しんちゃんとわたし

子供の頃、我が家はクレヨンしんちゃんを見ない家庭だった。
お尻を出す姿なんて見ないのよ〜と言われていたのだろうか?とにかく見た記憶があまりない。

主人と私は正反対だった。彼はしんちゃんの映画もたくさん見たといい、大人こそ泣けるのだよと力説してくれた。

しんちゃん、君みたいに素直で優しい子を、お腹抱えて笑える家族の様子を、もしも見ていたら、私は何を学んでいただろう。

2人で食事をしながら映画を見ることにする。「ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん」を手にして昔を思い出す。違うシリーズを見た気がしたが、もう20作品以上あるのか。感慨深いな、大人になったな、なんて思った。

始まって15分。笑いすぎて食欲が消えた。正しくいえば、食事中笑うことがないから、変なところに力が入ってお腹が痛くなった。

食事中のながら食べは禁止、姿勢を正して、お皿はきちんと持って。マナーも教えてもらった。すごくじゃないけど、静かに食べるのが普通だった。それが当たり前だったから、体がびっくりした。

結婚して驚くほど毎日が楽しい。お互いの知らないことを共有できて、良いことを喜ぶことができて、悪いことを指摘しあえている。結婚に否定的な人もいて、結婚しなくても幸せになれる世の中だが、結婚ていいものだ。

「しんちゃんて面白い、私も見てたら君みたいに面白い人になってたかな。」

「そしたら、女として見ていなかったかも。」

しんちゃん、もしかしたら君のおかげで、笑顔が絶えない家庭になったのかもしれない。



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