0202 感想

育美はにさん(@ikumihoney)著「悪夢とぼくの共同生活」を拝読しました。

「メエさん」こと悪夢(?)との日々、会話を「ぼく」視点から切り取ったお話。
曖昧に「人間をやっている」「ぼく」がメエさんに「人間になってね」と言われるところまで。

文庫サイズ、32p。その中にぎゅっと濃縮されています。全部で16編のようなのですが、この冊子で読めるのは5編目まで。お試し版とのことです。

ここではいただいた冊子を読んだ感想を思いつくままに、簡単に。
ネタバレしてしまう可能性もありますが、5編目までを拝読した時点での所感になります。ご了承ください。

さて。
本文から少し引用させていただいて(6p)。

「ところでメエさん。」「はいよ。」「板前みたいな愛想よさはどこから身に着けるんですか。教えてください。」「自分で探せ。ついでに自分を探せ。」「うううう。業が深すぎて見えません!」

2人の会話のキャッチボールの距離が近い。
ぽんぽんと弾んでいくこの感じ、私には書けないなあと感嘆しました。
キャッチボールをしながら、あるいはドリブルをしながら?2人してゴールまで走っていっているような印象。
昔体育の授業で、バスケットボールを2人でゴール下まで運ぶ練習があったことを思い出しました。

このメエさんは「ぼく」の妄想なのか夢なのか、それとも本当は実在しているのか、曖昧な感じが良いですね。

5篇までの物語はすべて、2人(あるいは、これが「ぼく」の妄想であるなら1人とも言える?)の会話で進んでいきます。
他の人物は介入せず、大きな事件も起きず、会話だけで覗く共同生活の日々。
(このあとの展開はどうなるか、まだ私は存じ上げませんが)

物語冒頭ではメエさんが一体何者なのか明かされず、本人曰く「ザツ」な紹介で終わります。
ただ読み手は「悪夢とぼくの共同生活」というタイトルを抱きながら読み進めていく。
このメエさんは果たして〝悪夢〟なのか?
見極めるとまでは強く言わないまでも、疑問を抱きながら読みました。

「ぼく」とメエさんの出会いが語られるのは4編目。
羊が一匹、羊が二匹。眠るためのおまじないから入っていくところが面白かったです。
ここでは、メエさんの「アタシはね、自分がなにをしたいのかはっきりしないやつのところに泊まりに行って、背筋を伸ばして帰るという使命を背負っているの。」
この台詞が心に残りました。
励ますだとか、改心させるとか、そういう直接的ではない表現が良いなあ。
それでも「背筋を伸ばす」という言い方がじんわり温かくて、私のところにも一晩泊まりに来て欲しいと思いました。

こういう叱咤激励するような台詞が随所に散りばめられているからこそ、読み手(と言うか私)は元気づけられたような気分で本を閉じられるのだろうなあと。

…と、いう訳でスピード感がありつつもほっとひと息ついた、つきたくなるような気持ちで読み終えましたが、何度か前述している通り、このお話はまだまだ続くようです。
5/16編しか読んでいないのでまだ約30パーセント。70パーセントも残っています。
添付の案内を拝見しましたが続きはサイトで公開されている…?のかな?

メエさんは果たして〝悪夢〟なのか、「ぼく」はしたいことを見つけられるのか。2人の生活はいつまで続いていくのか(穏やかなままずっと続いていくのか)。
優柔不断、ほかにも問題が見え隠れする「ぼく」だったので、5編目時点では陽の部分ばかりの締めくくりとは言えないのでしょうが、だからこそ続きが読める日を楽しみにしています。

ふわっと感想でした。
ありがとうございました。

はにさんにはお茶も構っていただきました。
久々に人の創作の話を聞けて楽しかった。


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綿津見

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