SNS運用の失敗談
取引先との雑談中に、SNSの運用が上手い人がいて・・・という話になった。私はSNSの運用に失敗したことがあるので、上手な人がうらやましい。ノリと勢いだけではうまくいかないのだと実感した。
前職で少しの間、通常業務にプラスして、SNSの運用を任されたことがあった。入社2ヶ月、研修や説明もないまま手探りで始まった。
個人的に行なっている私のinstagramのフォロワーも、すっかり増えなくなった。まあ、時々増えるくらい。そこには多くの欠点があることもわかってきた。せっかくなのでSNS運用の失敗について考えてみる。
あくまでも、私個人の失敗・考え方なので、「そんな失敗したのwうけるw」くらいの気持ちで見ていただきたい。
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中長期的な結果を待てない
SNSを始めたからといって、突然フォロワーが100人1000人と増えるわけがない。増えたならば理想的だが、そんな夢のような話はない。
私は毎日、1人増えた、でも2人減った、今日は3人増えた、なんでかな。など時間があるときは分析していたが、張り付いていることも不可能だしナンセンスだと思う。通常業務があるから。
しかし、中長期的な結果を待てない上層部からのプレッシャーが半端じゃなく、辛かった。開始後1週間で、どうしてフォロワーが増えないのか、SNSのページから購入がないのはなぜか、ノルマに達成できないのはなぜか、と質問攻めだ。対策を考えるより説明に時間を使う方が長かった。
計画を作った上ではっきりと、もう少し時間をくださいと言えばよかった。
炎上を危惧する故の発信頻度の低下
SNSについてよく耳にする、炎上。ブランドイメージを一気に落としてしまうので、企業としては絶対に避けなければならない。
入社して2ヶ月、会社のことをほとんど理解していなかった私が発信するには周囲は怖かったのだろう(私も怖かった)、発信内容を全て上司がチェックしていた。
するとどうだろう、モチベーションが下がるという個人的な気持ちの変化もあるが、とにかく発信が遅くなるのだ。「今日は〇〇の日」にちなんだ投稿をしたいと思っても、4日くらい前から準備しないと発信ができないのだ。大変だ。
頻度が低ければ情報は埋もれていく。だが、多すぎても面白くなければブロックされてしまうだろう。しかし、ブロック数以上にフォロワーを増やしていくという挑戦をしなければ、いつまでもフォロワーは増えない。だから発信をし続けなければいけないのだ。見られなければ始まらない。拡散されてバズるのも夢のまた夢だ。
投稿ルール・運用ルールがない
そもそも、ルールが存在しなかった。または、方針というべきだろう。
親和性を重視したプライベート寄りの発信にするのか、商品PRだけの発信にするのか、そういったルールがなかったために、大変苦労した。始めから相談しておけばよかったな、と思った。
ルールがない→自由にやって→炎上こわい→上司のチェック→やり直し
このループだった。うんざりするので少しずつルールを自分で作っていった。
広く浅くの対応は信頼を得られない
一言でSNSといっても種類が多い。Twitter、LINE、facebook、instagram、YouTube、他にもSNSは多く存在する。これらを、担当者一人で全てを運用するのはなかなか難しいのではないだろうか。
ターゲットに合わせて内容を精査する必要があるし、画像や言葉の調整も必要である。時代の流れに乗って全てに手を出しても、運用しきれずに中途半端になってしまう。最新の投稿が3週間前・・そんな状態では信頼を得られないだろう。
ターゲットが曖昧
ターゲットを絞っていないと、内容にまとまりがなくなる。20代女性がターゲットなのか、50代男性がターゲットなのかで、投稿したい画像の背景色すら変わってくる。
instagramに10代〜60代まで見てもらえる投稿を目指しても、難しいだろう。自分に関係のない情報はバッサリ切り捨てられる。ブロック・アンフォローは3秒もかからない。
統一感のない発信
少々前段とかぶってくるのだが、統一感がない発信だと、「自分には関係のない情報」と判断されブロックされる。
例えばinstagramだと、フィードを見たときに統一感がないと「なんかぱっとしない」「何を訴えたいのかわからない」になってくる。
これは極端な一例だが、可愛らしい・パステルカラー・女性向け商品の投稿が統一されていれば、見ている側も「このなかには私の知りたい情報があるかもしれない」と思うことができる。
売り・目的を理解していない
根本的であり、担当者である以上絶対に必要なことである。企業アカウント・ブランドアカウントを運用する上で、売りにする内容は何か?なぜ発信するのか?程度は理解しておかないと話にならない。「今日はプレミアムフライデーですよ!早く帰りたい!」などどうでもいい内容を投稿することになる。
通常、企業等で任される人は問題ないだろうが、今時一番SNSに馴染みがあるからという理由で(若いからという理由で)任命されるととんでもないことになる。私だ。
大切な考え方とポイント
企業・ブランド・商品についても分からない。SNS運用についても知識不足。まさに右も左も分からない状態、これを限られた時間内で他の業務と並行して行っていると、頭がいっぱいいっぱいになってしまう。いや、なってしまったのだ。
基本的なことだが、改めて大切だと思うことを記載しておく。
【5W2H】
when いつ
where どこで
who 誰が
what 何を
whyなぜ
howどのように
how muchいくらで
【PDCAサイクル】
Plan 計画
Do 実行
Check 評価
Action 改善
学生時代に呟きながら覚えたのを思い出す。これらは、ビジネスにおいてだけでなく、普段の生活やコミュニケーションでも必要な考え方だろう。情報の整理、伝え方、考え方に影響する大切な考え方だと思っている。
SNSの発信はわかりやすく、情報に漏れがないようにすること。また、発信した内容を振り返り、改善していくという基本的なことを怠らないようにする。
それ以外にも、私が思うポイントは以下の通り。
【映える写真、画像のクオリティ】
今の時代、画像のクオリティは結構大切だと思う。instagramが流行っているだけに、綺麗でおしゃれな写真は目につきやすい。またデザインが真新しいというのも重要かもしれない。無料で始められるからこそ、新しいことに挑戦するのも大切。
【その情報は閲覧者のメリットになるか?】
有益な情報でなければフォローする意味がない。写真がおしゃれで参考になるのか?豆知識があるから勉強になるのか?クーポンやプレゼント企画があるからお得なのか?内容に温かみがあったり、発見、共感ができるか?見てくれる人たちのことを考えた内容を発信すべきである。
【ユーモア】
内容に意味を求めすぎてもネタが尽きる。あと、堅苦しくなるときもある。
ユーモアのある投稿ができれば、面白いと思ってくれる。(スベることもあるが)頑なにPRしていても、内容の繰り返しが続けばブロックされてしまうだろう。時事ネタ発信や有名アカウントに絡んでみたり、積極的にフォロワーと交流するのも手段だと思っている。
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半年間SNS担当をしたが、会社の方針で優先度が下がったため、一旦廃止になった。その後、新たなHP制作やウェブ運営に移ったので、当時は気にしていられなかったが、もう少しやりたかったな、とか思った。
ここまで色々と失敗を網羅してきたが、こんなに悩まなくても上手に運用できる人はいると思う。潜在的に向いている人がいる、と私は思っている。
昔から失敗して学ぶタイプなので、この苦い思い出を残しておくことにする。良い改善結果や発見があったらまた記事にしたい。
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