オレキシン受容体拮抗薬:デエビゴ錠(レンボレキサント)
2つ目のオレキシン受容体拮抗薬
今更ではありますが、オレキシン受容体拮抗薬の比較を行うことになったりました。脳の覚醒を促すオレキシンという物質の作用を阻害することで、不眠症の改善を狙って用いられます。ベルソムラに続く2剤目として登場しました。近年はせん妄症状に対する予防や治療効果も期待されていますが、現在は適応外です。
同効薬 2 剤の比較表を作成しました。
雑感
デエビゴ 5mg ≒ ベルソムラ 15mg といった印象です。
併用禁忌の扱いが両者で異なりますが、
CYP3A4 に対する影響度はほとんど同じと考えてよいです。
デエビゴは使用上の注意として 「用量を 2.5 mg に減量すること」 のフレーズを記載して併用禁忌を回避しています。
ベルソムラも 使用上の注意として 「10 mg に減量を推奨」 としています。
微妙にニュアンスが異なりますが、
イトラコナゾール や ボリコナゾール など CYP3A4 に対する阻害率が高い薬剤を使用すると、各オレキシン受容体のAUCは 4 倍程度になることが見込まれるので、傾眠を引き起こす頻度は上昇すると考えられます。
最後に、デエビゴ vs ベルソムラ のメタ解析を添付します。
Lemborexant vs suvorexant for insomnia: A systematic review and network meta-analysis
要約すると、
デエビゴはベルソムラと比較して、特に入眠困難に対して有効な可能性がある。
デエビゴ10mg/dayはベルソムラ15~20mg/dayと比較して傾眠のリスクが高い可能性がある。
といった内容です。
COIの多めです。
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