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クラウドファンディングで成功する2大パターンを解説

ひょっとするとこの記事はこれからクラウドファンディングに挑戦するつもりの人にとって少し残酷かもしれません。

しかしクラウドファンディングに関しては一般に思われているイメージと実態がかなり異なるため、心構えという点で以下のことを知っておくことは、キャンペーン公開後にがっかりすることを防止してくれます。

最大級の成功は運営に推された人と、既にファンを獲得している人が得る

一般的なクラウドファンディングのサクセスストーリーは、知名度もお金も無い無名のチームがアイディアを頼りに大金をつかむケースでしょう。

過去複数回のクラウドファンディングを運営してきた経験からするとこれは非常に稀なケースで、多くのキャンペーンは目標額に届かないか、目標値を少し上回る形で終わっています。

クラウドファンディングが以前ほどの注目度を失った2018年ではこうしたサクセスストーリーを踏襲することは非常に難しくなっています。

それでも目標を大幅に上回る資金を集められるケースというのは一体どういうものなのでしょうか? 大きく分けて2つの勝ちパターンが存在します。

その1:運営からのプッシュを受けられる

もし貴方のアイディアが非常に優れているか目を引く物なら、クラウドファンディングサイトの運営がそれをプッシュしてくれることが有ります。

これはトップページやメールマガジンへの掲載など、運営側によるサポートを受けられ、集客面で非常に有利です。

一見埋没してしまいそうなアイディアでも運営の『推し』に選ばれるというのはかなりの力が有ります。目標値100万円以上の大きなキャンぺーンなら是非とも運営のバックアップを受けたいですね。

ただし、アイディアの質を高めることで必ず選出されるか、というとそういうわけでは有りません。基本的にこれを頼みにキャンペーンを展開するのはギャンブルになると考えて下さい。

その2:既に多くのファンを抱えている

例えばシリーズ物の新作を出したり、既に存在するファンを巻き込んでいくのはクラウドファンディングの成功パターンです。

2018年の有名どころでは、タニタがセガとタッグを組んでゲーム用コントローラーを作るキャンペーンは5000万円近い出資を得ることに成功しました。

PlayStation®4「とある魔術の電脳戦機」に対応するツインスティック!

その他にもセガサターン時代の恋愛シミュレーションゲーム『センチメンタルグラフティ』の20周年イベントの開催企画が約3000万円というスマッシュヒットを叩き出しました。

「センチメンタルグラフティ20周年スペシャルイベント〜再会〜」 開催プロジェクト

どちらにも共通して言えるのは、10年以上前からファンを作っており、
自身のコンテンツ力でしっかりと集客できていることです。

独自の集客力の有るコンテンツというのはクラウドファンディングにおいて失敗し難い傾向が有ります。

ただし、0からのスタートの場合、このパターンを踏襲できないことも多いでしょう。

全くの新製品で既存客がいない、運営サイドのプッシュも受けられない、といった状況になった時、クラウドファンディングの恐ろしさが待っています。

既存ファンも無く、マーケティング費用もかけられないなら成功は非常に難しい

上記2つの成功パターンに当てはまらない場合、最も難しいのは集客です。

アイディアだけでは集客力に中々直結せず、実際はキャンペーンを公開しても見て貰えないということが起こりがちです。そもそも既に成功している企業ならともかく、無名の状態でキャンペーン期間内に認知度を高めて購買まで結びつけるというのは実際の商売でも非常に難しいことです。

知名度の不足を補うには広告が依然有効な手段ですが、小さなプロジェクトには十分な広告予算が無いことが殆どです。

残念ながらファンを持たず、広告費も出せないというならクラウドファンディングで大成功することは非常に難しいと言わざるを得ません。

しかしやり方を変えることで開発資金を上手にまかなうことは可能です。

キャンペーンを分散する

例えば映画の三部作が例としてわかりやすいです。

一つのキャンペーンを細かいステップに分けるというのはファンをまだ獲得していない開発チームには非常に有効です。

目標額を低く設定でき、各目標を達成しやすい上に、キャンペーンに支援してくれた人をファンとして定着させることも出来ます。

経験上、1度そのキャンペーンに支援してくれた人は次回のキャンペーンにも支援してくれる傾向が非常に強いです。

これはキャンペーンの公開前から予告を行えたり、見込み客としてアプローチできるからですが、とにかく1度目に支援してくれた人が2度目、3度目に支援してくれるということは大いに有り得ます。

どうしても一度にまとまったお金が欲しいという人はキャンペーン前にファンを醸成することにまず取り組まなくてはなりません。

それまではクラウドファンディングを行う段階では無いです。残念ながら開発側には薪を用意することは出来てもそれに火を付ける役割は担えません。

薪に火を付けて大きなキャンプファイヤーにするにはどうしても一定のファン層が不可欠です。

1度きりのクラウドファンディングに全てを掛けるなら、まずは確実に出資してくれるファンを地道に作るところから始めないといけません。

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