお話していきます。


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